粉末回折パターンをインタラクティブにシミュレート
CrystalDiffract は、X 線と中性子線による粉末回折をお持ちのコンピュータ画面上で取り扱うことができるツールです。パラメータをリアルタイムに制御できるので、回折やサンプルの設定に変更を加えると、それに応じたフィードバックを即座に得ることができます。混合物の動的制御と包括的な位相 ID により、現実の実験データを特徴付けることができます。さらに、リートベルト法による最も容易で最も高速な構造精緻化機能が装備されたことで、CrystalDiffract 7 はすべての材料科学者が待ち望んでいたツールになりました。
水熱合成反応のリートベルト法による多相構造の精密化 (データ提供:Prof Vincent van Hinsberg)
関連製品
CrystalMaker 結晶 / 分子構造のエネルギーモデリング CrystalMaker は結晶構造および分子構造を回転可能なアニメーションでダイナミックに可視化します。 CrystalDiffract (粉末回折) と SingleCrystal (X 線、中性子、TEM の単結晶回折) を使えば、CrystalMaker に表示されている任意の結晶構造について回折パターンをメニューコマンドひとつでシミュレーションすることができます。
SingleCrystal 単結晶回折ソフトウェア SingleCrystal は、単結晶の X 線、中性子、TEM 回折パターンをシミュレートし、同じウィンドウで観測データと比較することができます。CrystalMaker で保存した結晶ファイルから、電子線回折パターンの表示とシミュレートができます。CrystalMaker で結晶構造を回転させると、SingleCrystal 上の回折パターンも回転します。
開発元:CrystalMaker Software Limited.
機能一覧
新しい機能
リートベルト法による多相構造の精密化
CrystalDiffract 7 では新たに Refine インスペクターが装備され、観測された回折パターンの精密化を初期構造を参照しておこなう「リートベルト」法を使ってスマートに実行できるようになりました。複数の相が混合する回折パターンも各成分の重量分率を計算することで精密化することができます。
CrystalMaker 社では、既存の精密化ソフトウェアに満足することなく、独自のリートベルト精密化エンジンを一から開発しました。パフォーマンスを最大に引き出すために高度に最適化したもので、最新のマルチコアプロセッサを最大限に活用します。精密化そのものは迅速かつ簡単で、Refine インスペクターの Control タブで精緻化を制御できます。精密化を実行すると、フローティング表示の Trajectory ウィンドウにカイ二乗誤差がリアルタイムに表示されます。結果は Results タブに表示され (誤算を含む)、パラメータ間の相関は Correlation Matrix ウィンドウに色付きでグラフィカルに表示されます。
「リートベルト」法で硫酸鉛を精緻化した例:
観測パターンと試行に使う構造は、左側のサイドバーで選択します。 Refine インスペクターには、ピークプロファイル、プロット範囲、構造パラメータなど、精緻化のために選択するパラメータが表示されています。
包括的な相同定
CrystalDiffract 7 では、新たに追加された Phase ID コマンドを使用して未知のパターンを識別することができます。ソースとなるパターンの最も強い回折ピークの位置と相対強度がこれにより特定され、それらを内部データベースと比較して最も近い一致結果が表示されます。
CrystalDiffract 7 には、相の識別に使用する回折パターンのアーカイブが約 500,000 件含まれています。ソース構造は Crystallography Online Database (COD) によるものです。この組み込み回折アーカイブを使用する代わりに、既存のファイルとフォルダーを使用して独自のアーカイブを構築できるオプションも用意されています。
Phase ID の実行例:
最大ピークを自動的に特定し、組み込み回折データベースと比較することで、材料を迅速に特定します。
回折シミュレーション
