20.7 フリードマンの順位に基づく反復測定分散分析
順位に基づく反復測定分散分析 (Repeated Measures ANOVA on Ranks) を使うのは:
- 1群の個体が、1系列の3つ以上の異なる実験処理をそれぞれ受け、それらによる影響を受けるか否かを調べたいとき。
- 処理効果が正規分布に従っていないとき。
処理効果が正規分布に従っていることが分かっている場合は、一元配置反復測定分散分析 (One Way Repeated Measures ANOVA) を使います。比較する処理が2つしかない場合は、ウィルコクソンの符号付順位検定 (Wilcoxon Signed Rank Test) を実行します。処理効果の分布が非正規の2因子検定はありません。
※ Note:Repeated Measures ANOVA on Ranks オプションの設定によっては、正規母集団に対して順位に基づく反復測定分散分析 (Repeated Measures ANOVA on Ranks) を実行しようとすると、SigmaPlot によってそのデータはパラメトリック検定にふさわしいことが報告され、代わりに一元配置反復測定分散分析を実行するよう提案されます。 |
- 順位に基づく反復測定分散分析について
- 順位に基づく反復測定分散分析を実行する
- 順位に基づく反復測定分散分析のデータを配置する
- 順位に基づく反復測定分散分析オプションを設定する
- Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Assumption Checking
- Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Results
- Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Post Hoc Tests
- 順位に基づく反復測定分散分析を実行する
- 多重比較オプション (RM ANOVA on ranks)
- 順位に基づく反復測定分散分析の結果を解釈する
- 正規性の検定
- 等分散性の検定
- サマリーテーブル
- カイ二乗統計量
- 多重比較
- 順位に基づく反復測定分散分析のレポートグラフ
- Repeated Measures ANOVA on Ranks レポートのグラフを作成する方法
1. 順位に基づく反復測定分散分析について
フリードマンの順位に基づく反復測定分散分析 (Friedman Repeated Measures Analysis of Variance on Ranks) は、1系列の異なる実験処理の1群に対する効果を比較します。各被験者の応答を他の被験者の応答とは無関係に小さい順に順位を付けたあと、各処理の順位の合計を比較します。
フリードマンの順位に基づく反復測定分散分析は、前提条件として全ての処理の差が分散の等しい正規分布に従う必要がないノンパラメトリック検定です。
2. 順位に基づく反復測定分散分析を実行する
順位に基づく反復測定分散分析 (Repeated Measures ANOVA on Ranks) を実行するには:
- ワークシートに適切なデータを入力または配置します。詳しくは、順位に基づく反復測定分散分析のデータを配置するをご覧ください。
- 順位和オプションを設定します。
- Analysis タブの SigmaStat グループにある Tests ドロップダウンリストから以下を選択します:
Repeated Measures → Repeated Measures ANOVA on Ranks
- 検定を実行します。
- レポートグラフを作成します。詳しくは、順位に基づく反復測定分散分析のレポートグラフをご覧ください。
3. 順位に基づく反復測定分散分析のデータを配置する
検定するデータのフォーマットには、生データまたはインデックス付きデータのいずれかを使用することができます。生データでは、64 を上限として処理数と同じ数の列にデータを配置します。各列には、1つの処理のデータが含まれ、各行には、1被験者の処理が含まれます。インデックス付きデータは、ワークシートの3列、すなわち、因子列、被験者のインデックス列、そして、データ列に配置します。
生データの列は、いずれも同じ長さであるする必要があります。もし、欠損値がある場合は、その個体は無視されます。
4. 順位に基づく反復測定分散分析オプションを設定する
Repeated Measures ANOVA on Ranks オプションを使用するのは:
- データの正規性や等分散性の検定の基準を緩和または厳格にする検定パラメータを調整するとき。
- サマリーテーブルを標示するとき。
- 多重比較検定の実行を有効または無効にするとき。
Repeated Measures ANOVA on Ranks オプションを変更するには:
- Analysis タブの SigmaStat グループで RM ANOVA on Ranks を選択します。
- Options をクリックします。
Options for RM ANOVA on Ranks
ダイアログボックスに次の3つのタブが標示されます:
