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Multipeak Fit パッケージ の使用方法

Multipeak fit は、ピークタイプのデータを解析する場合に役に立つパッケージです。分光法やクロマトグラフィー、質量分析などから得られたデータに使用できます。Multipeak Fit パッケージは、以下のような機能を含みます:

  • Gaussian、Lorenzian、Voigt、および、指数関数的に修正した Gaussian を含む、様々な異なるピーク形状
  • 複数の重なり合ったピークをフィッティングする機能
  • データセットの分析時に、異なるピーク形状を混合して使用する機能
  • ピークの位置や高さ、幅の初期推定を生成する自動ピーク検出
  • 正または負のピークとしてピークを扱う機能
  • ベースラインまたはバックグラウンド関数の選択
  • 手動でピーク検出を行う、または、自動検出されたピークのパラメータを変更するためのインタラクティブなエディタ
  • すべての処理をコントロールする GUI インターフェイス
  • ユーザ独自のプラグイン ピーク関数およびベースライン関数を記入可能にするモジュール アーキテクチャ
  • ユーザ独自のコードから基本機能を使用することを可能にするプログラマ インターフェイス

ここでは、Multipeak Fit の使用方法について紹介します。

Multpeak Fit ガイド ツアー

1. ファイル > サンプルエクスペリメント > Curve Fitting > Multipeak fit Demo を開きます。

2. 解析メニューをプルダウンし、Packages > Multipeak Fitting を選択します。

この操作により、パッケージが読み込まれ、Start and Manage Multipeak Fit Sets コントロールパネルが表示されます。

また、解析メニューにMultipeak Fitメニューが追加されます。

3. 解析メニューをプルダウンし、Multipeak Fit > Help for Multipeak Fitting を選択します。

この操作によって開いたヘルプファイルには、Multipeak Fit を使用するための詳細な情報が記載されています。

4. ヘルプファイルを閉じ、コントロールパネル内にある Y Wave: のポップアップメニューから、データフォルダ ‘data set 1‘ の下にある ‘my y data‘ を選択します。

5. X Wave: のポップアップメニューから、データフォルダ ‘data set 1‘ の下にある ‘my x data‘ を選択します。

6. Use Graph: メニューで “New Graph” が選択されていることを確認します。

7. Panel Position メニューで “Right” が選択されていることを確認します。

8. Start New Set ボタンをクリックします。

この操作により、グラフとコントロールパネルが表示されます。コントロールパネルはグラフウィンドウにくっついており、Multipeak fit を行うという目的のために、グラフとコントロールパネルは密に連動しています。下図のように表示されています。

グラフが “MultipeakFit_Set1” という名前になっていることに注意してください。

Multi-peak Fit をひとつの Igor エクスペリメントの中で使用している場合、Multi-peak Fit の新しいセッションを開始する度に “set number” が与えられます。”set number” は、Multi-peak Fit の新しいセッションを開始する度に 1 ずつ増加します。

9. Auto-locate Peaks Now ボタンをクリックします。

コントロールパネル中ほどのリストにデータ内のピーク検出結果が追加されます。

グラフは、それぞれのピーク (Peak 0, Peak 1, Peak 2, Peak 3) のトレース、モデルカーブ、および残差カーブに変更されます。

青い線はモデル(計算されたベースラインと見つかったすべてのピークの合計)を表します。
緑の線はベースラインを表します。
グラフの下部はピークを個別に表しており、足し合わせてはいません。
上のトレースは残差(データセットと青いカーブとの差)を表します。

10. Peak 0 行の左端の十字ボタン(Macでは右向き三角)をクリックします。

ピークフィット係数 (Location, Width, Height) の値と、係数の値を保持する場合に使用するチェックボックス (Hold) が表示されます。

11. ピークフィット係数 Height の右側の値のセル内をクリックします。
これにより、セルが編集モードになります。

Peak 0 の Height の値を 1.5 に変更してみます。
値を変更した後、Return キーをタイプするかセルの外側をクリックすると、値の変更が反映されて、Peak 0 のトレースとモデルカーブのトレースが両方とも変更されます。

12. Do Fit ボタンをクリックします。

この例ではフィットが成功します。

トレースはベースラインとピークの新しい係数を反映するように更新されます。
結果のカイ2乗値はグラフの右上に表示されます。

13. ピークリストの Baseline の Constant と表示されている部分をクリックします。

ベースライン関数メニューが表示されます。

14. ベースライン関数としてCubic を選択します。

15. Do Fit ボタンをクリックします。

先ほどよりも残差にトレンドがなく、良好なフィッティング結果が得られました。

先ほど開いた Peak 0 行のフィッティング係数は、今回の結果を反映して更新されています。

しかし、このピークリストには推定誤差や、ピーク面積半値幅 (full width at half maximum: FWHM) などの、フィッティングそのものに関係しない情報は表示されません。

16. コントロールパネルの右下にある Peak Results ボタンをクリックします。

それぞれのピークの面積や FWHM など様々な情報を伴った、すべてのピークのリストが新しいウィンドウで表示されます。個々の情報に推定誤差が含まれています。

水平方向にスクロールしていくと、すべての情報を確認することができます。

17. Amplitude というタイトルのセルをクリックします。

ピークが Amplitude (振幅) の小さいものから大きなものの順番でソートされます。リスト内のすべての列においてソートすることが可能です。

18. Amplitude タイトルセルをもう一度クリックします。
列のタイトルセルをクリックする度、ソートの順番が逆転します。

19. Report in Notebook ボタンをクリックします。

リスト内のすべての情報、および、ベースラインの情報を含んだリッチテキストノートブックが作成されます。

20. Results ウィンドウに戻り、Standard Parameters, Tab-Delimited ボタンをクリックします。

それぞれのピークのピークタイプ、位置、振幅、面積、FWHM および推定誤差の列がタブ区切りで表示されたプレーンテキストノートブックが作成されます。情報を他のプログラムにエクスポートする場合は、このノートブックが便利です。