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StarDrop バージョンアップデート情報

v7.6 で追加された機能

StarDrop 7.6にはいくつもの新機能が実装されています。主な変更点は、改良された R-Group 解析機能と連動したIdea Trackerの実装と、ユーザリクエストの機能を追加したNova、Card View の強化です。
主な機能を以下に紹介しますが、追加および変更点の詳細についてはリリースノートをご参照ください。

Idea Trackerの紹介

StarDropの新機能であるIdea Trackerによって、創薬は加速します。これは、化合物の共同設計と情報に基づく意思決定によるものです。

Idea Trackerによって、創薬のどの過程でもすべての設計と意思決定を捕捉できます。プロジェクト化合物を明確に可視化し、構造的なアイデアをその起源までたどることで、キーとなる最適化の意思決定を特定し、成功への道しるべを理解でき、将来の設計戦略を手助けします。

また、Idea Trackerは一元的な管理による共同設計を容易にし、機会損失を防ぐことで、創薬の効率を最大化します。Idea Trackerの概要についてはこちらの動画をご覧ください。

すべてのアイデアとアクションを繋げる

Idea Trackerの中央データベースリポジトリによって、in silicoの化合物のアイデアを簡単に管理できます。加えて、各構造に対して自動的に割り振られた一意の識別番号を利用して設計を簡単に追跡できます。重要なメタデータが保存され、作成したいメモなどのアイデアとその文脈が永続的に記録されます。

Idea Trackerデータベースによって、プロジェクト管理を支援し、化合物登録の進捗を追跡できます。電子実験ノート (ELN) および企業登録システム (CRS) と統合して、各プロジェクト全体の履歴を要約できます。

設計プロセスの可視化

Idea TrackerとStarDrop独自のCard Viewビジュアライゼーションを組み合わせることで、プロジェクトの進捗を確認できます。新たな化合物のアイデアを、そのきっかけとなった過去の設計にリンクし、最適化プロセスと反復による改善を明確にします。この情報は、将来の設計戦略の指針となるでしょう。

StarDrop 7.6 におけるその他アップデート

R-Group解析機能の改善

このリリースではStarDropの解析機能を強化するために、R-Groupツールに対する様々な強化が行われました。追加された機能により、より包括的で柔軟なツールセットが利用でき、R-Groupの分解において、骨格、R-Group (R)、変数 (X) 、リンカー (L) を定義することができます。また、R-Groupの列挙ツールの改良によって複数骨格の表現と列挙が可能になりました。R-Group解析機能の概要についてはこちらの動画をご覧ください。

Novaの強化

骨格ベースのライブラリを列挙するフローの最適化によって、複数骨格を定義でき、コア分子のバリエーションを迅速に探索できます。加えて、骨格ベースのライブラリの列挙に対するR-Groupの描画が改善されました。初期フラグメントを描画すると、StarDropが即座にトリガーされ、クリックするだけで列挙できるR-Groupを提案します。StarDrop内の骨格ベースの列挙の概要についてはこちらの動画をご覧ください。

追加の新機能

Matched Molecular Pair (MMP)、Matched Pairs Neighborhood、Activity NeighborhoodもしくはActivity Landscape SAR解析によって生成されたテーブルはStarDropのプロジェクトファイルに保持されるようになりました。また、Card Viewで任意のネットワークからすぐ隣の化合物をシングルクリックで選択でき、解析ニーズをサポートします。

さらなる機能強化には、ナレッジベースの更新が挙げられます。NovaのMatched Series解析では、ChEMBL 33が使用され、Derek Nexus ライブラリはバージョン 6.3.0 にアップデートしました。

StarDrop 7.6 に関するご質問や追加情報が必要な場合は、StarDrop の Helpメニューから StarDrop User Guideをご覧いただくか、soft.support@hulinks.co.jpまでご連絡ください。

また、次バージョンに追加してほしい機能がある場合にも、お気軽にsoft.support@hulinks.co.jpまでご連絡ください。

v7.5 で追加された機能

StarDrop 7.5がリリースされました。この最新版にはいくつかの優れた新機能が含まれています。
これらには、新しい代謝モジュールのリリースに加え、強化された3Dリガンドベースの仮想スクリーニング機能や改良された2Dアラインメント機能などのアップデートが含まれます。主な機能を以下に紹介しますが、追加および変更点の詳細についてはリリースノートをご参照ください。StarDrop 7.4 における新機能と強化された機能は次の通りです。

Metabolism モジュール

新しい Metabolism モジュール(現在の P450 モジュールから移行)は、化合物がどのように代謝されるかについてさらに優れた見識を提供します。新しいモジュールは、代謝安定性を向上するための新しい化合物の設計や前臨床試験でどの種を優先するのかの理解を支援します。このモジュールの概要については、こちらのビデオをご参照ください。

代謝経路、代謝部位、代謝生成物、代謝不安定性の予測:ヒトP450を超えて

Metabolismモジュールでは、代謝予測機能がヒトP450のみから、報告されているヒトPhase I(P450、AOX、FMO)の80%、ヒトPhase II(UGT、SULT)の60%、前臨床生物種のP450代謝をカバーするモデルへと拡張されました。

これらのアップデートは、複数の代謝経路を持つ化合物を特定して潜在的な薬物間相互作用を回避し、最も重要な酵素を特定して実験テスト中に確実に適用できるよう支援します。

新しい WhichEnzyme™ モデルでは、5 つの主要な酵素ファミリーのうち、ヒトにおける化合物の代謝に関与している可能性が最も高い酵素を特定します。 さらに、WhichP450™ モデルによってアイソフォーム固有のレベルまで進め、ヒト シトクロム P450 の 7 つの主要な薬物代謝アイソフォームのうちどれが化合物を代謝する可能性が最も高いかを確認します。