- Assumption Checking:正規性と等分散性オプションを表示するには、Assumption Checking タブを選択します。詳しくは、Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Assumption Checking をご覧ください。
- Results:Summary Table オプションを表示するには Results タブを選択します。詳しくは、Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Results をご覧ください。
- Post Hoc Tests:多重比較オプションを表示するには Post Hoc Test タブを選択します。詳しくは、Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Post Hoc Tests をご覧ください。
- 検定を継続するには、Run Test をクリックします。
- 現在の設定内容を適用して、オプションダイアログを閉じるには、OK をクリックします。
4.1 Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Assumption Checking
正規性 (Normality) の前提条件の検定では、母集団が正規分布に従っているかをチェックします。等分散 (Equal Variance) の前提条件の検定では、各群の平均値の周りのばらつきをチェックします。
- Normality の検定:SigmaPlot では、母集団の分布の正規性検定に Shapiro-Wilk または Kolmogorov-Smirnov のいずれかを使用します。
- Equal Variance の検定:SigmaPlot では、群平均のばらつきをチェックすることで等分散性を検定します。
- 正規性および等分散の P 値:P Value to Reject ボックスに対応する P 値を入力します。この P 値によってデータが正規分布していないと誤って結論付ける確率を決定します (P 値は、データが正規分布しているという帰無仮説を誤って棄却してしまうリスクです)。検定によって求められた P 値が、ここで設定した P 値よりも大きければ、検定は採択されます。
正規性と等分散のいずれかまたは両方の要件をより厳密なものにするには、この P 値を大きくします。パラメトリックな統計手法では、仮説の棄却が比較的ロバスト (頑健) に検出されることから、SigmaPlot ではこの値を 0.050 としています。P 値をこれよりも大きくすると (例えば、0.100)、そのデータに正規性がないとの判定が出やすくなります。
正規性の要件を緩和するには、P 値を小さくします。正規性があるという仮説を棄却するための P 値に小さい値しか要求しないということは、前提とする正規分布からデータが外れていても、それが非正規であると判定される前に、それだけ広く受け入れたいとする意思があることを意味します。例えば、P 値を 0.01 とした場合、あるデータを非正規であると判定するには、0.05 の場合と比べてそれだけ大きく正規性を逸脱していなければなりません。
※ Restriction:この仮説検定は母集団が非正規や等分散でなくてもロバストにデータを検出しますが、データの分布が極端な状態にあり、これらの手法では検定できない場合があります。たとえば、ルビーンの中央値検定 (Levene Median test) では、分散の大きさが数次の場合は差の検出ができません。このような条件の場合は、前提条件の自動検定に頼らずにデータを視覚的に調べることで容易に見分けることができます。 |
4.2 Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Results
順位に基づく分散分析の Summary Table には、中央値 (median)、パーセンタイル、および、サンプルサイズ N が一覧でレポートに表示されます。必要があれば、ボックスの値を編集してパーセンタイルの値を変更します。提示されるパーセンタイルは、25th および 75th パーセンタイルです。
4.3 Options for Repeated Measures ANOVA on Ranks: Post Hoc Tests
オプションダイアログボックスの Post Hoc Test タブを選択すると、多重比較オプションが表示されます。Repeated Measures ANOVA on Ranks では、幾つかの処理群の間に差がないという仮説を検定しますが、具体的にどの群に差があるのか、すなわち、これらの差の大きさは分かりません。これらの差を特定するのが多重比較プロシージャです。
ANOVA で差を検出するか否かの判定に使用する P 値は、Options ダイアログボックスの Report タブで設定します。この ANOVA で求められた P 値が、このボックスで指定した P 値よりも小さければ、群間に差が検出されたことになるので、多重比較が実行されます。
- 多重比較を実行する:多重比較を常に実行する (always perform) か、ANOVA で差が検出されたときだけ実行するか (Only when the P value for an ANOVA Effect is Significant) を選択することができます。
