さまざまな原子構造を描画するソフトウェア

ATOMS は、結晶、高分子、分子等さまざまなタイプの原子構造を描画するソフトウェアです。フル三次元カラー描画から、印刷用のシンプルなモノクロの図まで、さまざまな用途にあわせてご利用いただけます。

原子構造の描画

ATOMS で可能な表現法には、球と棒、ワイヤーフレーム、相互に貫入した原子（空間充填）、調整可能な多面体 (polyhedra)、またはこれらの組み合わせがあります。異方性熱振動楕円体モードでは、原子や結合を ORTEP スタイルで描画します。楕円体は、3D モードで表示可能です。

正射投影法または遠近法による描画が可能で、また、ステレオペア法による立体描画も自動的に行うことができます。ワイヤーフレーム表示においてはアナグリフ（赤青2色重ね合わせの立体表示）も描画可能です。原子と結合は自動的にラベリングできます。原子のベクトルは、磁気スピン（必要なら Shubnikov 対称を利用可能）や他のベクトルプロパティにより表示できます。また、振動モードにおける原子変位の表示も可能です（出力に VIBRATZ を使用します）。他のサンプル構造に加えて、基本的な無機物の結晶13種のライブラリが含まれます。

オプション製品：ATOMS ミネラルライブラリ220種
Libraries of 220 + Mineral Stucturs：Windows/Macintosh ATOMSは、ハロゲン、酸化物（オキサイド）、水酸化物、赤銅鉱、黄縁石、ニッケル鉱、四面銅鉱、カルボナイト、硫酸塩、燐酸塩、珪酸塩、鱗珪石（石英）柱石などを含むあらゆるタイプの鉱物を表示することができます。

開発元：Shape Software

機能一覧

ATOMS 製品概要

ATOMS は、あらゆるタイプの原子構造（分子、ポリマー、結晶、およびこれらの任意の組み合わせ）を表示するソフトウェアです。

原子構造データの作成

対称性を使用する場合は、同等な各セットの１つの原子の座標を入力するだけです。230 のすべての空間グループと 32 の結晶点グループの対称要素がファイルにあり、番号または標準記号で呼び出しできます。非結晶の対称 (十二面体）、正二十面体など) も使用できます。補助プログラム SYMGRP が、任意の点グループに完全な対称行列を導きます。また、ATOMS は、構造の磁気その他のベクトル面の図示について Shubnikov 対称をサポートします。

結晶とポリマーの図面の境界は、いくつかの方法で指定できます。第一に、変換反復に制限を設定して、指定数のユニットセルの内容を表示できます。第二に、原点から任意の距離にある結晶の面を境界にできます。第三に、d 間隔に等しい厚さのある指定面に平行な、構造のスライスを表示するオプションがあります。必要であれば、異なる原子について異なる境界レベルを指定できます。第四に、原子または任意の点の周りの球体を表示できます。第五に、すべての分子またはその他の結合されたユニットは全体として識別および表示できます。

分子、ポリマー、その他の結合されたグループは分離できます（前述の五番目のオプションとは独立にです）。生成された原子は入力原子に変換できるので、対称的な原子または格子と同等の原子に影響を及ぼさずに、個別の原子を削除、除去、またはその他の方法で修正できます。

個別の構造断片を結合して、双晶形式、配向成長、および結晶の欠陥をモデル化できます。

原子構造の表示

「Standard (標準)」表示モードで原子と結合を表示する方法はいくつかあります。

球状の原子および棒または線の結合
線の結合のみ
お互いに貫通する球状原子
配位多面体

これらの表現の任意のタイプを一つの図面内でお互いに混合させてもかまいません。「3D (三次元)」表示モードでも同じ表現が利用できます。さらに、「熱楕円」モードがあります。これは ORTEP (Carrol K. Johnson による) と同じ方法で原子と結合を作図するものです。

照明の角度に従ったシェーディングは、「Standard (標準)」表示モードでは、原子、結合、および多面体に自動的に適用できます。「3D (三次元)」表示モードは、OpenGL (Windows) または QuickDraw3D (Macintosh) を使用します。「3D (三次元)」表示モードには、ライトニングと材質プロパティに関する追加のオプションがあります。「3D (三次元)」モードは熱楕円をさまざまな方法で表示できます。

「Cavities (窪み) 」表示モードは、ユニットセル内部の指定サイズの球状粒子の可能な中心位置を囲むサーフェスを示します。

図面は、厳格な投影法で示されます。または、指定の遠近法距離での遠近法で表示されます。正確なスケールは、ハードコピー出力用に、オングストロームごとにインチまたはセンチメートルで指定できます。

原子のラベルと結合距離は、一対のステレオ写真表示用に適切な位置に、自動的に追加および作図できます。

ATOMS は、多くの原子や結晶、高分子を生成するのに、格子並進と空間群対称を使用します。以下の境界オプションが利用できます。

unit cell ユニットセル
chosen crystal forms 選択された結晶形状
translations limits 変換の極限
slice (growth layer) スライス（成長層）
sphere 球体
isolate molecules 分子の分離

結合と多面体は、最小の設定で自動的に配置されます。原子の生成がすべて完了したあとは、移動や各原子に対する変更が可能です。結晶構造内では、分子を個別に取り出すことができます。複数の構造断片は個別に回転させたり変形できます。リアルタイムの回転方法や結晶ベクトルや表面の配列など解析に必要な豊富なオプションがあります。描画は、任意の単位や絶対単位をもとに自動的にスケーリングされます。

原子構造データの出力

印刷とファイル出力は、プリンタや他のデバイスの最高の解像度で作成されます。必要に応じて枠内に収まるよう自動的にスケーリングされます。PostScript の書き出しは、最高のスピードと解像度の PostScript 言語でダイレクトに生成されます。ATOMS の Windows / Mac 版では、EPS、VRML (3D)、PNG ラスタ、HPGL ファイルで書き出しできます。Windows 版では、Windows メタファイル（標準、APM またはエンハンスト）、BMP、PCX、TIF、PNG ラスタファイルで書き出せます。Macintosh 版では、PICT ファイル（メタファイル又はビットマップ）、PNG ラスタファイル、3DMF （3D）ファイルで書き出せます。すべてカラー又はモノクロの双方の書き出しが可能です。カラーディスプレイや出力の色情報は、モノクロ出力する場合はグレースケールに分離されます。

入力可能なファイル形式

ATOMS は、複数の原子座標ファイルをインポートできます（対応フォーマットは以下をご覧下さい）。free-form インプットオプションは、原子座標を含んだ他のほとんどのテキストファイルの読込みを容易にします。

CCDC FDAT – Cambridge Crystallographic Data Centre のファイル形式
SHELX (.INS) – G. Sheldrick 氏による SHELX のファイル形式
CIF – Crystallographic Information ファイル
DBWS/LHPM – Rietveld 入力ファイル
ICSD Inorganic Crystal Structure Database ファイル
- Original – available on-line through several institutions
- RETRIEVE and FINDIT – recent and current CDROM software formats
- CAN/SND – files from Canadian NRC
- WWW – sample database on line
ORTEP – オリジナル又は ORTEP II の原子情報
XTLVIEW – ドロープログラム
PDB – Protein Data Bank ファイル
RIETAN – Rietveld プログラムファイル
GSAS – ロスアラモス研究所のシステム – 磁気ベクトル可
AM MINERAL. – American Mineralogist 構造データベースファイル形式
FULLPROF – 精密化プログラム用 – 磁気ベクトル可
Free-form 上記以外のほとんどのソースから原子座標やその他の情報の入力が可能です。