用語集 (Glossary)
この用語集には、本マニュアルで使用した統計用語はもちろん、Analytica で使用する専門用語も収録しています。
- Array (配列)
単一または複数のテーブルとして表示できる値の集合です。配列には、単一または複数の次元があります。各次元はインデックス番号で区別します。
- Arrow, influence arrow (矢印、影響矢印)
ある変数から別の変数に向かって接続された影響矢印 (又は矢印) は、起点となるノードが矢印の先にあるノードに影響を及ぼすことをあらわします。変数がノードであらわされている場合、起点となる変数は、あて先となる変数のインプットになり、あて先となる変数は、起点となる変数のアウトプットになります。
Arrow tool (矢印ツール)
ノードとノードの間に矢印を描画するためのツールです。
- Attribute (属性)
タイトル、説明、定義、値、インプットといった個々のオブジェクトにまつわるプロパティです。
- Attribute panel (属性パネル)
影響ダイアグラムの下側に開く補助的なウィンドウペインです。変数、関数、モジュールの属性のいずれかひとつを手早く調べるのに使います。
Browse tool (閲覧ツール)
モデルの構造や前提条件を調べるのに使用するツールです。これを使ってモデルに変更を加えることはできません。
Chance variable (確率変数)
意思決定者 (decision maker) がその値を直接制御できない不確実性変数です。通常は、確率分布 (probability distribution) で定義します。確率変数は楕円型のノードで表示されます。
- Class (クラス)
Analytica のオブジェクトは、次のクラスのいずれかに分類されます: module (モジュール), attribute (属性), function (関数), および、decision (決定), chance (確率), objective (目標), index (インデックス), general (一般) 変数。
- Cumulative probability distribution (累積確率分布)
確率分布のグラフ表現のひとつです。 累積確率 (cumulative probability) がプロットされます。不確実性をもつ変数 X の実際の値は、X の起こりうるそれぞれの値と等しいかそれよりも小さくなります。
Decision variable (決定変数)
意思決定者 (decision maker) がその値を直接制御できる変数です。決定変数は矩形ノードで表示されます。
- Definition (定義)
ある変数の値を計算する具体的内容です。数値、数式、値のリスト、テーブル、または、確率分布を定義内容とすることができます。
- Description (説明)
そのオブジェクトがモデル内で何をあらわすのかを説明するテキストです。最大 32,000 文字まで記入することができます。
- Deterministic table (決定論的テーブル)
インプット変数の値を条件として変数の値を与える関数で、すべてのインプットは離散的変数になります。
- Deterministic value (決定論的値)
Mid, Mid value をご覧ください。
- Domain (ドメイン)
確率テーブルとして定義した変数のとりうる結果です。
- Edit table (編集テーブル)
配列 (テーブル) からなる定義は、それが編集可能であることから編集テーブルとも言います。
Edit tool (編集ツール)
モデルを作成したり変更するためのツールです。これを使用してノードを移動、リサイズ、編集したり、矢印ツール (arrow tool) やノードパレットを表示します。
- Expression (式)
Analytica の言語構文に従って、0.5, a - b, Min(x)
など、数値、変数、関数、分布、および、演算子の任意の組み合わせを含めることができる式です。
- Expression type (式タイプ)
式タイプには、式、リスト (式または数値)、ラベルリスト (テキスト文字列)、 テーブル、確率テーブル、および、分布があります。式タイプの選択には、Definition フィールドの上に表示されている Expression ポップアップメニューを使用します。なお、いずれの定義内容も、式タイプにかかわらず、式として表示させることができます。
General variable (一般変数)
任意のタイプの変数です。変数のタイプが分からないときに役立ちます。一般変数は、通常、決定論的 (deterministic) な数量や、関数的関係 (functional relationship)をあらわすのに使用します。
Graph (グラフ)
多次元の結果を表示するための形式です。結果をグラフとして表示するには、この Graph ボタンをクリックします。関連:Table
- Identifier (識別子)
オブジェクトの短縮名です。定義内容に数式を使う場合は、参照する変数の識別子を使用します。 識別子はアルファベットで始まる20文字以内のアルファベット文字、数字、アンダースコア記号 (_) で構成する必要があります (アンダースコアはスペースの代わりに使います)。Title と比較してください。
- Importance analysis (重要度分析)