Always Perform オプションを選択すると、ANOVA で差が検出されるか否かにかかわらず多重比較が実行されます。
- Only When ANOVA P Value is Significant オプションを選択すると、ANOVA で差が検出されたときだけ多重比較が実行されます。
- Significant Multiple Comparison Value:Significance Value for Multiple Comparisons ドロップダウンリストから .05 または .01 を選択します。この値は、多重比較で処理間に有意差があると誤って結論付ける見込みを決定します。
値が .05 であれば、多重比較で誤って差を検出する可能性が 5% 以下であれば多重比較で差が検出されることになります。値が .10 であれば、多重比較で誤って差を検出する可能性が 10% 以下であれば多重比較で差が検出されることになります。
※ Note:ワークシートからデータを選択してこの検定を実行したあと、多重比較が開始されると、Multiple Comparison Options ダイアログボックスが表示され、多重比較の手法を選ぶよう指示されます。詳しくは、多重比較オプション (RM ANOVA on ranks) をご覧ください。 |
5. 順位に基づく反復測定分散分析を実行する
順位に基づく反復測定分散分析を実行するには、検定するデータを選択する必要があります。検定を実行する前にお持ちのデータを選択しておきたい場合は、対象となるデータをマウスポインタでドラッグします。
- Analysis タブの SigmaStat グループにある Tests ドロップダウンリストから次を選択します:
Repeated Measures → Repeated Measures ANOVA on Ranks
検定ウィザードの Data Format パネルにデータフォーマットを指定するよう指示されます。
- Data Format ドロップダウンリストから適切なデータフォーマットを選択します。詳しくは、反復測定検定のデータフォーマットをご覧ください。
- Next をクリックして検定するデータ列を選択します。検定を選択する前に列を選択している場合は、 Selected Columns リストに選択された列が表示されます。
- Selected Columns リストに別のワークシート列を割り当てたい場合には、ワークシートで直接その列を選択するか、Data for Data ドロップダウンリストからその列を選択します。
Selected Columns リストの一行目に割り当てられるのは最初に選択した列で、以後同様に列を選択するごとにリストの2行目以降に割り当てられてゆきます。各行には、選択した列の番号またはタイトルが表示されます。生データ (raw) とインデックス付きデータ (indexed) の場合は、ワークシートの2列を選択するよう指示されます。
- 選択した内容を変更するには、リストの割り当てを選択したあと、ワークシートから列を選択しなおします。Selected Columns リストの内容をダブルクリックすることによって、列の割り当てを消去することもできます。
- Finish をクリックすると、選択した列に対して RM ANOVA on Ranks 検定が実行されます。
正規性と等分散性を検定するよう指定している場合、SigmaPlot は正規性の検定 (Shapiro-Wilk または Kolmogorov-Smirnov) と等分散性の検定 (Levene Median) を実行します。お持ちのデータがいずれの検定にも合格 (Passed) した場合、SigmaPlot によりその旨が報告され、One Way Repeated Measures ANOVA を実行するよう提案されます。
Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで多重比較検定を有効にしていなければ、検定の終了後に Repeated Measures ANOVA on Ranks レポートが表示されます。
Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで多重比較検定を有効にしていれば、Multiple Comparison Options ダイアログボックスが表示され、多重比較の手法を選択するよう指示されます。詳しくは、多重比較オプション (RM ANOVA on ranks) をご覧ください。
6. 多重比較オプション (RM ANOVA on ranks)
P 値が有意なときだけ多重比較を実行するよう選択しており、ANOVA で2因子のいずれかまたは2因子間の交互作用の P 値が算出され、その値がトリガーとなる P 値と等しいか小さかった場合、または、Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで常に多重比較を実行するよう選択している場合、Multiple Comparison Options ダイアログボックスが表示され、多重比較の検定法を指定するよう指示されます。
このダイアログボックスには、2つの実験因子と2因子間の交互作用の P 値がが表示されます。選択できるオプションは Options ダイアログボックスで設定した値よりも小さいか等しい P 値を持つもののみです。選択されたオプションをクリックすることによって、その因子に関する多重比較検定を無効にすることができます。どの因子も選択していなければ、多重比較の結果はレポートされません。