化合物の代謝プロファイルの改善

P450・FMO・AOX・UGT・FMO の位置選択性モデルは、潜在的な代謝部位にフラグを立て、部位の代謝不安定性を理解し、代謝に対する脆弱性を示し、代謝安定性を向上させるための化合物再設計を支援します。

発見的手法では、WhichEnzyme・WhichP450・代謝部位モデルからの予測結果を組み合わせて、複数世代の代謝物を表示し、最も可能性の高いフェーズ I および II の代謝物を特定するための代謝経路を作成することが可能です。

これらの機能により、体内における薬物代謝がより現実的に表現され、潜在的に有毒な代謝産物を特定し、最も関連性の高い酵素に対する代謝安定性のために分子を最適化することが可能となります。

前臨床種における P450

ラット・マウス・イヌのシトクロム P450 の予測モデルにより、ヒトの代謝物予測との比較が可能となり、前臨床実験で代謝物に最も適合する可能性が高い前臨床種を特定するのに役立ちます。

StarDrop 7.5 におけるその他アップデート

Surflex eSim3D による仮想スクリーニング機能の強化

今回のリリースでは、BioPharmics 社の Surflex eSim3D™ テクノロジーの StarDrop への実装が強化されました。これにより、BioPharmics 社の ForceGen 手法を用いて事前に3D計算された化合物の大規模なコレクションに対して、リガンドベースのバーチャルスクリーニングをデスクトップコンピュータ上で迅速に実行できるようになりました。

この機能強化により、1つまたは複数の参照リガンド(X線共結晶、低エネルギーコンフォメーション、複数リガンドからのバインディングモード仮説など)にアラインメントしながらライブラリをスクリーニングし、Scaffold Hop や購入可能な新規活性化合物を迅速に同定することができます。強化されたバーチャルスクリーニング機能の詳細については、こちらのビデオをご参照ください。

データセット内の 2D 構造アラインメント

StarDrop 7.5では、2Dアラインメント機能が強化されました。構造アラインメントツールを使用することで、 部分構造を定義し、データセット内の分子の厳密なアラインメントを行うことができるようになりました。複数の Scaffold ケモタイプを持つデータセットを一貫してアラインメントすることで、共通の Scaffold 周辺の官能基のバリエーションを視覚化することにより、SAR 解析が容易になります。2次元構造アラインメントが実際に行われている様子は、こちらのビデオでご覧ください。

追加の新機能

今回のリリースでは、他にも様々な新機能が追加されました。データセットの構造をその場で編集し、修正することができるようになりました。また、CTRLキーを押しながらマウスホイールを回転させることで、データセットを拡大・縮小できるようになりました。

v7.4 で追加された機能

StarDrop 7.4 における新機能と強化された機能は次の通りです。

新しい Inspyra™ モジュール

ダイナミックな学習による改良化合物生成

StarDrop の新しい Inspyra モジュールは、専門的な化学知識と化合物生成の探索力を組み合わせ、最適な化合物の迅速な特定を支援します。StarDrop の操作中、Inspyra は、あなたの操作を動的に学習しながら、バックグラウンドで新しい化合物アイデアを生成します。Inspyra の提案に対するあなたの選択は、最も関連性の高い化学空間を探索し、あなたのプロジェクト成功の可能性が最も高い最適化戦略を提案するために、化学構造生成アルゴリズムを誘導します。

Inspyra は、化合物コレクションの拡張、類似体の探索、個々の化合物に対する最適化戦略検索など、あなたの目標達成を支援します。詳細については、ショートビデオの閲覧、もしくは、Inspyraモジュールの無償評価ライセンスについてお問合せください。

ヒット化合物の拡張とリード化合物シリーズの同定

化合物データセットを読み込むとすぐ、Inspyra が機能し、あなたの化合物に基づいた新しいアイデアを生成します。Inspyra panel には、検討すべき化合物の提案結果が表示されます。化学空間の様々な方向を探索し、新しいアイデアを活性化するために、表示化合物は定期的に更新されます。最適化したいプロパティもしくはマルチパラメータスコアの選択が可能です。また、化合物表示枠の境界線色は、提案化合物が最適化目標に近づくもしくは遠ざかるかの予測結果を強調します。化合物アイデアに反応すると、Inspyra は、探索したいプロパティと化学的多様性に対するあなたの好みを自動学習します。”like” “keep” “ignore” “reject” のマークを付けることで、アイデアに反応することが可能です。

リード化合物最適化

Inspyra designer は、ひとつの化合物に対する最適化戦略の検討を支援します。置換を検討している領域を選択すると、置換基の提案リストが生成されます。フィードバックを提供すると、Inspyra は目的に合う新しい置換基を優先します。提案された置換基を選択すると、Inspyra designer は新しい化合物を作成し、そのプロパティを予測し、化学空間で次のステップに進むための新しい提案を生成します。
または、化合物の様々な領域で複数の置換基選択が可能であり、Inspyra は全ての組合せを生成し、探索可能な小規模仮想ライブラリを列挙します。

Inspyraモジュールの効果を体験

Inspyra は、StarDrop のプラグインモジュールとして利用可能です。化学構造生成手法の制限を克服しながら、あなたの専門知識と独自の AI をシームレスに組み合わせ、多くの最適化戦略を厳密に探索し、プロジェクトに適した高品質化合物の迅速な特定を支援します。是非、デモライセンスにて効果を実感してください。

StarDrop 7.2 の改良

ユーザーフィードバックを反映し、いくつかのワークフローとユーザーインターフェイスを改善しました。Visualisation タブのポップアップ機能のカスタマイズ、対数スケール軸と線形スケール軸の切り替え、Table View の列ヘッダー文字列の折り返し、データセット更新時の列ヘッダー定義の編集、など多数の機能改良を行っています。詳細は、こちらの StarDrop 7.2 のリリースノートをご確認ください。

v7.2 で追加された機能

StarDrop 7.2 における新機能と強化された機能は次の通りです。

可視化機能のアップデート:ヒートマップ、ラベル、ポップアップ

これまでも、MPOスコアに寄与する各種プロパティのヒートマップ表示が可能でしたが、この機能を拡張し、プロパティの値に基づいてStarDropデータセットの色分けが可能となりました。この新機能により、興味深い化合物やデータを強調表示し、より効果的にデータセットを探索することが可能です。 ヒートマップの詳細については、こちらのショートビデオをご参照ください。

