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CrystalDiffract 7 では新たに Refine インスペクターが装備され、観測された回折パターンの精緻化を初期構造を参照しておこなう「リートベルト」法を使ってスマートに実行できるようになりました。複数の位相が混合する回折パターンも各成分の重量分率を計算することで精緻化することができます。
CrystalMaker 社では、既存の精緻化ソフトウェアに満足することなく、独自のリートベルト精緻化エンジンを一から開発しました。パフォーマンスを最大に引き出すために高度に最適化したもので、最新のマルチコアプロセッサを最大限に活用します。精緻化そのものは迅速かつ簡単で、Refine インスペクターの Control タブで精緻化を制御できます。精緻化を実行すると、フローティング表示の Trajectory ウィンドウにカイ二乗誤差がリアルタイムに表示されます。結果は Results タブに表示され (誤算を含む)、パラメータ間の相関は Correlation Matrix ウィンドウに色付きでグラフィカルに表示されます。
CrystalDiffract 7 では、新たに追加された Phase ID コマンドを使用して未知のパターンを識別することができます。ソースとなるパターンの最も強い回折ピークの位置と相対強度がこれにより特定され、それらを内部データベースと比較して最も近い一致結果が表示されます。
CrystalDiffract 7 には、位相の識別に使用する回折パターンのアーカイブが約 500,000 件含まれています。ソース構造は Crystallography Online Database (COD) によるものです。この組み込み回折アーカイブを使用する代わりに、既存のファイルとフォルダーを使用して独自のアーカイブを構築できるオプションも用意されています。
CrystalDiffract には、X 線と中性子線による強力な粉末回折シミュレーション機能が装備されています。プリセットされている 4 つのシミュレーションタイプから 1 つを選択します: Constant-wavelength X-Rays (一定波長 X 線)、Constant-wavelength Neutrons (一定波長中性子線)、Energy-Dispersive X-Rays (エネルギー分散型 X 線)、Time-of-Flight Neutrons (飛行時間法による中性子線)。マルチプロセッシングにより、高速なプロファイルシミュレーション、回折パラメータとサンプル パラメータのリアルタイム調整が可能です。これにより、回折実験をしっかりと制御できるようになります。
CrystalDiffract では、Mixture グループにパターンをドラッグ&ドロップするだけで、多相の混合物をシミュレーションすることができます。混合物の組成は、Parameters リストの混合スライダーとテキストコントロールを使用してリアルタイムに調整可能です。また、混合物の合計をロックしたり、成分をゼロにリセットできるコントロールも用意されており、位相の割合を容易に手動で編集することができます。
統合された Search フィールドを使えば、プロットされたパターン又は Reflexions リストからシミュレーションによる反射を素早く見つけ出すことができます。リストでは、反射を参照したり並び替えることができます。リストで任意の反射をダブルクリックすると、プロット内におけるその反射の位置が即座に表示されます。ピークチップスは、マウスを動かしたときの反射を特定するのに役立ちます。ピークチップスを展開すると、面間隔 d、相対強度、幅といった各ピークの完全な情報が表示されます。
CrystalDiffract 7 は CrystalMaker 11 と連動して動作するよう設計されており、保存された結晶ファイルを読み取って回折特性をシミュレーションすることができます。2つのプログラムをリンクすると、一方のウィンドウで結晶構造を表示しながら、もう一方のウィンドウでその粉末回折パターンを表示できます。CrystalMaker の Live Intensity Mode を有効にすると、CrystalMaker で構造を編集しながら (原子グループの移動、回転、変更)、それによって得られるシミュレーションによる回折パターンを CrystalDiffract でリアルタイムに確認することができます。
CrystalDiffract を使用すると、回折ウィンドウに複数のテキストファイルをドラッグ&ドロップするだけで、実験データセットを複数インポートして、それらをシミュレーションデータと比較することができます。観測データを操作や再スケール、スムージングやバックグラウンド補正をリアルタイムに適用したあと、革新的なスクリーンツールを使用して、観測パターンを測定できます。シミュレートされたパターンと比較することによって、純度をチェックしたり、位相の同定を試みることができます。
CrystalDiffract では、非常に美しい画面表示が提供されるとともに、クリップボードにコピーしたり、他のプログラムにドラッグ&ドロップしたり、ファイルとして保存することによって、高解像度のベクトル形式で他のプログラムに容易にコピーすることができます。
表示法に関しては、パターンカラー、ラインとマーカーのサイズ/スタイル、透明度、陰影、ピークの重ね合わせ、グリッドライン、Film スタイルのカラー、ピークラベル (内容、位置、配置を含む)、凡例表示、プロットタイトルといった広範なコントロールが用意されています。また、使用するテキストのフォントやサイズも調整できます。
CrystalDiffract を使えば、内蔵型の結晶エディター (対称性を完全に操作可能) により、このプログラム内で回折シミュレーションをゼロから新規作成することができます。また、CIF、CMTX、または CrystalMaker ドキュメント (CMDX または CMDF) から構造をインポートしたり、Live Intensity Mode (下記参照) を使って CrystalMaker 11 から構造データをシームレスに送信することができます。
更に、CrystalDiffract には、インデックス付きで検索可能な約 1,000 個の結晶構造 (500 個の鉱物を含む) ライブラリも含まれており、回折シミュレーションをすぐに行うことができます。このライブラリは一般的なデータベースではありません。空間群、密度、体積、その他の結晶学的データ表示機能を備えた、CrystalDiffract 用に最適化された専門家が厳選したライブラリです。
CrystalDiffract を使えば、作業内容を自己完結型のドキュメントとして保存できます。これにより、次回プログラムを使用するときには、必要な情報にすばやく簡単にアクセスできるようになります。また、回折パターン全体、反射リスト、構造因子に加えて、結晶構造データを CIF または CMTX 形式でエクスポートすることも可能です。
CrystalDiffract には CrystalMaker と直接リンクして可視化できる機能もあります。シミュレートされたパターンを選択して Visualize コマンドを選択するだけで、CrystalMaker にその結晶構造が表示されます。
CrystalDiffract には、Windows 64-bit 版と macOS 64-bit 版の 2 つのバージョンが用意されています。Mac 版でも Windows 版でも、読み込み可能なドキュメントに違いはなく、ほぼ同じ機能が装備されていますので、クロスプラットフォームでの作業や共同作業を容易に行うことができます。2 つのバージョンは、それぞれのオペレーティングシステムのために全くのゼロから構築されたもので、 Windows アプリケーション、Mac アプリケーションとして 100% ネイティブの純正です。これにより、システムとの統合、パフォーマンス、ユーザビリティ、デザインの美しさがそれぞれの環境で最大限発揮されます。