CrystalDiffract には、X 線と中性子線による強力な粉末回折シミュレーション機能が装備されています。プリセットされている 4 つのシミュレーションタイプから 1 つを選択します: Constant-wavelength X-Rays (一定波長 X 線)、Constant-wavelength Neutrons (一定波長中性子線)、Energy-Dispersive X-Rays (エネルギー分散型 X 線)、Time-of-Flight Neutrons (飛行時間法による中性子線)。マルチプロセッシングにより、高速なプロファイルシミュレーション、回折パラメータとサンプル パラメータのリアルタイム調整が可能です。これにより、回折実験をしっかりと制御できるようになります。
正方晶系 (青色のグラフ) から斜方晶系 (赤色) への相転移をシミュレーションした例:
単位セルのパラメーターを編集すると、ピーク分割がどのように変化するかを即座に確認できます。
CrystalDiffract では、Mixture グループにパターンをドラッグ&ドロップするだけで、多相の混合物をシミュレーションすることができます。混合物の組成は、Parameters リストの混合スライダーとテキストコントロールを使用してリアルタイムに調整可能です。また、混合物の合計をロックしたり、成分をゼロにリセットできるコントロールも用意されており、位相の割合を容易に手動で編集することができます。
混合物のシミュレーション:
Mixture グループに位相をドラッグ&ドロップして混合物に追加
統合された Search フィールドを使えば、プロットされたパターン又は Reflexions リストからシミュレーションによる反射を素早く見つけ出すことができます。リストでは、反射を参照したり並び替えることができます。リストで任意の反射をダブルクリックすると、プロット内におけるその反射の位置が即座に表示されます。ピークチップスは、マウスを動かしたときの反射を特定するのに役立ちます。ピークチップスを展開すると、面間隔 d、相対強度、幅といった各ピークの完全な情報が表示されます。
ピークチップスでシミュレーションによるピークを特定した例:
ピークチップスの内容は展開して詳細情報を表示できます。
CrystalMaker との統合
CrystalDiffract 7 は CrystalMaker 11 と連動して動作するよう設計されており、保存された結晶ファイルを読み取って回折特性をシミュレーションすることができます。2つのプログラムをリンクすると、一方のウィンドウで結晶構造を表示しながら、もう一方のウィンドウでその粉末回折パターンを表示できます。CrystalMaker の Live Intensity Mode を有効にすると、CrystalMaker で構造を編集しながら (原子グループの移動、回転、変更)、それによって得られるシミュレーションによる回折パターンを CrystalDiffract でリアルタイムに確認することができます。
Live Intensity Mode:
CrystalMaker で構造を編集すると (左)、それによって得られるシミュレーションによる回折パターンが CrystalDiffract で更新されます。
実験データの解析
CrystalDiffract を使用すると、回折ウィンドウに複数のテキストファイルをドラッグ&ドロップするだけで、実験データセットを複数インポートして、それらをシミュレーションデータと比較することができます。観測データを操作や再スケール、スムージングやバックグラウンド補正をリアルタイムに適用したあと、革新的なスクリーンツールを使用して、観測パターンを測定できます。シミュレートされたパターンと比較することによって、純度をチェックしたり、位相の同定を試みることができます。
Film モード:
シミュレーションによる回折パターンと観測された回折パターンの一致を調べる優れた方法です。
高度なグラフィック
CrystalDiffract では、非常に美しい画面表示が提供されるとともに、クリップボードにコピーしたり、他のプログラムにドラッグ&ドロップしたり、ファイルとして保存することによって、高解像度のベクトル形式で他のプログラムに容易にコピーすることができます。
Loupe を使用すると、お持ちのデータを高解像度で表示させることができます。
スケールを変更する必要はありません。
表示法に関しては、パターンカラー、ラインとマーカーのサイズ/スタイル、透明度、陰影、ピークの重ね合わせ、グリッドライン、Film スタイルのカラー、ピークラベル (内容、位置、配置を含む)、凡例表示、プロットタイトルといった広範なコントロールが用意されています。また、使用するテキストのフォントやサイズも調整できます。
結晶構造の同梱