また、グラフで選択した化合物やデータを強調表示する機能が改善されました。選択したポイントに色付けをする代わりに、選択していないポイントがグラフ上で薄く表示され、選択したポイントの色の書式設定が見やすくなります。

最新版では、グラフ内のデータポイントにカーソルを合わせた際にポップアップ表示されるプロパティおよび情報をより柔軟にカスタマイズすることが可能です。

プロットラベルのプロパティのカスタマイズは以前からの機能ですが、StarDrop7.4ではポップアップ表示でも可能となり、グラフ上で化合物やそのプロパティをさらにインタラクティブに探索することが可能となります。

スクリプト機能強化

Python スクリプトからデータセットを直接操作することが、より簡単になりました。この機能強化には、データセット入力の編集、スクリプトからのデータセット更新、および、データセット操作の自動化機能が含まれています。

Query Interface 機能強化

Query Interface モジュールに新機能として、あらかじめ定義された SMARTS 情報や TEXT の値に対するクエリーや、カテゴリーデータ型のサポートを追加しました。

StarDrop の Query Interface は、社内データベースとのシームレスな連携環境を提供し、使い勝手の良いインターフェースでクエリーを作成、共有、実行することが可能であり、検索結果データを直接 StarDrop に戻して分析、可視化、考察することが可能です。

v7.1 で追加された機能

StarDrop 7.1 における新機能と強化された機能は次の通りです。

新しいSurflex eSim3D™ モジュール

3D リガンドベースデザイン機能の強化

新しい Surflex eSim3D モジュールは、業界最高レベルの 3D リガンドベースデザインの手法です。ターゲット構造情報が少ない若しくは無い場合でも、新規活性化合物の特定や最適化を行うことが可能です。
厳密に検証された科学に基づく Surflex eSim3D モジュールの利用により、これまでにない精度とパフォーマンスでの各種アプローチが可能となります;

  • 既知の活性化合物に対する 3D 仮想スクリーニングから新規の有力化合物を見出します。
  • 厳密に検証されたポーズ予測から 3D 構造活性相関を理解し、化合物の効力最適化を支援します。
  • 複数の既知活性化合物のアラインメントによりバインディングモードの仮説を立てます。
  • ターゲットの 3D 構造が存在するドッキングを補完する観点を見出し、仮想スクリーニングのパフォーマンスを向上します。

torch3D™ から Surflex eSim3D へのアップグレード

torch3D モジュールライセンスを保有している場合、StarDrop 7.1 をインストールすると自動的に Surflex eSim3D にアップグレードされます。Surflex eSim3D では、torch3D よりも優れた多くの新機能を利用することが可能です:

  • 複数の活性化合物をアライメントし、仮想の結合モデルを作成します。この仮想結合モデルを新規化合物のアラインメントターゲットとして利用することにより、単一参照化合物からの仮想スクリーニングよりもロバスト性(堅牢性)が向上します。
  • 高速かつ精密な ForceGen 法を利用し、化合物セットの 3D コンフォメーション集合体を生成します。
  • torch3D モジュールにあった 500 化合物までの制限が排除され、無制限数の化合物の仮想スクリーニング実行が可能です。

Surflex eSim3D は最新の macOS バージョンに対応しており、Mac 版の StarDrop での 3D リガンドベース設計が可能となります。Surflex eSim3D を試用したい場合には、お問い合わせください。torch3D のライセンスを所有していない場合も、無料のデモライセンス提供が可能です。

SeeSAR View モジュールユーザインターフェイスの改良

Table View で直接調査対象のポーズを選択

SeeSAR View で同一化合物の複数ポーズの取扱いを簡便にするため、Table View から複数ポーズに直接アクセスできるようになりました。SeeSAR Pose モジュールから生成された構造、もしくは、StarDrop の Pose Generation インターフェイスを介して好きなドッキングプラットフォームから生成された構造のどちらにおいても、構造情報の横に表示されているコンフォメーション数をクリックすると、ドロップダウン形式で全ポーズ情報が表示されます。この改良により、SeeSAR モジュールと新しい SurflexeSim3D モジュールのコンフォメーションのユーザインターフェイスの連動利用が可能です。

SeeSAR View での共結晶リガンドの取り扱い

ターゲットと共結晶化したリガンドを非表示にする場合、SeeSAR タブの 3D viewer の上にある Display メニューの Display Options… からこのオプションにアクセスできます。 Show complexed ligands チェックボックスをオフにするだけです。3D viewer の上にある Binding メニューの Show Binding オプションから、共結晶化したリガンドに簡単にフォーカスすることも可能です。

v7.0 で追加された機能

 StarDrop 7.0 における新機能と強化された機能は次の通りです。

Reaction-based Library Enumeration

柔軟性が高くユーザーフレンドリーな環境で、すぐに利用可能なビルディングブロックに対して制御しやすくロバストな化学反応を適用し、仮想ライブラリを生成します。マルチパラメータ最適化機能を利用して得られた化合物に優先順位を付けることにより、高品質かつ合成可能な化合物をターゲットとすることができます。反応ベースのライブラリ生成は Nova モジュールの一部であり、化学構造変換による化合物アイデア生成、 Matched Series 解析、および、Scaffold-Based ライブラリ生成機能を補完します。

Reaction management

一元管理された反応式ライブラリ、および、個別反応式ライブラリと連携します。事前定義された120以上の一般的な反応式から選択、もしくは、Sketch and Map ツールを用いて新しい反応式を追加利用することが可能です。

