16.1 Advisor ウィザードを使う

Advisor ウィザードを使うには:

  1. Analysis タブにある SigmaStat グループから Advisor をクリックします。


  2. Advisor Wizard が現れたら、これから行う内容とお持ちのデータ形式に関する質問に答えます。次のパネルに進むには Next をクリックします。前のパネルに戻るには Back を、提示される検定を表示するには Finish を、Advisor Wizard を閉じるには Cancel をクリックします。

  3. Advisor Wizard で検定が提案されたら、Run をクリックしてその検定を実行します。提案された検定ごとに Select Data パネルが表示されますので、お持ちのデータの検定を行いたいワークシート列を選択してください。

本セクションの残りの部分では、各ダイアログボックスに表示される質問に対する答えを説明します。

  1. これから行うことを選択してください
  2. データはどのように測定されていますか?
  3. お持ちのデータには、生存時間に影響を及ぼす潜在的な危険因子が含まれていますか?
  4. 被験者1人に対して複数の処理を適用しましたか?
  5. 群または処理の数は幾つですか?
  6. お持ちのデータの種類は何ですか?
  7. これから行う予測の種類は何ですか?
  8. 使用する曲線の種類は何ですか?
  9. 独立変数はどのように指定しますか?
  10. 独立変数を SigmaPlot で選ぶ方法はどうしますか?
  11. 研究は後向きですか、それとも、前向きですか?

 

1. これから行うことを選択してください

(Select what you need to do)

お持ちのデータにふさわしい検定を割り当てる最初のステップは、遂行したい内容を指定することです。Advisor Wizard では、まずはじめに以下に示すどれが必要かが質問されます:

  1. 基本統計量を使ってデータを説明する (Describe your data with basic statistics)単一または複数列のデータに関する記述統計量をリストで表示したい場合は、このオプションを選択します。詳細は、基本統計量でデータを説明する をご覧ください。

  2. 群や処理を比較して有意差を検定する (Compare groups or treatments for significant differences)データを比較して有意差を検定したい場合は、このオプションを選択します。例えば、異なる薬剤処置を受けた人々の平均血圧を比較したいような場合です。比較対象となるデータには、異なる群から収集されたデータ、同一被験者に異なる処理を行ったデータ、異なる群の分布や比率があります。Next をクリックします。お持ちのデータがどのような方法で測定されたかが質問されます。詳細は、2. データはどのように測定されていますか? をご覧ください。

  3. 傾向の予測、相関関係の検出、または、曲線のあてはめを行う (Predict a trend, find a correlation, or fit a curve)単一または複数の独立変数をもとに、従属変数を予測する回帰を使用したい場合、または、2変数間の関連性の強さを相関係数で説明したい場合は、このオプションを選択します。例えば、ある動物の体重からその平均カロリー摂取量を予測できるかどうかを調べたい場合は、このオプションを選択します。Next をクリックします。お持ちのデータがどのような方法で測定されたかが質問されます。詳細は、2. データはどのように測定されていますか? をご覧ください。

  4. 実験計画に必要なサンプルサイズを決定する (Determine the sample size for an experimental design)これから実行したい実験に必要なサンプルサイズを決めたい場合は、このオプションを選択します。Next をクリックします。お持ちのデータがどのような方法で測定されたかが質問されます。詳細は、2. データはどのように測定されていますか? をご覧ください。

  5. 実験計画の感度を決定する (Determine the sensitivity of an experimental design)これから実行したい実験の効果を検出するための検出力、すなわち検定能力を決定したい場合は、このオプションを選択します。Next をクリックします。お持ちのデータがどのような方法で測定されたかが質問されます。詳細は、2. データはどのように測定されていますか? をご覧ください。

  6. 処理と事象との間の関連性の強度を測定する (Measure the strength of association between a treatment and an event)ある処理やある危険因子と、母集団のメンバーで発生する特定の事象との間の関連性の強度を測定したい場合は、このオプションを選択します。Next をクリックします。これから行う研究が後ろ向き (retrospective) か前向き (prospective) かが質問されます。詳細は、11. 研究は後向きですか、それとも、前向きですか? をご覧ください。
図 2.1:アドバイザー・ウィザード

 

2. データはどのように測定されていますか?