順位に基づく分散分析 (ANOVA on Ranks) で選択できる多重比較検定には、以下の4種類があります:
順位に基づく反復測定分散分析 (Repeated Measures ANOVA on Ranks) で選択できる多重比較には次の2つの種類があります。
- All pairwise 比較は、各処理間や2つの因子内の水準間の差 (例えば、データテーブルの異なる行と列どうし) を個別に検定します。
- Versus Control (対照群との多重比較) は、各因子の全ての組み合わせ (例えば、データテーブルの全てのセル) の差を検定します。
7. 順位に基づく反復測定分散分析の結果を解釈する
フリードマンの順位に基づく反復測定分散分析のレポートには、χr2、自由度、および P の結果が表示されます。表示されるその他の結果は、Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで選択します。多重比較は、Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで有効にします。多重比較の実行に使用する検定は、Multiple Comparisons Options ダイアログボックスで選択します。
結果の説明:数値による結果に加えて、拡張された結果の説明が表示されることがあります。この説明テキストは、Options ダイアログボックスで有効または無効にすることができます。表示される小数点以下の桁数についても Options ダイアログボックスで指定できます。
7.1 正規性の検定
正規性の検定 (Normality test) の結果には、変化の差が正規母集団から抽出されたデータであるという前提条件の検定にお持ちのデータが合格したか (passed) 不合格したか (failed) 、および、この検定で算出された P 値が表示されます。ノンパラメトリック検定では、元になる母集団が正規分布に従っていることが要求されないため、ノンパラメトリックプロシージャでは、この検定は不合格 (failed) になります。この結果は、Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで正規性の検定を無効にしない限り表示されます。
7.2 等分散性の検定
等分散性の検定 (Equal Variance test) の結果には、処理の差が同じ分散を持つ母集団から抽出されているという前提条件の検定にお持ちのデータが合格したか (passed) 不合格したか (failed) 、および、この検定で算出された P 値が表示されます。ノンパラメトリック検定では、データの等分散性は前提条件とされません。この結果は、Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで正規性の検定を無効にしない限り表示されます。
7.3 サマリーテーブル
Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスでこのオプションを有効にしていれば、SigmaPlot によってサンプルサイズ N、欠損値 (Missing)、中央値 (Median)、およびパーセンタイルを一覧とするサマリーテーブルが生成されます。
- N (Size):該当する列または群の観測値の数です。
- Missing:該当する列または群の欠損値の数です。
- Medians:全ての観測値を小さい順に並べて、観測値の小さい方の半数の中からの最大値を選択することで算出する観測値の「中央」です。観測した中央値では、その観測値よりも大きい観測数と小さい観測数が同じになります。
- パーセンタイル:観測値の上側と下側の両端を定義した2つのパーセンタイル点です。
これらの結果は、Options for RM ANOVA on Ranks ダイアログボックスで無効にしない限り、レポートに表示されます。
7.4 カイ二乗統計量
フリードマンの検定統計量 χr2 は、全ての順位和は等しいという帰無仮説を評価するのに使います。χr2 の値が大きければ、処理効果に差がある (例えば、順位和の差は偶然によって期待される差よりも大きい) と結論付けることができます。
χr2 の値がゼロに近ければ、処理間に有意差がない、すなわち、各被験者内の順位はランダムであることを示します。
χr2 は、各被験者のすべての測定値を他の被験者とは無関係に小さい順に順位付けすることによって算出します。各処理の順位を合計し、その平方和を元に χr2 を算出します。
- Degrees of Freedom:自由度は、 χr2 の感度を示すものです。処理数の尺度となります。
- P value:P 値は、処理間に真の差があると誤って結論付けてしまう確率です (例えば、 χr2 に基づいて帰無仮説を誤って棄却する、すなわち、第1種の誤り (Type I error) を犯してしまう確率です) 。P 値が小さいほど、標本に有意差がある確率は高くなります。
伝統的には、P < 0.05 であれば、有意差があると結論付けることができます。
7.5 多重比較