Reagent selection

StarDrop データセットからインテグレーションされた社内や商用試薬ライブラリの試薬を選択します。包含基準と除外基準による試薬選択の管理、複数の反応部位を有する試薬の位置選択性を指定することが可能です。

Virtual product library

生成物情報を管理し、最適なプロパティを有する生成物を自動選択します。これは、大規模ライブラリで特に役立ちます。注文プロセスを容易にし、最も有望な化合物を合成することが可能となります。各生成物には、対応する試薬の化学構造情報、在庫場所、価格などの情報が注釈として付けられています。新しい Plate Layout ツールの利用により、自動合成の準備として、生成物をプレートに割り当てることが可能です。 詳細はこちらのビデオをご覧ください。

New Features for Matched Molecular Pair Analysis

参照化合物の Matched Molecular Pairs Analysis 結果にフォーカスすることにより、新しい最適化戦略の着想を提供し、活性や他のプロパティに大きな変化をもたらす Group または Scaffold の置換を特定します。

Matched Pairs Neighbourhood 機能は、 Card View 画面で 利用可能です。色付きリンクは、参照化合物を含むすべての一致するペアを示し、各構造変換によるプロパティ変化の程度を強調しています。

新しい Matched Pair ラインプロット機能を利用し、対象のプロパティに一貫性のある大幅な改善をもたらす構造変換を容易に特定することが可能です。

Cerella Integration

StarDrop の操作画面から、Deep Learning 機能を活用します。 Optibrium 社の Deep Learning プラットフォームである Cerella™ に直接アクセスし、従来のケモインフォマティックスとは比べ物にならない規模と精度で、化合物の構造、活性、その他プロパティ間の関係性を見出すことが可能です。

Cerella Application Examples

実測データの欠損値を埋め、先を見越して高品質な化合物を明らかにします。データの欠損、不確実性、不正確性による可能性の見落としを回避します。 ターゲットアッセイと化学特性の予測改善のために、最も有効な実測対象を提案します。マルチパラメータ最適化のために、全エンドポイントで仮想スクリーニングを実行します。 詳細はこちらをご参照ください。

Floating License Server Enhancement

柔軟性を高め、より多くの Floating ライセンス情報を入手することが可能となりました。必要なモジュールライセンスのみを適用したり、 StarDrop 利用中に不要となったモジュールライセンスは解除することが可能となり、複数ユーザーが同時に作業できるようになりました。

Further Enhancements

さらに多くの機能追加および機能改善を行いました。

  • macOS Big Sur をサポート
  • 大規模データセット取扱いパフォーマンス強化
  • 化学構造式の反転
  • データ検索と置換
  • さまざまな図表への追加カスタマイズ など

v6.6 で追加された機能

StarDrop 6.6 における新機能と強化された機能は次の通りです。

pKa Model

ADME QSAR モジュールに含まれる StarDrop の新しい pKa モデルは、量子力学と機械学習を組み合わせて、一塩基酸及び二塩基酸化合物の酸解離定数を精度良く予測します。厳密に検証されたモデルは、 SAMPL6 テストセット( pKa 予測ベンチマーク用)などの複数の外部ベンチマークにおいて優れたパフォーマンスを発揮します。

SeeSAR™

StarDrop6.6では、StarDropの structure-based design 向け機能をより強力にする SeeSAR モジュール拡張スイートを提供します。

View

結合親和性を促進するキーとなる相互作用を特定する為のたんぱく質とリガンドを3Dで可視化します。X線結晶構造やご使用のドッキングソフトウェアでの予測結果の構造取り込みが可能です。

Affinity

受賞歴のある HYDE スコアリングメソッドを使用し、リガンドの結合親和性を各原子の結合自由エネルギーへの寄与を可視化することにより分析したり、ねじれ角ヒートマップを表示してドッキングポーズを評価することが可能です。

Pose

FlexX docking を使用して、バーチャルスクリーニングのための複数ポーズの生成やインタラクティブな3Dデザインを行えます。

高速テンプレートドッキングにより、確立された結合モードを維持しながら、リアルタイムなフィードバックによる化合物編集を行うことが可能です。また、 SeeSAR Affinity モジュールと組み合わせることで、結合エネルギーに対する新しい最適化の影響を評価することが可能となります。

 View および Affinity モジュールは、結晶構造または任意のドッキングソフトウェアの3Dポーズを取り込めます。

その他の拡張

機能強化

  • 大規模なデータセット検索時に特に有効となるカラム検索機能
  • PowerPoint への出力ツールの強化、Mac 及び Keynote のサポート
  • ChemDraw の mol フォーマットのコピー&ペーストのサポート
  • その他多数

Optibrium Community

StarDrop の機能は、継続的に拡張および更新しているさまざまな無料アドオンで拡張する事が出来ます。 Optibrium Community Web サイトにログインし、無料でダウンロードする事が出来ます。 StarDrop 6.6 で引き続き機能させるには、アドオンの更新が必要な場合がありますのでご注意下さい。

最近追加された無料アドオンの拡張機能

REAL Space Search Tool

このツールを使用すると、対象のクエリ構造に類似する化合物を「 Enamine REAL space 」で検索できます。「 Enamine REAL space 」は現在、110億を超えるバーチャル化合物を収録しています。このツールは、 BioSolveIT の REAL Space Navigator と同じ様に FTrees テクノロジーを使用し膨大な REAL スペースをすばやく検索します。

  • 化合物の局所的な化学空間の調査が可能
  • 特性が改善された構造的に新しいリード化合物を見つけることや特許で保護されたスペースを避けることが可能

ICSYNTH light

このスクリプトを使用すると、「 ICSYNTH light 」にアクセスし、StarDropのインタラクティブデザイナーまたは Nova モジュールで設計された新しい分子の合成経路の評価が可能となります。「 ICSYNTH light 」は、トランスフォームベースのアプローチを採用しており新規若しくは未公開であってもターゲット分子の合成経路を生成します。このスクリプトは、可能な合成経路をWebブラウザーで表示します。