CrystalDiffract を使えば、内蔵型の結晶エディター (対称性を完全に操作可能) により、このプログラム内で回折シミュレーションをゼロから新規作成することができます。また、CIF、CMTX、または CrystalMaker ドキュメント (CMDX または CMDF) から構造をインポートしたり、Live Intensity Mode (下記参照) を使って CrystalMaker 11 から構造データをシームレスに送信することができます。
更に、CrystalDiffract には、インデックス付きで検索可能な約 1,000 個の結晶構造 (500 個の鉱物を含む) ライブラリも含まれており、回折シミュレーションをすぐに行うことができます。このライブラリは一般的なデータベースではありません。空間群、密度、体積、その他の結晶学的データ表示機能を備えた、CrystalDiffract 用に最適化された専門家が厳選したライブラリです。
統合された構造ライブラリを使用して、アルミノケイ酸ナトリウム鉱物(sodium alumino-silicate mineral) を検索した例
データのアウトプット
CrystalDiffract を使えば、作業内容を自己完結型のドキュメントとして保存できます。これにより、次回プログラムを使用するときには、必要な情報にすばやく簡単にアクセスできるようになります。また、回折パターン全体、反射リスト、構造因子に加えて、結晶構造データを CIF または CMTX 形式でエクスポートすることも可能です。
CrystalDiffract には CrystalMaker と直接リンクして可視化できる機能もあります。シミュレートされたパターンを選択して Visualize コマンドを選択するだけで、CrystalMaker にその結晶構造が表示されます。
クロスプラットフォーム:純正仕様
CrystalDiffract には、Windows 64-bit 版と macOS 64-bit 版の 2 つのバージョンが用意されています。Mac 版でも Windows 版でも、読み込み可能なドキュメントに違いはなく、ほぼ同じ機能が装備されていますので、クロスプラットフォームでの作業や共同作業を容易に行うことができます。2 つのバージョンは、それぞれのオペレーティングシステムのために全くのゼロから構築されたもので、 Windows アプリケーション、Mac アプリケーションとして 100% ネイティブの純正です。これにより、システムとの統合、パフォーマンス、ユーザビリティ、デザインの美しさがそれぞれの環境で最大限発揮されます。
製品仕様
ファイルのインプット
ライブ回折、ドラッグ&ドロップ
CIF :多構造ファイルを含む (多構造の場合、各構造は同一ウィンドウ内に個別の回折パターンとして表示)
STRUPLO
CMTX :CrystalMaker テキストファイル。人が読んで簡単に分かる形式で、CIF よりずっと安全
CMDF :CrystalMaker 7-9 Document
CMDX :CrystalMaker 10-11 Document
ダイレクトシミュレーションリンク :CrystalMaker のメニュー Transform > Powder Diffraction コマンドを経由
XY (スペース区切り) テキストファイル
CSV テキストファイル
Rigaku-Scintag ASC 回折計ファイル
回折シミュレーション
X 線、中性子、電子線
一定波長 X 線回折 (実験室で使われる従来型の線源) 強度 (Intensity) は 2θ、d-間隔 (格子面間隔)、1/d または Q-間隔 (2π/d) の関数であらわされる。
一定波長中性子回折 (反応炉の中性子源など) 強度は 2θ、d-間隔 (格子面間隔)、1/d または Q-間隔 (2π/d) の関数であらわされる。
一定波長電子回折 (透過型電子顕微鏡の粉末連鎖など) 強度は 2θ、d-間隔 (格子面間隔)、1/d または Q-間隔 (2π/d) の関数であらわされる。
エネルギー分散型 X 線回折 (シンクロトロン線源) 強度はエネルギー、d-間隔 (格子面間隔)、1/d または Q-間隔 (2π/d) の関数であらわされる。
時間飛行型中性子回折 (中性子破砕源) 強度は飛行時間、d-間隔 (格子面間隔)、1/d または Q-間隔 (2π/d) の関数であらわされる。
シミュレーション装置 (Instrument)
バーチャル回折計
波長 :角度分散型回折
