効果が正規分布に従っていることが分かっている場合は、対応のある t 検定を使います。詳しくは、対応のある t 検定をご覧ください。比較する処理が複数ある場合は、フリードマンの順位に基づく反復測定分散分析 (Friedman Repeated Measures ANOVA on Ranks) を実行します。詳しくは、フリードマンの順位に基づく反復測定分散分析をご覧ください。
※ Tip:正規母集団に対して符号付き順位検定を実行しようとした場合、Signed Rank Test オプションの設定によっては、よりパワフルな対応のある t 検定でそのデータを分析できることが SigmaPlot により提案されます。
検定を継続するには、Run Test をクリックします。検定ウィザードの Select Data パネルが表示されます。
現在の設定内容を適用して、オプションダイアログを閉じるには、OK をクリックします。
4.1 Options for Signed Rank Test: Assumption Checking
正規性の検定 (Normality) を設定するには Options for Signed Rank Test ダイアログボックスにある Assumption Checking タブをクリックします。正規性 (Normality) の前提条件の検定では、母集団が正規分布に従っているかをチェックします。
※ Note:符号付き順位検定には、Equal Variance の選択肢はありません。対応のある t 検定は、選択した母集団の個体それぞれに対してではなく各個体の変化に基づいて検定を行うからです。従って、等分散性を検定する必要はありません。
P Value to Reject:P Value to Reject ボックスに該当する P 値を入力します。P 値により、データが正規分布していないと誤って結論付ける確率が決定されます (P 値は、データが正規分布しているという帰無仮説を誤って棄却してしまうリスクです)。検定によって求められた P 値が、ここで設定した P 値よりも大きければ、帰無仮説が採択 (Pass) されます。正規性の要件をより厳密なものにするには、この P 値を大きくします。パラメトリックな統計手法では、仮説の棄却が比較的ロバスト (頑健) に検出されることから、SigmaPlot ではこの値を 0.050 としています。P 値をこれよりも大きくすると (例えば、0.100)、そのデータに正規性がないとの判定が出やすくなります。正規性の要件を緩和するには、P 値を小さくします。正規性があるという仮説を棄却するための P 値に小さい値しか要求しないということは、前提とする正規分布からデータが外れていても、それが非正規であると判定される前に、それだけ広く受け入れたいとする意思があることを意味します。例えば、P 値を 0.050 とした場合、あるデータを非正規であると判定するには、0.100 の場合と比べてそれだけ大きく正規性を逸脱していなければなりません。
Summary Table:Rank Sum test レポートの符号付き順位検定のサマリーテーブルには、中央値 (Median)、パーセンタイル、および、サンプルサイズ N が一覧で表示されます。必要があれば、ボックスの内容を編集してパーセンタイルの値を変更することができます。推奨されるパーセンタイルは、25% と 75% です。
Yates Correction Factor (イェーツの修正因子) :統計的検定で、例えば、2 x 2 分割表やマクニマー (McNemar) の検定のような、自由度1の χ2 分布を使用する場合、算出される χ2 統計量は、実際の χ2 検定統計量の分布と比べて生成される P 値が非常に小さくなる傾向があります。理論上 χ2 分布は連続型ですが、この検定の χ2 分布は離散型です。イェーツの修正因子 (Yates Correction Factor) を使えば、算出される χ2 値を調整して、このずれを補うことができます。イェーツの修正因子を使うことで検定の取扱いが慎重 (conservative) になります:例えば、P 値が増加するので偽陽性を結論付ける可能性が少なくなります。イェーツの修正は、2 x 2 分割表や、自由度1の χ2 分布から P 値を算出するその他の統計に適用します。イェーツの修正の導出に関する詳しい説明については、統計学の参考書をご覧ください。
5. 符号付き順位検定を実行する
検定を実行するには、使用するデータをマウスポインタでドラッグして検定するデータを選択状態にしておく必要があります。その後、検定ウィザードの Select Data パネルを使用して検定したいデータを含むワークシートの列を選択し、そのデータがワークシート上でどのように配置されているかを指定します。
Signed Rank 検定を実行するには:
Analysis タブの SigmaStat グループにある Tests ドロップダウンリストから次を選択します:Before and After → Signed Rank Test検定ウィザードの Signed Rank Test — Data Format パネルが表示され、データフォーマットを指定するよう指示されます。 検定ウィザードの Signed Rank Test — Data Formatパネルでデータフォーマットを指定。
Data Format ドロップダウンリストから該当するデータフォーマットを選択します。データが各列に群分けされている場合は、Raw を選択します。データが群のインデックス列とデータ列の対になっている場合は、Indexed を選択します。
Next をクリックして、検定するデータ列を選択します。この検定を選択する前に列を選択していれば、Selected Columns リストに選択した列が表示されます。
Selected Columns リストに別のワークシート列を割り当てたい場合には、ワークシートで直接その列を選択するか、Data for Data ドロップダウンリストからその列を選択します。Selected Columns リストの一行目に割り当てられるのは最初に選択した列で、以後同様に列を選択するごとにリストの2行目以降に割り当てられてゆきます。各行には、選択した列のタイトルが表示されます。生データ (Raw) の場合は、ワークシートの2列を、インデックス付きデータ (Indexed) の場合は、ワークシートの3列を選択するよう指示されます。
Normality Test の結果には、処理の差が正規母集団から抽出されたものであるという前提条件の検定に合格したか否か (Passed または Failed)、および、この検定で計算された P 値が表示されます。ノンパラメトリックの検定法では、母集団の正規分布を前提条件としないのでこの検定には合格しません (Failed になります)。この結果は、Options for Signed Rank Test ダイアログボックスで無効にしない限り表示されます。
6.2 Summary Tables
SigmaPlot では、サンプルサイズ N、欠損値の数 (Missing)、中央値 (Median)、および、2つのパーセンタイルを一覧にしたサマリーテーブルが作成されます。この結果は、Signed Rank Test Options ダイアログボックスでこれらを無効にしない限り表示されます。
Report タブの Result Graphs にある Create Result Graph をクリックします。Create Result Graph ダイアログボックスが表示され、その中に Signed Rank Test の結果で利用できるグラフのタイプが表示されます。 Signed Rank Test Report の Create Result Graph ダイアログボックス
Graph Type リストの中から作成したいグラフタイプを選択します。
OK をクリックするか、リスト内のグラフをダブルクリックします。詳しくは、レポートグラフをご覧ください。選択したグラフがグラフウィンドウに表示されます。