ChEMBL Search Tool

ChEMBL は、ドラッグライクな特性を持つ生理活性化合物を手作業で厳選した主要なデータベースです。化学、生理活性、ゲノムデータを纏め、ゲノム情報の効果的な新薬への展開を支援します。最近更新されたスクリプトを使用すると、 StarDrop から ChEMBL を直接検索し、事前定義したデータ形式で出力できる為、以下の業務で直ぐに利用可能となります。

  • 化合物の潜在的なオフターゲットアクティビティの特定
  • 化合物またはターゲット周辺の SAR の理解
  • 新しい化合物の予測を行うための QSAR モデルの構築

v6.5 で追加された機能

StarDrop 6.5 における新機能と強化された機能は次の通りです。

データの可視化

データ可視化機能が強化されました。グラフの種類およびフォーマットオプションの追加と共に、ユーザインターフェイスの合理化がなされました。わずか数回のクリックのみで、印刷品質のグラフを作成することが可能です。

新たに Dashboard 機能が追加されました。Dashboard 機能では複数のインタラクティブな図の統合、Dashboard 画面内での自由なレイアウト、Dashboard 画面の保存が可能です。チーム内での解析結果の共有促進を図るとともに、チームリーダーやマネージャーにおいては、ひと目でプロジェクトの進捗状況を確認することが可能となります。

WhichP450™ モデル追加

新機能として、P450 モジュールに WhichP450 モデルが追加されました。WhichP450 では、ターゲット化合物が phase I 代謝において、どの Cytochrome P450 アイソフォームによって最も代謝されやすいかに関する情報を提供します。各アイソフォームによる代謝部位の位置選択制モデルとの統合により、P450代謝における主代謝物を予測することが可能となります。化合物がどのように代謝されるかを理解することは、その潜在的代謝物質の同定や分析、患者集団全体への投薬における Drug-Drug 相互作用または変化のリスクを低減させながらの化合物デザインを可能とします。

WhichP450 の詳細につきましては、Paper をご覧ください。

R-group clipping

StarDrop の新しい R-Group clipping 機能は、合成原料をそれらの関連置換基グループに、すばやく変換することを可能とします。Nova モジュールの利用により、即座にバーチャルライブラリを作成し、新しいデザイン仮説の探求を可能とします。最良の化合物合成に利用する原料発注支援のために、列挙された化合物と各原料の在庫状況や価格などの関連データはリンクされます。

フラグメントライブラリには、R-Group データおよび対応する合成原料の関連データを保存することが可能であり、簡単に同僚と情報共有することが可能です。各研究室や各ユーザが最も一般的に利用する置換基グループを用いたバーチャルライブラリを、迅速に作成することが可能となります。

Clipping 機能および R-Group 定義に基づいたバーチャルライブラリ作成手順は、開発元の R-group clipping of reagents for library enumeration をご覧ください。

その他の機能強化や変更点

StarDrop 6.5 では、その他にも多くの機能追加や強化が行われました。

  • データセットや CardView に、定量的なデータと共に、イメージ図を埋め込むことが可能となりました。
  • データセットから構造的に類似したものを探索する際、さらに柔軟性のある置換基探索が可能となりました。
  • Refresh 機能が強化され、StarDrop project ファイルを開く際の自動データ更新、複数データソースからマージしたデータセットの更新が可能となりました。
  • BIOSTER モジュールが更新されました。約 30,000 件の前例のある変換ルール(オリジナル文献参照情報あり)が含まれ、Nova モジュールにて利用可能です。

v6.4 で追加された機能

StarDrop 6.4 における新機能と強化された機能は次の通りです。

Docking および Alignment

StarDrop の新機能である Pose Generation Interface により、専門家のアドバイスに従った 3次元Docking & Alignment モデルと、データの可視化・2D SAR 解析・2D ADME 予測とのシームレスな連携が、洗練された統合環境にて実現可能となります。

このような環境により、3次元ベースでの複数相互作用評価を、リアルタイムで行っていただけます。また、実測値や各種 ADME 予測値を考慮しながらの Docking ポーズ結果調査が可能となり、重要な結合相互作用の理解を促進します。

Pose Generation Interface の利用により、計算化学者らは、自ら確証した 3次元モデルを、簡単に同僚へ提供することが可能となります。Pose Generation Interface は、以下に示す主要なドッキングシミュレーションソフトウェアとの互換性があります。

Pose Generation Interface は、StarDrop6.4 の無償アドオンとして利用可能です。

Copy および Paste 機能の強化

Copy & Paste の機能強化により、選択した化合物のいかなる情報 (識別子や構造など) も StarDrop からダイレクトに Copy し、Excel / Word / PowerPoint へ Paste することが可能となりました。この機能強化により、研究結果のプレゼンや情報共有のためのサマリーテーブルを、簡単に作成できるようになります。

SeeSAR™ および BIOSTER™ モジュール

タンパク質-リガンド複合体の可視化ツールである SeeSAR モジュールが、さらに機能強化されました。SeeSAR アプリケーションのフルライセンスを所有している場合、StarDrop 内の構造情報やデータを、SeeSAR へとシームレスに転送できます。情報転送後、SeeSAR 画面内にて、結合サイト情報を踏まえた3 次元ベースでの構造編集や、BioSolvIT 社オリジナルの HYDE スコアリングおよび二面角解析などの追加計算が可能となります。SeeSAR タブの ボタンをクリックするだけで、SeeSAR アプリケーションが起動します。また、SeeSAR 画面の ボタンをクリックするだけで、SeeSAR アプリケーション内での計算結果をStarDrop に転送することが可能です。