検出器の 2θ 角度 :エネルギー分散型、および、時間飛行型シミュレーションで使用
中性子飛行経路 :メートルを単位とする総距離。時間飛行型シミュレーションで使用
ピークプロファイル :ローレンツ、ガウス、疑似フォークト (変数イータ)、デルタ
計測器のピークの広がり :一定波長および EDX シミュレーションにおいては一定値を指定。時間飛行型中性子回折においては指定した装置の解像度 (Δd/d) に基づいて変数が広がる
ゼロ補正 と強度オフセットおよび尺度因子:実測データセットで使用
バックグラウンド関数 :コントロールポイントを編集する直観的な方法でバックグラウンド関数を簡単に指定。指定したバックグラウンドはオンとオフをいつでも切り替え可能
対数モードによる強度表示 :強度の尺度は線形 (デフォルト) または対数 (Logarithmic) のいずれかを使って表示可能。「フィルム」モードでは、フィルムのガンマパラメータをリアルタイムに調整して写真フィルムの応答をシミュレーション可能
サンプル
バーチャル粉末サンプル
結晶構造のフル制御 CrystalDiffract には、結晶構造を完全に制御できる機能を装備。空間群対称操作、格子定数、非対称単位におけるサイトの分率座標、サイト占有率 (1サイトあたりの占有数は無限)、等方性および異方性原子変位パラメータ (熱振動楕円体) を制御可能。
格子定数のリアルタイム制御 Parameters リストのスライダーとテキストコントロールを使用して、格子定数 (cell parameter) と格子体積 (cell volume) をリアルタイムに調整可能。構造上の歪みや変異型相転移の効果をシミュレーションするのに最適。
サイト占有率のリアルタイム制御 Parameters リストのスライダーとテキストコントロールを使用して、サイト占有率をリアルタイムに調整可能。1つのサイトに割り当てできる要素数は無制限で、パラメータリストの Add または Remove コントロールを使用するだけで、置換型無秩序 (substitutional disorder) の効果をシミュレーション可能。精密なサイト構成は、Zero Occupancies コマンドを使用し、Parameters リストにある Occupancy リストで個別の値を入力して設定。
変位パラメータのトグル制御 Parameters リストにあるチェックボックス・コントロールを使用して任意のサイトの熱パラメータを有効または無効に設定。原子変位パラメータの強度全体への寄与を調べるのに適した手段。
サイズの広がり (Size Broadening) ピーク幅に対する等方性粒子サイズの広がり補正。
歪みの広がり (Strain Broadening) ピーク幅に対する等方性歪み比率の広がり補正。
優先配向 サンプルジオメトリの選択:板状結晶またはキャピラリーの針状結晶。 配向の角度は、重み付き(一定のサンプルの)March 係数補正を仮定したシミュレーションで、連続的に変更可能。
多相混合物 (Multi-Phase Mixtures) CrystalDiffract では、任意の回折ウィンドウに任意数の混合物を定義可能。混合物には、1つまたは複数の成分をその混合グループにドラッグするだけで追加することが可能。混合物の各成分は、Parameters リストにある Mixture グループ内のスライダーコントロールを使ってリアルタイムに調整可能。混合物の合計を固定したり、全成分に対する割合をテキストフィールドに入力しても設定可能。
表示オプション
実測パターンおよびシミュレーションパターンの表示方法をカスタマイズ
パターンの表示/非表示 チェックボックスコントロールで切り替え可能。
パターンの並び替え Patterns リストでパターンをドラッグ&ドロップするか、Patterns メニューの整列コマンドを使用してプロットの順序を変更可能。パターンは、Patterns List Actions メニューを使って次の条件でそれぞれ並び替えることも可能:タイトル、カラー、表示法、種類 (シミュレーション、混合物、測定) など。
パターンの積み重ね表示 “Graph” モードで、ツールバーおよびメニューコントロールを使用 (Collapse コマンドも使用可能)。
反射のラベル付け ラベルのタイプ、スタイル、カラーを選択可能。相対強度閾値の最小値を指定することによって弱い反射へのラベル付けを制限するオプションも用意。ラベルに表示できる内容:hkl、d-間隔、X 値、相 (構造の状態) の名称 (または無し)。オプションで、ラベルの回転、矢印/目盛の表示、および位置 (画面の上または下、あるいは、各プロファイル上にフローティング表示) を設定可能。