(How are the data measured?)

これから行う検定を決定するためには、殆どのプロシージャで、検定に使用するデータがどのような形で測定 (計量) されたかに答える必要があります。

データ測定の手段には4つの方法が考えられます:

  1. 数値データとして (By numeric values)お持ちのデータが数字を使って連続的な尺度で測定されている場合は、By numeric values を選択します。数値 (numeric value) とは、例えば、高さ、重さ、濃度、年齢など、値と値の間に算術的に計算可能な関係が存在する任意の測定データが該当します。

    1. 複数の群や処理間の違いを比較する場合は、同一個体に反復測定を行ったかどうかが質問されます。詳細は、4. 被験者1人に対して複数の処理を適用しましたか? をご覧ください。

    2. 傾向を予測する場合は、これから実行したい予測のタイプを選択するよう求められます。詳細は、7. これから行う予測の種類は何ですか? をご覧ください。

    3. 実験計画におけるサンプルサイズや感度 (sensitivity) を決定する場合は、群や処理が幾つあるかが質問されます。詳細は、5. 群または処理の数は幾つですか? をご覧ください。

  2. 順序や順位として (By order or rank)お持ちのデータが順序関係をあらわす順位尺度 (rank scale) で計量されており、値と値の間に算術的に計算可能な関係が存在しない場合は、By order or rank を選択します。

    例えば、臨床ステータスでは、次のような順序尺度で測定されることが多くあります。健常 = 1、調子が悪い = 2、病気 = 3、入院中 = 4、死亡 = 5。このような格付け (ratings) は、死亡していることが健常であることよりも状態が悪いことをあらわすものですが、死亡が健常より状態が5倍悪いことをあらわしているのではありません。

    1. 複数の群や処理間の違いを比較する場合は、同一個体に反復測定を行ったかどうかが質問されます。詳細は、4. 被験者1人に対して複数の処理を適用しましたか? をご覧ください。

    2. 傾向を予測する場合は、Finish をクリックします。Advisor により、スピアマンの順位相関 (Spearman Rank Correlation) を計算するよう提案されます。詳細は、スピアマンの順位相関 をご覧ください。

  3. 測定の比率や件数として (例:男性対女性) (By proportion or number of observations (for example, male vs. female))。カテゴリ別の件数や個体数をカウントする名義尺度 (nominal scale) でお持ちのデータが測定されており、カテゴリ間 (民主党員と共和党員など) に関連性が存在しない場合は、By proportion or number of observations in categories を選択します。

    1. 複数の群や処理間の違いを比較する場合は、同一個体に反復測定を行ったかどうかが質問されます。詳細は、4. 被験者1人に対して複数の処理を適用しましたか? をご覧ください。

    2. 傾向を予測する場合は、Finish をクリックします。SigmaPlot により Multiple Logistic Regression を実行するよう提案されます。Run をクリックすると検定が実行され、Cancel をクリックすると Advisor Wizard を終了し、ワークシートに戻ります。この検定に関する詳細は、Help をクリックしてください。詳細は、多重ロジスティック回帰 をご覧ください。

    3. 実験計画におけるサンプルサイズや感度 (sensitivity) を決定する場合は、データがどのような形式であるかが質問されます。詳細は、6. お持ちのデータの種類は何ですか? をご覧ください。

  4. 生存時間として (By survival time)。お持ちのデータがある事象 (event) の発生時間に対応する測定値の場合は、By survival time. を選択します。ここで言う事象には、一般に死 (death) があてはまりますが、モーター故障や移植血管閉鎖といった、死以外の事象についても同様に有効です。

    1. 生存データの統計量を説明したい場合や、複数の生存群の有意差を比較したい場合は、お持ちのデータに生存時間に影響を及ぼす潜在的な危険因子が含まれているか否かが質問されます。

    2. 複数の生存群の有意差を比較する場合は、生存時間の精度が後になるほど低いかどうかが質問されます。

 

3. お持ちのデータには、生存時間に影響を及ぼす潜在的な危険因子が含まれていますか?