BIOSTER モジュールもアップデートされ、先例のある変換ライブラリが 28,000 件を超えました。BIOSTER モジュールは Nova モジュールと組合わせて利用し、オリジナル文献の参照情報を含みます。

その他の機能強化や変更点

StarDrop6.4 では、その他にも多くの機能追加や強化が行われました。

  • Enhanced Stereochemistry をフルサポート (読込み・書き出し・編集) しました。
  • パフォーマンスやメモリ利用を、大きく改良しました。この改良により、大規模データセットの利用が、容易になりました。
  • StarDrop の Function Editor に、新たな関数が追加されました。関数追加により、StarDrop 画面内にて直接、テキスト操作やデータ収集、および、条件付きデータによる適切な計算などが可能となりました。toolbar の ボタンをクリックし、新しい関数をご確認ください。

v6.3 で追加された機能

StarDrop 6.3 における新機能と強化された機能は次の通りです。

SeeSAR Module

新しい SeeSARモジュールは、ターゲットタンパク質に対する化合物の結合状態を 3次元で可視化して理解するために、最先端で科学的に正確なアプローチを提供します。

StarDrop における SeeSARモジュールは、X線結晶構造解析による結果やドッキングシミュレーションソフトにより予測された 3次元構造をシームレスに利用できます。SeeSAR による 3次元の情報と従来のStarDrop における 2次元構造に基づくケモインフォマティクス解析や描画を直感的に結びつけることにより、構造活性相関 (SAR) に新しい知見をもたらし、より最適な化合物設計を支援します。さらに、3次元モデルの結果が全てのディシジョンメーカーで共有可能となることにより、計算化学者と合成化学者の共同研究を促進します。

SeeSARモジュールは StarDrop のオプションモジュールとして提供されます。

部分構造検索ツール

部分構造が一致する化合物を検索するための機能が飛躍的に強化、改善されました。以下のように、リンカーに対して長さや環構造を含むかを指定できるといった、柔軟な条件で検索ができます。

「原子」に対する条件

  • 元素
  • 電荷
  • 結合手
  • 水素の数
  • 任意の SMARTS

「結合」に対する条件

  • 結合次数
  • 脂肪族 / 芳香族
  • 環状 / 非環状

「リンカー」に対する条件

  • 長さ
  • 環構造を含む / 含まない
  • 部分構造検索ツールはツールバーの をクリックするとご利用いただけます。

Card View Version 2

従来よりも自由なデザインが可能になりました。縦横の寸法が自在に変化させられ、好きなテキストの追加ができます。また、ドラッグ&ドロップによって簡単にデータのレイアウトを変更できます。

さらに、新しいカードを既存のスタックに加える機能も追加されました。この機能により、クラスタリングのような解析を再度実行する必要がなくなるため、時間が節約され、Card View の配置も保つことができます。

その他の変更点

  • 40以上の異なるエンドポイントをもつナレッジベースの毒性予測を提供する Derek Nexusモジュールが Lhasa Limited による最新のナレッジデータベースにアップデートされました。また、クライアントマシンのメモリへの負荷を減らすため、Derek Nexus の計算はサーバーマシン上で実行されるようになりました。
  • Novaモジュールにおける構造変換ライブラリを拡張するための BIOSTERモジュールに、最新の論文から引用した約2,000の構造変換ルールが追加されました。

v6.2 で追加された機能

  • SD ファイル読み込み時に原子座標を保持できるようになりました。従来は StarDrop 独自の内部的な表現が用いられていましたが、複数のプラットフォームを通して化合物のもつ固有の配向を保ちたいというお客様からのご要望にお応えしました。
  • モデルサーバーを強化しました。スケーラビリティが改善され、サードパーティや内部モデルを通して多数の化合物が処理されます。
  • 全ての StarDrop サーバーが 64bit に対応しました。
  • ユーザーがスケッチして追加した分子の向きを制御できるようになりました。この機能を利用すると、ひとつの分子の向き制御すれば、データセット中の他分子の向きもそれに合わせて制御できます。
    →関連情報:分子の向きを制御する方法
  • いくつかの細かい機能の強化とバグを修正しました。例えば、共有ファイルを開いたときにファイルがロックされる機能の追加や、データ元に変更が合った際のプロジェクトファイルの更新やフローティングライセンスの管理におけるフレキシビリティの強化があります。
  • StarDrop のスクリプティング API が原子座標にも対応しました。

v6.1 で追加された機能

ここでは既に StarDrop をご利用の皆様に向けて、最新の StarDrop 6.1 における新しい機能について簡単に紹介します。

Matched Series 解析

化合物の最適化のための新しい戦略を探索するStarDrop の Nova モジュールが、matched series 解析の追加により機能が強化されました。matched series 解析は NextMove Software 社と共同で開発し、置換基のみが異なる3つ以上の分子シリーズ (matched molecular series) を探索することで、ターゲットの活性を改善する置換基を特定します。置換基のみが異なる分子の数が多い分、一般的に用いられている置換基のみが異なる分子ペア (matched molecular pair) のアプローチよりも、追加の情報を与え、あなたの化学シリーズに適した提案を可能にします。

Nova には matched series 解析に基づく次の2つの方法が組み込まれています。ナレッジベースのデータベースで頻出のシリーズを用いて、あなたのデータの短いシリーズと一致させる Matsy™ (J. Med. Chem., 2014, 57(6), pp 2704–2713) と、分子のアクティビティについての測定値と強い相関をもち、より長いシリーズを用いるSAR transfer です。

matched series 解析はターゲットに対するアクティビティについての測定値をもち、置換基のみが異なる分子シリーズを1つ以上含むデータセットを入力します。解析を開始するためには、StarDrop のNova タブを選択し、ボタンをクリックして Nava セッションを起動し、Matched Series Suggestion を選びます。この機能についての簡単なデモンストレーションはこちらをご覧ください。

https://optibrium.com/resources/matched-series-analysis/

プロジェクトファイル形式

複数のデータセットや解析結果、グラフを含む StarDrop のセッションを全てまとめてひとつのプロジェクトファイルとして保存できるようになりました。これにより、すぐにデータセットを開いたり、共有することができます。StarDrop で最初にデータセットを開くと自動的にプロジェクトファイルが生成され、File メニューから保存すると、初期設定でプロジェクトファイル (.sdproj) として保存されます。もちろん、File メニューの Save Data As… から従来のようにデータセットごとの保存も可能です。