ピークプロファイルの重ね合わせ シミュレーション内の個々の反射のピークをそれぞれ重ね合わせて表示可能。複雑な回折プロファイルにおいて、重なりの影響を明らかにしたい場合に有効。
グラフのプロットスタイル プロファイルのラインスタイル (実線、破線、点線、非表示)、ライン幅、カラー、シャドウ、塗潰し (fill-from-zero) など豊富なコントロールを用意。オプションによるデータマーカー (各種スタイルやサイズをコントロール可能) の表示 (Patterns List Actions メニューから、スペクトルの色付けとリセット機能を含む自動パターン色付けオプションを利用可能)。
フィルムスタイル CrystalDiffract は、”Film” シミュレーションを表現する多数のカラースケールを装備。装備されているテーマは、従来型のネガフィルム (Negative) やポジフィルム (Positive) に加え、スペクトル (Spectrum)、ファイヤー (Fire) およびアイス (Ice) 等。シミュレーションされたフィルムのガンマ応答はリアルタイムに調整可能。ガンマ値を高くすると、強い反射を存在させながら弱い反射を目立たせることが可能(写真における非線形の強度応答曲線と同じ)。
操作性
マルチタッチ等の制御機能
水平スクロール マウスでクリック&ドラッグするか、トラックパッドを使って二本指で水平方向にスライドするジェスチャーを使用。ツールバーのスクロールボタンの左右の利用も可能。
強度 (Intensity) の縮尺 マウスホイールを使うか、トラックパッドで二本指を使って縦方向のスライドジェスチャーを使用。ツールバーで Autoscale Y ボタンを利用しても可能。また、カスタマイズして強度縮尺ボタンをオプションにより追加可能。
範囲 (X 軸) の縮尺 ツールバーのズームボタンを使用するか、トラックパットで直観的に「ピンチトゥーズーム」(二本指で拡大縮小) ジェスチャを使用。ツールバーの Autoscale XY ボタンの利用も可能。
専用拡大ツール クリックで拡大 / シフトクリックで縮小。クリック&ドラッグで “ズーム矩形 “を定義し、正確な範囲とスケールコントロールが可能。
計測機能
画面上でインタラクティブに実行
カーソルツール ディスプレイ、d-間隔、および、強度をクリック&ドラッグします。
定規 (Ruler) ツール 任意の距離 (および強度) を測定することができます。画面上の範囲をマウスでクリック&ドラッグするだけです。正確な位置を指定するには、垂直および水平カーソルを使用します。コンテキストメニューには、半分の高さへの再配置 (半値全幅のピーク幅の測定に便利)、距離および強度の値のコピー、および定規の外観のカスタマイズ用コマンドが用意されています。
ピークチップス マウスの動きに応じて反射を識別。チップスを展開すれば回折データの全ての内容を表示可能。ハイライトされた反射をダブルクリックすると、Reflexions リストにその内容が表示される。
検索 メインウィンドウの Search フィールドに面指数を入力することで任意の反射に素早く移動可能。
ピークファインダー 観測された最も強い反射を (カスタム設定した限界まで) 自動的に検出。統合された強度が測定され、Reflexions リストにピーク位置とともに表示される。
表示と並べ替え Reflexions リスト (メインウィンドウに表示可能) にリストされた反射の任意の行をダブルクリックすると、対応するピーク位置がグラフィックペインに表示。
データ処理
実測データの変換
X 値の変換 例えば、飛行時間型データをマイクロ秒からミリ秒に変換。
相対的な強度の縮尺 リアルタイムに調整し、実測強度の縮尺とシミュレーションの縮尺とを一致させることが可能。Parameters リストにある Position & Scale グループのチェックボックスを選択すれば自動的にこれを実行させることができますが、リアルタイムのスライダーとテキストコントロールを使用することで細かい調整が可能。
水平および垂直方向のオフセット Parameters リストのコントロールを使ってリアルタイムに調整可能。
データのスムージング Parameters リストの Smoothing コントロールを使用して、ノイズの多いデータをリアルタイムにスムージング。変更の前後で内容は保持されるため、いつでも好きな時にオンとオフを切り替え可能。スムーズ結果は調整を加えるたびにプレビュー可能。