単一または複数のインプット変数の不確実性がアウトプット変数の不確実性に及ぼす効果を表示します。重要度 (importance) は、アウトプット変数の標本と、不確実な各インプットの標本との間の順位相関 (rank-order correlation) として定義されます。極値 (extreme value) や歪んだ分布 (skewed distribution) の影響を受けにくいため不確実性の寄与をロバストに測定します。
- Index (インデックス)
配列 (テーブル) の次元を特定します。通常は、リスト、ラベルのリスト、または、配列として定義された変数がインデックスとなります。
- Indexes
インデックス (index) の複数形です。テーブル (編集テーブルや値の中のテーブル) の次元を定義するインデックス変数の集合をあらわします。
Index variable (インデックス変数)
編集テーブルなどで、テーブルの次元を特定するのに使用するリスト、ラベルのリスト 、または、配列として定義される変数のクラスです。インデックス変数は、平行四辺形のノードで表示されます。Edit table を参照。
- Influence arrow (影響矢印)
Arrow, influence arrow (矢印、影響矢印) を参照。
- Influence diagram (影響ダイアグラム)
モデルをグラフィカルにあらわしたものです。ノード (変数) と矢印 (変数間の関係) で構成されます。
- Input (インプット)
変数 X
のインプットは、X
へ向かう矢印のある変数、または、X
の定義内容に使用される変数です。Output 参照。
- Input arrowhead (インプット矢印)
そのノードに外部モジュールから単一または複数のインプットがあることをあらわします。この矢印が配置されるのはノードの左端です。この矢印をクリックすると、インプット変数のポップアップメニューが表示されます。
- List (リスト)
Expression ポップアップメニューから利用できる式の一種で、順番に並んだ数値や式の集合で構成されます。リストは通常、インデックスと決定変数を定義するのに利用されます。
- List of labels (ラベルのリスト)
Expression ポップアップメニューから利用できる式の一種で、順番に並んだテキストラベルの集合で構成されます。ラベルのリストは通常、インデックスと決定変数を定義するのに利用されます。
- Mean (平均値)
平均または期待される値です。
- Median (中央値)
データ値を大きさの順にランク付けしたときの中央にあたる番号または数値、すなわち、真ん中にあるデータポイントです。
- Mid, Mid value (Mid 値)
全ての不確実性インプットをその中央値であるとみなして変数の値を計算したものです。
- Model (モデル)
単一のモジュール、または、複数モジュールからなる階層構造では、階層モジュール構造のメイン、すなわち、ルートモジュールです。セッションをまたいでモデルを使用する場合は、Analytica ドキュメントファイルに保存します。
Module (モジュール)
関連する変数、関数、および、その他のモジュールを独立した影響ダイアグラムとしてひとつにまとめたオブジェクトの集合体です。モジュールは、太線で囲んだ角の丸い四角形のノードとしてあらわされます。
- Node (ノード)
影響ダイアグラム内にある変数をあらわしたボックス (四角形、楕円、および、その他の形状) です。ノードの形状は、変数のタイプによって異なります。
- Normal distribution (正規分布)
ベル型の曲線、すなわち、ガウス分布です。
- Object Finder (オブジェクトファインダー)
モデル内の関数や変数を編集するために使用するダイアログボックスです。
- Object window (オブジェクトウィンドウ)
あるオブジェクト (変数、関数、または、モジュール) のクラス、識別子、タイトル、説明といった属性を一覧にしたリストです。
Objective variable (目標変数)
起こりうる結果に関する値や望ましさを総合的に評価する変数です。この目標は、コスト (cost)、値 (value)、または、効用 (utility) で測定します。ほとんどのモデルの目的は、何らかの判断を下すことや、たとえば、コストを最小化したり、期待される効用を最大化するような、目標値を最適化する幾つかの決定候補を見つけることです。ほとんどの決定モデルでは、目標ノードは1つですが、この目標は、複数の下位目標で構成することもできます。
- Output (アウトプット)
変数 X
から矢印を向けられた変数、すなわち、定義内容で X
を参照している変数が、変数 X
のアウトプットになります。
- Output arrowhead (アウトプット矢印)
そのノードに外部モジュールへの単一または複数のアウトプットがあることをあらわします。この矢印が配置されるのはノードの右端です。この矢印をクリックすると、アウトプット変数のポップアップメニューが表示されます。
- Parametric analysis (パラメトリック分析)
択一的値 (alternative value) を単一または複数のインプットとして指定し、選択モデルのアウトプット変数に対する効果を調べる感度分析 (sensitivity analysis) の一種です。Sensitivity analysis を参照。