群間に差が見つかり、かつ、多重比較を実行するよう選択していれば、群どうしを対比較した表が表示されます。多重比較プロシージャーは、Options for ANOVA on Ranks ダイアログボックスで有効にします。多重比較プロシージャーで使用する検定法は、Multiple Comparison Options ダイアログボックスで指定します。
ANOVA の結果からは、2つ以上の群に差があるかどうかまでしか分からないため、具体的にどの処理に差があるかを決定するには、多重比較の結果を使用します。多重比較の結果の特定のタイプは、使用する比較検定法、および、比較の仕方、すなわち、全ての組み合わせ (pairwise) か、対照群との比較 (versus a control) かによって異なります。
- 全ての対の組み合わせ (All pairwise comparison) の結果には、組み合わせ可能な全ての群の対の一覧が表示されます。全ての対の組み合わせには、Tukey, Student-Newman-Keuls test および Dunn’s test があります。
- 単一の対照群との比較では、選択した対照群 (control group) との比較しか表示されません。対照群は実際に行う多重比較プロシージャで指定します。対照群との比較検定には、Dunnett’s test と Dunn’s test があります。
- Tukey, Student-Newman-Keuls, および Dunnett’s Test の結果:Tukey と Student-Newman-Keuls (SNK) tests は、いずれも群の全ての対の組み合わせを比較するものです。これに対して、Duncan’s test は、対照群とそれ以外の群との比較に使用するものです。いずれの検定も、q 検定統計量、比較 P の間にある順位和の数を計算し、その対比較で P < 0.05 であるか否かを表示します。
q の値が大きいものであれば、比較する2つの処理の差は統計的に有意であると結論付けることができます。
比較した P 値が 0.05 より小さい場合は、誤って有意差があると結論付けてしまう可能性は 5% よりも小さくなります。この値が 0.05 より大きければ、確信を持って差があると結論付けることはできません。
この順位和が、2つの処理の間の差の大きさの尺度となります。
p は、q の算出に使用するパラメータです。p が大きければ、有意差を示すのにそれだけ大きな q が要求されます。p は、比較する群平均の順位に関する差の指標です。SNK 検定では、群の順位和に大きいものから小さい順にそれぞれ順位を付けますので、比較における平均値の数の隔たりが p になります。例えば、比較する順位平均が4つある場合、最大と最小を比較すると p=4 となり、二番目に小さなものと最小のものを比較すると p=2 になります。
ある処理が他の処理と比べて有意差がないことが分かった場合、差のない2つの処理の順位 p の間にある順位 p を持つ全ての処理についても、有意差がないとみなされますので、これらの比較については DNT (Do Not Test) という結果が表示されます。
※ Note:SigmaPlot は、異なるセル対の間に自由度の差があるため all pairwise 比較には DNT ロジックを適用しません。 |
- Dunn’s Test の結果:Dunn の検定は、群のサイズが不均一なときに全ての処理の比較または対照群との比較に使用します。Dunn の検定では、順位の差が一覧で表示され、Q 検定統計量が計算され、各処理の対ごとに P < 0.05 であるか否かが表示されます。
Q が大きい値の場合、比較する2つの処理の差は統計的に有意であると結論付けることができます。
比較の P 値が 0.05 より小さい場合、有意差があると誤って結論づけてしまう確率は、5% よりも小さくなります。この値が 0.05 よりも大きい場合、確信を持って差があると結論付けることはできません。
この順位和は、2つの処理の間の差の大きさの尺度となります。
有意差が無いと最初に分かった比較対の差よりも順位平均の差が小さい比較対には DNT (do not test) という結果が表示されます。詳しくは、順位に基づく反復測定分散分析のレポートグラフをご覧ください。
8. 順位に基づく反復測定分散分析のレポートグラフ
Repeated Measures ANOVA on Ranks の結果を使用して最大3つのグラフを作成できます:
8.1 Repeated Measures ANOVA on Ranks レポートのグラフを作成する方法
- Repeated Measures ANOVA on Ranks test のレポートを選択します。
- Report タブの Results Graphs グループにある Create Result Graph をクリックします。
Create Result Graph ダイアログボックスが表示され、その中に Repeated Measures ANOVA on Ranks の結果で利用できるグラフのタイプが表示されます。
- Graph Type リストの中から作成したいグラフタイプを選択して OK をクリックするか、リスト内のグラフをダブルクリックします。
選択したグラフがグラフウィンドウに表示されます。