バックグラウンドの差し引き Parameters リストの Background グループにあるリアルタイム調整を使用してバックグラウンドを差し引きます。複雑なパラメータ化に頼ったり、(反射を除いた)データ領域しか曲線のあてはめができない他のプログラムとは異なり、CrystalDiffract は、はるかに直観的なアプローチを使います。ベジェ曲線のコントロールポイントを使用して、バックグラウンド関数をクリック&ドラッグするだけで定義します。バックグラウンドの差し引いた結果はリアルタイムにプレビューできます。バックグラウンドの差し引きは簡単にオンとオフを切り替えることができます。複雑でマルチソースのバックグラウンドが寄与する高密度に充填されたデータセットを取り扱う様々な場面で利用できるすばらしいソリューションです。
Phase ID
包括的な回折検索
統合回折データベース (~500,000 エントリ), Crystallography Online Database (COD) から作成
候補相を瞬時に同定
公開データをブラウズ
計算されたピークの重ね合わせ
COD による完全なシミュレーションパターンのロード
リートベルト法による精密化
素早く簡単に
多相対応
一定波長および二波長 XRD
一定波長および飛行時間中性子
洗練されたバックグラウンドシェーピング (チェビシェフ多項式、最大 13 項)
結晶系と空間群から精製可能なパラメータを自動的に決定
完全自動の精密化モード、(手動) 精密化サイクルのオプション
サイクルの取り消し / やり直しは無制限
精密化中にプロファイルタイプとフィッティング範囲を変更可能
異方性温度因子制約
等方性温度因子の等価制約オプション
減衰パラメータのオプション
適合度メトリクス付き軌跡ウィンドウ
色分けされたインタラクティブな相関行列
データのアウトプット
シミュレーションと実測
反射リストの内容 画面上にソートされたミラー指数、d-間隔、X 値、強度、相対強度 (%)、多重度、N 値、Lp (ローレンツ-偏光) 因子
高解像度のプロファイル xy テキストファイル
構造因子 (Structure factors) ミラー指数、d-間隔の位相角 (°)、ローレンツ-偏光因子、構造因子 (F) の実数部と虚数部、強度
結晶構造 のエクスポート CIF および CMTX テキスト形式
結晶構造を CrystalMaker でダイレクトに可視化 するためのリンク 任意のシミュレーションパターンを選択し、Pattern メニューから Visualize コマンドを選択するか、Pattern リストのコンテキストメニューを選択するだけ。
計算されたプロファイル 縮尺、オフセット、スムージング、バックグラウンド差し引きの全ての変更内容を含む。
グラフィックのアウトプット
高解像度アートワーク
コピー グラフィックをクリップボードにコピーするには、右クリックでコンテキストメニューを表示し、Copy Graphics コマンドを選択
ドラッグ&ドロップ グラフ境界の外側をグラフィックペインでクリックし、半透明のイメージを送り先のグラフィックプログラムへドロップ
ファイルに保存 ベクトル (Mac では PDF, Windows では WMF) または Pixel (PNG, TIFF, JPEG 等) に保存可能 。右クリックでコンテキストメニューを表示して Export Graphics コマンドを選択するか、File > Export > Graphics を選択
印刷機能 高解像度で回折パターンを印刷
サポートオプション
CrystalMaker 社が提供するサポート
クイックスタートチュートリアル :サンプルファイル同梱
ユーザーガイド :検索可能な PDF 形式の図解ガイド
テクニカルサポート :登録ユーザー様向け
インクリメンタル更新 :ライセンスの有効期間中、無料で提供 (“.1” および “.0.1” リリース等)
動作環境
CrystalDiffract 7 を CrystalMaker と連動して利用する場合は、CrystalMaker 11 が必要です。
Mac 版
対応 OS
macOS 26 “Tahoe” 推奨
macOS 15 “Sequoia”
macOS 14 “Sonoma”
macOS 13 “Ventura”
macOS 12 “Monterey”
macOS 11 “Big Sur”
macOS 10.15 “Catalina”