- Probabilistic variable (確率変数)
確率分布を使って定義される不確実な変数です。
- Probability bands (確率帯)
ある変数がとり得る全確率の特定の割合をあらわす帯 (band) です。たとえば、5% と 95% の確率帯には、全確率の 90% が含まれますが、50% の確率帯は、その中央値 (median value) に相当します。デフォルトでは、5%, 25%, 50%, 75%, 95% の確率帯が表示されるよう設定されています。これらの帯は、信頼区間 (confidence intervals) やフラクタイル (fractiles) と呼ばれることもあります。
- Probability density function (PDF) (確率密度関数)
変数の値に対する確率密度をプロットした確率分布をグラフであらわすものです。各 X
値における確率密度は、X がその値またはその近くに存在する相対的確率です。確率密度関数であらわされるのは連続 (continuous) 変数で、離散 (discrete) 変数ではありません。Result ウィンドウの Uncertainty View ポップアップメニューの表示オプションのひとつです。
- Probability distribution (確率分布)
さまざまな値をとり得る変数の相対的な尤度 (likelihood) をあらわします。
- Probability table (確率テーブル)
起こりうる結果のセットと離散型の確率分布 (起こりうる結果のそれぞれの確率) で確率変数 (chance variable) を定義するテーブルです。この変数が他の離散型変数に依存する場合は (すなわち、条件付けられる場合は)、条件付けをおこなう各変数によってこのテーブルに新たな次元が追加されますので、条件付けを行う各変数の値を条件とするような確率分布を指定することができます。
- Self
インデックスを作成した当のテーブルのインデックスを参照するキーワードです。Self
は、その変数のテーブルに定義された択一的値 (alternative values) を参照します。
- Sensitivity analysis (感度分析)
選択したモデルのアウトプットに対する各種インプット変数の効果を特定したり比較するための一群の手法です。感度分析の手法には、重要度分析 (importance analysis) やパラメトリック分析 (parametric analysis) があります。Parametric analysis 参照。
- Standard deviation (標準偏差)
不確実性分布の広がりやばらつきの大きさを数値であらわします。分散 (variance) の平方根をとったものです。
Table (テーブル)
配列で評価される定義や結果の2次元表示です。配列の次元は2次元以上になる場合もありますが、一度に表示できるのは2次元のみとなります。 テーブルは、Expression ポップアップメニューから選択できる式の一種です。テーブルで定義された内容を、編集テーブル (edit table) と呼ぶこともあります。Result ウィンドウのテーブルボタンをクリックすると、配列で評価される結果のテーブルビューが選択されます。Graph 参照。
- Title (タイトル)
Analytica オブジェクトのフルネームです。そのオブジェクトが何であるかが、これによって簡潔に説明されます。変数、関数、モジュールのタイトルは、それぞれのノード、ウィンドウタイトル、および、オブジェクトリストに表示されます。使用できる文字数は 255 までです。タイトルには、スペースや句読点を含む任意のアルファベットを使用できます。識別子 (Identifier) 参照。
- Uniform distribution (一様分布)
上下に変動する任意の値の発生確率が等しいことをあらわした分布です。
- Uncertainty View options (不確実性ビューオプション)
不確実性の結果は、mid value (mid 値), mean (平均値), statistics (統計量), probability bands (確率帯), probability density (確率密度), cumulative probability (累積確率), sample (サンプル) として表示させることができます。Result ウィンドウの左端にあるポップアップメニュー、または、Result メニューで表示オプションを選択します。
- Units (単位)
ある変数の増分の大きさです。テーブルやグラフの注釈として単位を使用しますが、変数の評価には単位は使用されません。
- Value (値)
ある変数の value 属性は、全ての不確実性インプットをその中央値に固定したものとみなして算出される Mid 値になります。値は、スカラー (単数) であったり、数値テーブルであったり、または、確率分布であったりします。
- Variable (変数)
テキスト文字列、数値、または、テーブルといった値を有するオブジェクトです。変数には、決定 (decision)、確率 (chance)、目標 (objective) といったクラスがあります。