z 検定で割合を比較するのは次の場合です:
お持ちのデータが2つのカテゴリに属する各群の観測数である場合は、代わりに分割表の LogRank 生存分析 (LogRank Survival Analysis of contingency tables) を実行します。これによって出力される P 値は、z 検定の P 値と同じです。群またはカテゴリが2つ以上の場合も、分割表の LogRank 生存分析を実行します。
単一のカテゴリやクラスに属する2群の割合 (proportions) に有意差があるか否かを判定するには、割合を比較する z 検定を使います。z 検定の前提条件は:
z 検定を実行するには:
Rates and Proportions → z-test
2つの割合を比較するには、第1列に2つのサンプルサイズを、第2列に各サンプルに対応する観測割合 p を入力します。このときの配置は必ず2行2列にします。サンプルサイズは整数に、観測割合は 0 から 1 の間にする必要があります。
z 検定オプションを使用するのは:
z 検定オプションを変更するには:
Options for z-test ダイアログボックスが表示されます。詳しくは、Options for z-test をご覧ください。
アルファの値を変更するには、Alpha Value ボックスの数値を編集します。
アルファ (α) は、誤って差があると判断しても良しとする確率です。SigmaPlot で提示される値は、α = 0.05 です。この設定は、誤りを許容する確率が 20分の1であることを示します。すなわち、P < 0.05 であれば有意な差があると判断できることになります。
α 値を小さくすると、有意差があると結論付ける要件がそれだけ厳格なものになりますが、差があるにもかかわらずないと結論付けてしまう可能性はそれだけ大きくなります。α 値を大きくすると、差があると結論付ける要件はそれだけ容易になりますが、誤判定をレポートしてしまうリスクが増加することになります。
計算される χ2 の値を下げてこの食い違いを補うように調整するには、イェーツの補正因子 (Yates Correction Factor) を使います。イェーツの補正を使うことで、検定を保守的なもの、例えば、P 値が大きくすることで誤判定の結論を下す可能性を低く抑えることができます。イェーツの補正は、2 x 2 分割表や自由度1の χ2 分布を元に P 値を算出するその他の統計で適用します。
選択されたチェックボックスをクリックすることで、Yates Correction Factor を有効または無効にすることができます。
検定を実行するには、検定するデータを選択する必要があります。検定ウィザードの Select Data パネルを使用して、検定したいデータを含むワークシートの列を選択したり、お持ちのデータがどのような状態でワークシートに配置されているかを指定します。
z 検定を実行するには:
Rates and Proportions → z-test
検定ウィザードの Select Data パネルが表示されます。検定を選択する前に列を選択していれば、選択された列が selected columns リストに表示されます。列をまだ選択していない場合は、データを選択するようダイアログボックスで指示されます。
最初に選択した列は、Selected Columns リストの Size 行に割り当てられ、二番目の列は Proportion 行に割り当てられます。各行には、選択した列のタイトルが表示されます。選択できるデータ列は、Size および Proportion それぞれ1つだけです。
z 検定のレポートには、使用された統計値のテーブル、z 統計量、および、その検定の P 値が表示されます。Options for z-test ダイアログボックスを使えば、割合の差に関する信頼区間を表示させることもできます。
数値による結果に加えて、拡張された結果の説明が表示されることがあります。この説明テキストは、Options ダイアログボックスで有効または無効にすることができます。また、表示する小数点以下の桁数についても Options ダイアログボックスで設定できます。
z 検定のサマリーテーブルには、各群のサイズ n とそのカテゴリにおける各群のの割合 p が一覧で表示されます。これらの値は、データから直接取得されます。
z 統計量は次式であらわされます:

z の絶対値が大きければ、2つの集団の割合に差があると結論付けることができます。z 統計量が大きければ、標本抽出のばらつきのみで期待される差より、2つの割合の差が大きい (例えば、2群の割合の間の差は統計的に有意である) ことを示します。z が小さければ (0 に近ければ)、2群の割合の間に有意差がないことを示します。
Options for z-test ダイアログボックスでイェーツの補正を有効にしていれば、z の計算結果は z の理論値と計算値の間の差を考慮してわずかに小さくなります。
P 値が小さいほど、標本が異なる割合をもつ母集団から抽出される確率は高くなります。伝統的には、P < 0.05 であれば、有意差があると結論付けることができます。
信頼区間にゼロが含まれていなければ、指定した信頼水準で割合の間に有意差があると結論付けることができます。このことは、P < α とあらわすこともできます。ここで、α は、誤って差があると結論付けても良しとする確率です。
信頼水準の調整は Options ダイアログボックスでおこないます。通常は、100(1 – α)、すなわち、95% です。信頼の値が大きいほど区間は広くなり、小さいほど区間は狭くなります。詳しくは、Power をご覧ください。
この結果は、Options for z-test ダイアログボックスで無効にしない限り表示されます。
z 検定の検出力 (Power)、すなわち感度は、群間に真の差がある場合、その検定で群間の差を検出できる確率です。検出力が 1 に近づくほど、その検定の感度は高くなります。z 検定の検出力は、サンプルサイズと測定された各標本の割合によって影響を受けます。
この結果は、Options for z-test ダイアログボックスで無効にしない限り表示されます。
α 値は、z-test Power ダイアログボックスで設定します。提示される α = 0.05 という値は、許容する誤りを 20分の1にすることを示します。α の値を小さくするほど、有意差があるとの結論に至る要件はそれだけ厳格になりますが、その反面、差があるにもかかわらず差がないと結論付けてしまう可能性は高くなります (第二種の誤り:Type II error)。α の値を大きくすれば、差があるという結論付けは容易になりますが、その反面、誤った差をレポートするリスクが高まります (第一種の誤り:Type I error)。