macOS 10.14 “Mojave”
ハードウェア (UNIVERSAL BINARY)
Apple Silicon または Intel Mac (macOS 10.14 以降対応)
HDD: 1 GB 以上
RAM: 8 GB 以上
Mac インストール時の注意事項
管理者ユーザー (Admin User) としてインストールしてください。 他でインストールすると、Permission エラーが発生する可能性があります。
ネイティブ対応 :CrystalDiffract は、macOS 26 “Tahoe” (“Liquid Glass” インターフェース搭載) 以降から macOS 10.14 “Mojave” までのあらゆる Mac で「箱から出してすぐ」動作するよう設計されています。単に「動作する」だけでなく、最新の M シリーズ Apple Silicon プロセッサだけでなく、旧式の Intel ベースのプロセッサ上でもネイティブに動作します。
Gatekeeper Alert :CrystalDiffract はコード署名され、公式に認証されたアプリケーションであり、Mac のセキュリティを最大限に高めるよう設計されています。ただし、CrystalMaker と安全に連携させるには、初回起動前に必ず CrystalDiffract を /Applications フォルダにコピーしてください。これにより macOS “Gatekeeper” が CrystalDiffract を潜在的なセキュリティ脅威と判定するのを防げます。 また、CrystalMaker も Gatekeeper 準拠の方法でインストールされていることを確認する必要があります。つまり、CrystalDiffract と CrystalMaker の両方をダウンロードし、解凍した後、どちらかを起動する前に、コンピュータ上の別の場所 (理想的には /Applications ) に物理的に移動させる必要があります。
Windows 版
対応 OS (64-bit のみ)
Windows 11 推奨
Windows 10
Windows 8
Windows 7
.NET Framework 4.8 以降
ハードウェア
Windows 7 以降が動作する 64-bit PC (32-bit では動作しません)
HDD: 1 GB 以上
RAM: 4 GB 以上
Windows インストール時の注意事項
普段使用しているユーザーアカウントでログインし、ご自身向けにソフトウェアをインストールしてください。 管理者ユーザーとしてソフトウェアを使用する場合を除き、管理者ユーザーとしてログインしてソフトウェアをインストールしないでください。(デフォルトでは、ソフトウェアはアクティブなユーザーのみ向けにインストールされます。インストールプロセス中に管理者パスワードの入力が求められます。)
インストール中は “OneDrive” を無効にしてください。 Microsoft OneDrive を使用中にパーミッション関連のエラーが発生したとの報告が寄せられています。また、”Webroot” アンチウイルスパッケージに問題が生じたケースも数件確認されています。これらはいずれもシステム関連の課題です。インストール中にエラーが発生した場合は、インストール作業中は “OneDrive” を無効にしてください。インストール完了後、再度有効化できます。
“Webroot Anti Virus” を無効にしてください。 Webroot Anti Virus の最新リリースを使用しているユーザーから偽のエラーが報告されています。CrystalDiffract をインストールする間、このソフトウェアを無効にしてください。その後、ベンダーのウェブサイトにアクセスし、その指示に従って CrystalDiffract を許可されたアプリケーションのリストに追加してください。
ファイアウォール除外ポリシーをオフにしてください。 CrystalMaker ソフトウェア製品は、CrystalMaker 社のウェブサーバーと通信できる必要があります。通信が阻害されると、製品が動作しなくなる可能性があります。これは、アップデートのチェックとライセンスの検証の両方に必要です (例えば、ハッカーや盗難/クラックされたソフトウェアのユーザーは、ファイアウォールの背後に隠れることが知られています)。 CrystalMaker 社製品とウェブサーバーとの通信を妨げるようなファイアウォールポリシーが設定されていないことをご確認ください。
ライセンス