プロジェクトファイルの各データセットは、ファイルの読み込みやデータベースへの問合せなどの、データソースへの接続も可能です (データベースには StarDrop のスクリプティング API を通して適切に接続する必要があります) 。さらに、新しい化合物や結果が増えたときには、データを開き直さなくてもデータセットや計算、グラフを更新することができます。データソースからデータセットを更新するには、Data Set メニューから Refresh を選択します。

強化された P450 代謝モジュール

StarDrop の P450 モジュールはいくつかの点で強化されました。まず、既存の CYP3A4、CYP2D6、CYP2C9 アイソマーによる代謝予測モデルは、新しく質の高いデータセットを用いることで、改良されました。また、根底となる量子力学のモデルに、エポキシ化を含む反応経路を追加しました。さらに、CYP2C8、CYP2C19、CYP2E1、CYP1A2 アイソマーのモデルも追加されました。

その上、各部位が代謝された場合の代謝産物も予測されます。StarDrop の P450 タブで左下にある  ボタンをクリックすると、代謝産物を確認することができ、別の解析のために新しいデータセットとして保存することもできます。

これらの新しい機能を使うためには、P450 モデルサーバーを更新する必要があります。

その他の強化された機能

ここまでに紹介した主な新しい機能の他にも、次のような機能も強化しました。

  • Summary テーブル
    この新しいツールは、データセットにおける物性値データを好きなカテゴリを軸に簡単にまとめてくれます。Summary テーブルを作成するためには、Tools メニューで Create Summary を選択します。テーブルは好きなカテゴリを軸に作成でき、プレゼン資料や報告書に編集可能なテーブルの形式でコピーペーストができます。また、プロジェクトファイル形式を使って保存、復元も可能です。簡単な紹介ムービーはこちらをご覧ください。
    https://optibrium.com/resources/stardrop-summary-analysis
  • 新しくなったファイル結合ツール (Merge ツール)
    ファイル結合ツール (Merge ツール) の機能が拡張されました。Operation の設定が追加され、データセットを結合する Union と同じように、データセットの共通部分を探す Intersection、差異を見つける Differences が選択できます。どの列もデータセット間で一致させるために選択でき、もし2つのデータセットに異なる値があれば、元のデータセットの値をそのままにするのか、新しいデータセットの値を採用するのかの選択も列ごとに設定できます。
  • R-group 解析におけるステレオケミストリー
    StarDrop の R-Group 分解ツールがステレオケミストリーの処理について改良されました。新しいR-Group 解析は、R-Group を置換させた時点で局所的なステレオケミストリーの影響をうけ、E/Z 体で表される置換基を区別します。

v6.0 で追加された機能

Card View – 化合物データセットの新しい表示方法 –

Card View は、化合物とそれらの関係性を直感的にわかりやすく表す画期的で新しい化合物データセットの表示方法です。構造やさまざまな物性値を集約したカードは、自由に動かしたり、結びつけてグループを作成することができ、既存のスプレッドシートよりも最適な構造や重要な構造活性相関 (SAR) を見つけやすくします。Card View を利用することで、柔軟で対話的に化合物データを表示することが可能になります。

Card View の基本機能 1:Card

データセットは、化合物ごとに1枚のカードとして表示され、カードは自由に動かすことができます。カードに表示する情報は好きなようにカスタマイズすることができ、複数ページにわたってスペースを使用することができます。注目する物性値でカードの色付けをすることや気になるカードを横に並べて比較することで、これらの重要な違いを明らかにします。

Card View の基本機能 2:Stack

あるカードを別のカードの上に重ねる (Stack する) だけで簡単にグループを作成することができます。Stack すると一番上のカードには、ヒストグラムやボックスプロットを使って物性値の分布や、最大共通部分構造 (Maximum common substructure) を表示することができます。表示する物性値は、カードと同様にお好みに応じてカスタマイズすることができます。

Card View の基本機能 3:Link

カードは構造的な類似性や合成のステップのように関係性があるもの同士を結びつける (Link する) ことができます。Link には直線と矢印があり、直線は関連付けられる化合物同士を結びつけてネットワーク構造を構築することに利用でき、矢印でカード同士の関係に方向性を与えることにより、合成のステップや相対的な大小関係を表すことができます。さらに Link に色付けすれば、物性値が大きく変化する関係性やステップを明らかにします。

CardView を使用した解析機能

クラスタリングや Matched Molecular Pair (MMP) 解析、Activity Landscape (Activity Cliff) といった解析は、複雑なデータを解析する強力な手法ですが、これらの結果を解釈するためには、時間と労力を要する専門的な解析が必要なことが課題でした。しかし、この Card View を用いることで、これらの結果を直感的にだれもが解釈できるように表示することができます。

その他の機能強化

  • データ解析機能の強化
    • 共通部分構造によるクラスタリング (common substructure clustering)
    • Matched Pair Analysis
    • Activity Landscape
    • Activity neighbourhood analysis (activity cliff の探索)
  • Multi scaffold R-group 解析
  • グラフ化機能の強化
  • Derek Nexus モジュールの更新

v5.5 で追加された機能

新モジュール MPO Explorer

MPO Explorer は、化合物探索プロジェクトにておいて戦略的な決断を支援する手法を提供します。

  • 過去のデータに基づき、有望な化合物を最適に選択するための、プロジェクトの目標に適した Multi-Parameter Scoring プロファイルを生成します。
  • 有望な化合物を見極めるため、および実験リソースの集中を実現させるための最も重要なデータをつきとめます。
  • 選択した選定基準決定のロバスト性をテストします。

