The Mathematica Journal (volume 22, 2021)
- 構造方程式モデリング
構造方程式モデリング (SEM: Structural equational modeling) は、因子分析やパス分析などを特別なケースとして含む、非常に柔軟な手法であるため、社会科学において人気のある統計手法です。通常は、専用のソフトウェアで行われますが、Mathematica でも同様のことが可能で、計算のあらゆる側面を制御できるという利点があります。さらに、これらのモデルを計算するための2つ目の、より柔軟なアプローチについても説明します。これは、概念的にははるかに簡単ですが、より強力な可能性を秘めています。この2つ目のアプローチは、回帰の減衰問題の解決策を説明するために使われます。<
The Mathematica Journal (volume 19, 2017)
- 柔軟な機械システムにおける Input shaping 制御の諸相
Input Shapingは、柔軟な機械システムが最小の残留振動で動作するようにプレフィルタを生成する、確立された技術です。 例えば宇宙構造物、ロボット、クレーンなどの工学的システムに多くの例がみられます。振動制御は、構造的な柔軟性の存在下で精密な運動が要求される場合には深刻な問題たり得ます。例えば風力発電用のタービンブレードでは、フラップ方向の振動を処理しなければブレードの寿命は縮まり、予想外の振動が土台の支持構造体にまで広がる可能性があります。このアーティクルでは、Input Shaping技術を使用して柔軟な機械システムが内包する振動を制御できるツールについて検討します。
The Mathematica Journal (volume 18, 2016)
- モジュラー群の部分群の操作
の部分群に働く効率的なアルゴリズムについて説明します。 説明する操作は、join と meet、 共役テスト (congruence testing)、合同閉包 (congruence closure)、部分群テスト (subgroup testing)、カスプ列挙 (cusp enumeration)、スーパー群格子 (supergroup lattice)、生成元 (generators)、剰余類列挙 (coset enumeration)、生成元のリストから群を構築することです。
The Mathematica Journal (volume 17, 2015)
- 最大軌道遷移問題
宇宙船は円軌道であると仮定し、可変パラメータが推力方向の角度になるように、宇宙船が設定時間の間、一定の推力で遷移可能な最大可能円軌道を求める問題を考えます。 また、二つの円軌道の共通中心に 1つの引力の中心があると仮定します。 最後に、すべての定数および変数は、正規化された値であると仮定します。
- RIFA: A Differential Gene Connectivity Algorithm
本アーティクルでは、例えば腫瘍性肝組織 対 肝硬変肝組織のような、2つの生物学的状態の間の表現型の違いを作成する、最も直接的に責任のある遺伝子を同定するために設計された計算生物学アルゴリズム RIFA の実装について説明します。
The Mathematica Journal (volume 16, 2014)
- セルオートマトンのルールの族の表現
本アーティクルでは、テンプレートに基づいたセルオートマトンのルールの表現の概念を説明します。独立したルールではなく、セルオートマトンの族を参照することで、ルールテーブルに基づいた標準的な表現を拡張します。テンプレートを得るための鍵は Mathematica に組み込まれている方程式ソルバの機能のルールです。テンプレートに適用できる操作を定義し、その使い方の例を最大の内部対称性と数の保存の性質を共有するルールの集合の表現の文脈から示します。それ以外の文脈におけるテンプレートの使用の概念も議論し、現在ある制限にも触れます。
- ドミノグリッドを解く3つの方法
本アーティクルでは、ドミノグリッドパズルを解く3つの方法を開発、比較します。「人間型」アルゴリズム、ブルートフォース法、および一般化オドメーターを使ったスキームです。
- アルベロス – 内接円、ラジカル円、根軸、双子の円、一般化、および言葉を用いない証明
本アーティクルでは、「アルベロス」とよばれる古代図形における一連の特性を系統的に証明します。著者の貢献によって、新たに発見され拡張された内容も含みます。
- 複雑なシステムの信頼性 – グラフ理論からのアプローチ
本アーティクルでは、システムの信頼性ブロック図を示すために、有向非巡回グラフを使用して、複雑なシステムの信頼性を示す厳密解析式を生成する方法を説明します。さらに信頼性ブロック図に格納された統計情報を使用して解析式をシステムの信頼性のための経時的関数に変換する方法についても示します。
The Mathematica Journal (volume 15, 2013)
- フィボナッチ列フラクタルの性質および一般化
本アーティクルは、言語の間のモルフィズムの繰り返しで発生する可能性があるフィボナッチ列および一般化のいくつかの組み合わせ属性を実装します。フラクタル曲線のいくつかのグラフィックス属性は、このワードと関連しています。曲線はLシステムで使用されるものと似た描画規則から生成されます。プログラムへの簡単な変更で、他の面白い曲線を生成できます。
- World Wide Web 上のランダムウォーク
本アーティクルでは World Wide Web 上でランダムウォークを実行し、結果のデータを視覚化するために開発されたパッケージである RandomWalkWeb を紹介します。
- 負の二項回帰
負の二項回帰は、最尤法を用いて構築されます。従来のモデル (traditional model) とオフセットを用いた比率モデル (rate model) について、回帰診断とともに紹介します。
- ロジスティックマップを利用したスクラッチ音の生成
本アーティクルでは、耳障りなスクラッチ音を発生する数学モデルを紹介します。スクラッチ音は摩擦運動によって生じるもので、周波数スペクトルにカオス的特性があることからこうした音が発生します。ここで紹介するモデルは、ベースとなるロジスティックマップに摩擦振動のスティックスリップ特性が加えられています。その結果、黒板やガラス板を指で引っ掻いたときのような音を発生させることができます。
The Mathematica Journal (volume 14, 2012)
- 多面体の頂点に菱形三十面体を配置してできるクラスター
本アーティクルでは、ある多面体の頂点に菱形三十面体 (RT) を配置したときにできるクラスター (通常は面どうしをつなげる) について考察します。
- Mathematica による月面軟着陸
宇宙船を月面に着陸させる問題を考えるとき、空力と月以外の物体の重力は無視できるほどわずかであり、横移動は無視できると仮定することができます。その結果、降下軌道は垂直となり、推力ベクトルは軌道の接線となります。
- 対称こま固有関数を含む積分
第一ボルン近似で準弾性電子散乱の強度を評価するために、メタンの回転状態の完全集合に Closure を使用すると、これまで評価されていなかった多くの積分が見つかります。Mathematica を使用して、これらおよび、同じような積分の計算を行ったところ、すべての結果を単純な式で示せることが分かりました。
- 拡散過程のモデル化 / マルチ・パラダイムのプログラミング
本アーティクルでは、拡散過程を NDSolve を使ってモデル化する方法を述べ、それを、プロシージャ型、関数型、ルール・ベース型、モジュール型のプログラミング法を使った読者が独自に開発した手法と比較します。拡散方程式に基づいていますが、他の偏微分方程式にも応用できます。
- カークウッド・ギャップの数学的探究
我々はまず、木星の重力によって混乱する小惑星運動の平面上のケプラー問題を解いてみます。軌道要素それぞれの微分方程式の結果を解析することで、2:1 共鳴 (木星の 1回の公転に対して、二回公転する小惑星) においてギャップ (空隙) が生まれるメカニズムを明らかにし、さらに他の共鳴 (3:2、3:1 など) の場合について簡単に言及します。また、これらの共鳴において運動が無秩序になる理由についても論じます。
The Mathematica Journal (volume 11, issue 3)