ライセンス区分ごとの使用権やインストール可能台数等について、詳細は CrystalMaker ライセンス をご覧ください。
ライセンス区分 使用権 使用可能な製品 対応プラットフォーム 期間 Personal [個人向け] 1 名 (固定ユーザー) CrystalDiffract Mac または Windows (固定) 無期限 Small Group [大学/企業の研究室向け] 最大 10 名 (固定ユーザー) CrystalDiffract Mac または Windows (固定) 無期限 Large Group [大学/企業の研究室向け] 最大 20 名 (固定ユーザー) CrystalMaker CrystalDiffract SingleCrystal Mac Windows 年間 Site (Small/Medium/Large) [大学のキャンパス、 研究所、企業の施設等] サイト単位で使用可能 CrystalMaker CrystalDiffract SingleCrystal Mac Windows 年間 Classroom 講義の一環として 教室で学生のみが使用可能 CrystalViewer Mac Windows 年間 ● 複数のグループ間でソフトウェアを共有する場合は、Site ライセンスをご購入ください。 ● Site ライセンスはサイトの人数によって Small / Medium / Large の 3 タイプに分類されます。 ● Large Group ライセンス、Site ライセンスの価格は CrystalMaker 製品価格 をご覧ください。
サポート
Perpetual (無期限) ライセンスの場合 ご購入時のバージョンで、無期限にご使用いただけます (ご購入時の環境における動作を保証)。本製品のサポート (インストーラー提供を含む) は、最新バージョンに対してのみ提供されます。
Annual (年間) ライセンスの場合 ご購入時のバージョンで、1 年間ご使用いただけます。有効期間中にバージョンアップグレードがあった場合は、更新時に最新バージョンが提供されます。
サポート情報は、CrystalMaker 社製品サポート情報 をご参照ください。
旧バージョンの CrystalMaker と連携すると、CrystalDiffract が動作しない場合があります。 対応状況については 動作環境 をご確認ください。
トライアル
製品価格
製品名 税込価格 Personal ライセンス (無期限) CrystalDiffract 7 Mac Personal ¥ 160,600 CrystalDiffract 7 Win Personal ¥ 160,600 CrystalDiffract 7 Mac Personal 教育用 ¥ 107,800 CrystalDiffract 7 Win Personal 教育用 ¥ 107,800 Small Group ライセンス (無期限) CrystalDiffract 7 Mac Small Group ¥ 407,000 CrystalDiffract 7 Win Small Group ¥ 407,000 CrystalDiffract 7 Mac Small Group 教育用 ¥ 257,400 CrystalDiffract 7 Win Small Group 教育用 ¥ 257,400 ● 製品はダウンロードによるご提供となります。マニュアルは英語電子マニュアルです。 ヒューリンクス製『ユーザーガイド 日本語版』(PDF 形式) が付属します。 ● ご購入の際はエンドユーザー様の「ユーザー情報確認書 」 ( PDF / Excel ) が必要です。
CrystalDiffract 7 へアップグレード可能なバージョン
アップグレード前の製品と同じ OS / ライセンス区分にのみアップグレードできます。 上記より前のバージョンをお持ちの場合は新規でのご購入となります。
旧バージョンの CrystalMaker と連携すると、CrystalDiffract が動作しない場合があります。 対応状況については 動作環境 をご確認ください。
ライセンス区分ごとの使用権やインストール可能台数等について、詳細は CrystalMaker ライセンス をご覧ください。
ご希望のライセンス区分 (Personal / Group) と OS (Mac / Win) を製品補足情報欄にご記入ください。
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