データ可視化機能の拡張

3D の散布図とケミカルスペースが新たに追加されました。その他にもいくつかの機能が改良されています。

Matched Pair Analysis 解析

StarDrop の R-Grouop 解析機能を使用して、ケミカルシリーズ内の Matched Pair Analysis ができるようになり、化合物のプロパティに明らかな影響を与える主要な置換を特定することができます。

BIOSTER データベースの更新

Digital Chemistry 社より提供されている BIOSTER のデータベースが最新版に更新され、23,000件以上の先例のある生物学的等価体の変換ライブラリを含んでいます。(前バージョンは 20,000件以上)

v5.4 で追加された機能

Derek Nexus:知識ベースの毒性予測

Derek Nexus モジュールは、世界トップレベル技術を有する Lhasa の知識ベース毒性予測機能を提供します。Derek Nexus は、公開データおよび提供されたデータ (非公開) を利用し、構造と毒性との関係を定義したものであり、ターゲット化合物が毒性を有する可能性をアラートとして表示します。Derek Nexus モジュールにより、変異原性、肝毒性、心毒性を含む 40 評価項目について、ターゲット化合物が毒性を有する可能性予測が可能となります。

BIOSTER:実例から抽出された構造変換ライブラリ

BIOSTER は、Digital Chemistry 社との協力により開発および更新され、StarDrop の Nova モジュールの拡張オプションとして利用可能です。この組み合わせにより、ターゲット化合物への適切な変換を見出すための包括的 BIOSTER データベース検索が、迅速かつ容易になります。これらは、生物活性が高く、合成難易度が低く、あなたのプロジェクトに適した物性プロファイルへの優先性を持つ可能性が高い新規構造を生成するために、自動的に適用されます。BIOSTER に備わる十分に試行された等価体 (isosterism) 原理に基づく実験データは、化学的研究領域に属する多くの人々から集められたもので、これらを活性類似体の新たな発見に役立てることができます。BIOSTER モジュールには、István Ujváry 博士の監修のもと文献から手作業で収集された 20,000 件を超える先例のある生物学的等価体変換に加え、それらの記載されたオリジナルの文献への参照情報が他に類を見ない形式で1つにまとめられています。

データの視覚化

StarDrop のデータの視覚化機能に幅広い種類のプロットとカスタマイズの機能が追加されました。

  • カスタマイズ可能な円グラフ、ヒストグラム、レーダープロットを含む構造活性相関テーブル
  • 注釈とラベルの追加
  • 軸、カラーや大きさへのログスケールの適用
  • 円グラフの作成

torch3D

3D 構造活性相関を理解するための、Cresset 社独自の Field テクノロジーを使ったtorch3D (旧 Field Align) モジュールに、化合物の3次元構造、生物活性と相関の洞察を提供する Cresset XED 力場の最新バージョンが搭載されました。

v5.3 で追加された機能

Nova モジュールによるライブラリ列挙

Nova モジュール上で、素早く、簡単に、バーチャルライブラリを列挙することが可能となりました。骨格および各種フラグメントを定義することにより、自動的に、定義内容に対応した構造リストを発生します。各ポイントへの置換グループは、スケッチ、ユーザ定義ライブラリや集中管理ライブラリからの選択、StarDrop に含まれる R-group analysis 機能利用による別シリーズからの分解によって定義することが可能です。

StarDrop は、分析すべき全ての組み合わせを含むライブラリを列挙することが可能です。また、各プロジェクトターゲットに最適な化合物を選択するために、ライブラリ化合物に対し、物性値予測やスコア評価を自動的に実行することが可能です。この機能は、全ての組み合わせを含むライブラリでは保存したり分析するには大き過ぎる場合、非常に有用な機能となります。

データ可視化機能の向上

StarDrop に含まれるデータ可視化機能は、グラフやプロットにインタラクティブなフィルタを与ることができ、最も興味深い化合物に素早く着目することが可能です。

StarDrop 5.3 では、時間情報を含む物性値やスコア値を探索するために、日付分析が可能となりました。大部分のデータフォーマットを、テキスト形式、カンマ区切り形式、SD ファイル形式から直接読み込むことが可能です。

データ分析および管理ツール

  • クラスタリング機能
    この新ツールにより、構造類似度、もしくは、物性類似度に基づき、簡単にデータセット中の類似化合物グループを認識することが可能となります。クラスタ情報を、StarDrop の Chemical Space 表示やデータ可視化することにより、ライブラリ中の化学系統を簡単に比較したり、最高品質の化学構造に的を絞ることが可能となります。“Tools -> Clustering…” メニューオプションから、クラスタリングツールを利用することが可能です。
  • データセットのフィルタリング
    この機能は、データセットからの、好ましくない部分構造や物性値を含む化合物除去を支援します。データセットをフィルタリングするための基準として、あらゆる数値設定が可能です。例えば、物性値フィルタ条件と、一般的な反応基や公開済みサンプルから抽出した潜在的な有毒性官能基を含むライブラリ (ライブラリは、ユーザ独自ルールを取り込むことによって拡張可能) から選択した部分構造条件を組み合わせることが可能です。“Data Set -> Filter…” メニューオプションから、フィルタリングツールを利用することが可能です。
  • 重複データの削除
    複数のソースから化合物データを統合する場合、通常、ひとつのデータセット中に、同じ化合物を重複コピーします。重複データ削除ツールを利用することにより、重複データを簡単に見つけ出し、保持したいデータを選択することが可能となります。“Data Set -> Check for Duplicates…” メニューオプションから、重複データ削除ツールを利用することが可能です。