(Does your data include potential risk factors that may affect survival time?)

 

4. 被験者1人に対して複数の処理を適用しましたか?

(Did you apply more than one treatment per subject?)

複数の群や処理を比較したり、サンプルサイズや検出力を決定する場合、お持ちのデータが連続的な数値尺度で測定されているのであれば、既に行われた測定、あるいは、これから行う測定の対象が同一被験者であるか、それとも、異なる被験者であるかを必ず指定します。Yes または No を選択したら、Next をクリックします。

 

5. 群または処理の数は幾つですか?

(How many groups or treatments are there?)

群や処理を比較したり、サンプルサイズや検出力を決定する場合、お持ちのデータが連続的な数値または順位尺度 (rank scale) として測定されているのであれば、SigmaPlot によって、それに関係する処理または条件の数が尋ねられます。群の数を指定した後に、さらに幾つかの質問に答えるか、途中で検定を決定させることがます。

Tip
Finish をクリックすると検定が提示され、Run をクリックするとそれが実行されます。Back をクリックして前のダイアログボックスに戻ったり、Cancel をクリックしてワークシートに戻ったり、あるいは、Help をクリックして Advisor Wizard の使用に関する情報を調べることも可能です。

 

以下に示すいずれかを選択してください:

 

6. お持ちのデータの種類は何ですか?

(What kind of data do you have?)

カテゴリ別の割合で配置されるデータの種類には、2つの場合があり得ます。

Tip
お持ちのデータの種類を指定した後は、Finish をクリックして提示される検定を表示させるか、Back をクリックして前のパネルに戻るか、あるいは、Cancel をクリックして Advisor Wizard を終了し、ワークシートに戻ることができます。Run をクリックすると検定を実行し、Cancel をクリックするとワークシートに戻ります。また、提示された検定に関する情報を Help をクリックして調べることもできます。

 

以下のいずれかを選択します:

 

7. これから行う予測の種類は何ですか?

(What kind of prediction do you want to make?)

連続的な数値尺度で測定されたデータをお持ちで、それを使って傾向を予測したり、相関を求めたり、あるいは、曲線のあてはめを行う場合は、これから実行しようとする予測の種類が質問されます。単一または複数の独立変数から1つの従属変数の予測を試みる場合、選択できる目標は3種類あります。実行する予測の種類を選択したら、そこで使用する検定の種類について追加の質問や提案が SigmaPlot により提示されます。

以下に示すいずれかを選択します:

 

8. 使用する曲線の種類は何ですか?

(What kind of curve do you want to use?)

曲線を使用してある変数の予測をそれ以外の単一または複数の変数から試みる場合は、使用する曲線の種類について質問されます。

以下に示すいずれかを選択します:

 

9. 独立変数はどのように指定しますか?

(How do you want to specify the independent variables?)

複数の独立変数を使って従属変数を予測する場合、その独立変数の選択には2つの方法があります。従属変数と独立変数は、この回帰プロシージャの実行時にワークシートの列として選択されています。

以下のいずれかを選択します:

 

10. 独立変数を SigmaPlot で選ぶ方法はどうしますか?

(How do you want SigmaPlot to select the independent variable?)

ある変数の値を別の変数から予測する際、その回帰方程式の値の予測に寄与する変数の候補を SigmaPlot で篩い分け (screen) したい場合、選択できる方法は3種類あります。

 

11. 研究は後向きですか、それとも、前向きですか?

(Is your study retrospective or prospective?)

処理 (治療) と事象 (病気の発生) との間の関係の強度を測定する際、処理効果が事象の観測後に決定される場合と、処理群と対照群が事象の観測前に抽出されている場合があります。

以下のいずれかを選択します: