連晶の形態と対称性を計算し表示する
SHAPE は、単結晶、双晶およびエピタキシャルやその他の連晶の形態と対称性を計算し表示するソフトウェアです。プログラムの基礎をなす数学的理論は、The American Mineralogist (1980, V65, p.465)に論文が発表されました。
SHAPE の描画
- SHAPE は、すべての単結晶と双晶およびエピタキシャル混晶のほとんどを描画できます。描画に必要なのは結晶軸の長さと角度、晶族の記号、および各形状の一つの面（対称に相当する集合）を入力するだけです。結晶は、回転させたり拡大させたりできます。また、結晶とともにステレオネットを表示させたり、ステレオペアの描画も自動的にできます。
- 準結晶と結晶断面/生長ゾーン(sections and growth zone) を作成できます。準結晶は、結晶と形状が似ていますが、その構造が二十面体のような非結晶学的対称となっています。SHAPE には、対称群のあらゆる点のためデカルト座標の対称行列を作成する補助プログラムが付属します。五角形と二十面体の群の行列はあらかじめ用意されています。
- SHAPE は、あらゆる結晶の方向や深度から断面を描画できます。さらに、結晶断面の結晶生長モデリングのために、任意の時間間隔で断面を連続描画することができます。各形状の生長速度は、時間を一定にすることも、一般指数の生長率方程式を利用こともできます。これは双晶の成長、エピタキシャル混晶、および、非依存型結晶の混晶のモデルに利用されます。
- すべての形状で対称性を維持した線の描画ができます。表面の大きさを元に決定される中心距離は、マウスを使用してインタラクティブに変更できます。アナグリフ（二色のステレオペア）モードでは、標準的な赤・緑めがねを使って三次元による可視化が可能です。表面は、数値や文字列を使ってラベリングできます。
クリソベリル（金緑石）
磁鉄鉱上の赤鉄鉱
結晶作成例
開発元：Shape Software
機能一覧
結晶データの作成
個々の結晶を描くには、結晶族 (crystal class,)、単位格子 (unit cell) パラメータ、およびそれぞれの結晶形の 1つの面の指数と中心距離を入力するだけです。
結晶の画像は回転させたり、並進させたり、大きさを変えることができ、自由に結晶軸を付け加えることもできます。中心距離はそれぞれの結晶形の隆起（領域）を決めるものですが、それは、Donnay-Harker の形態学の「法則」を用いて単位格子と空間群からも導くことができます。
結晶の表示法
結晶は、通常の方法で回転させたオルソ投影法（クリノグラフ投影法と同じ）またはオルソ投影法「そのもの」で表示されます。また、面と結晶軸の極 (pole) を表示するステレオネットと合わせて表示することもできます。マウスカーソルを使って、可視な面ならどれでも表示させることができます。どの面にも色を塗ったり（カラーディスプレイを使っている場合）、ドットシェードパターンをつけることができます。結晶全体はカラーまたはモノクロで陰影をつけることができます。画像の立体ペアは、左右に独立した画像として、または重ね合わせたアナグリフ（2色）として描くこともできます。OpenGL システムソフトウェアを使う 3D モードでは、面を透明にするなどの多くの特殊効果が利用できます。3D 表示モードでは対称要素（回転軸と鏡像面）を表示することができます。
- それぞれの面の中心距離、すなわち大きさは画面上でマウスをクリックで変えることができます。
- 単結晶を生成したあと、それを回転したあとでも、その結晶はいくつかの方法で双晶 (twin) にすることができます。多結晶集合体などのほとんどの種類の双晶が可能です。同様に多結晶集合体などのエピタキシャル連晶も描画することができます。結晶内の稜と各もすべて描くことができます。また不必要な線は画像から削除して、完璧な最終バージョンを作ることができます。
- 結晶の切断面は、どの方向にでもどのレベルでも表示することができます。成長ゾーニングは、非線形成長速度を用いたり、多結晶に異なる開始時間と終了時間を用いて、切断面にすることができます。非結晶学対称性を使って準結晶を描画することもできます。
結晶データの出力
描画のハードコピーはいくつかの方法で作ることができます。画面の画像はドットマチリックスプリンタまたはレーザープリンタで出力することができます。実際にはこういったプリンタの解像度が高ければ、画像の解像度は画面上よりも高くなります。通常のペンプロッタで出力することも可能です。最後に、ペンプロッタや適切なドットプリンタが使用不可である場合は、角の座標や他の情報をリストして、手作業で描画することもできます。
- 旋回ムービー
- Rotation メニューから、動画ファイルを Windows では AVI 形式で、Macintosh では MOV 形式で書き出せます。これらのファイルは、一連のビットマップ（ラスタ）画像によって構成されます。
- POV-Ray ファイル
- POV-Ray は、可能なすべての光線の経路をピクセルごとに計算し 3D 画像を描画するプログラムです。SHAPE の 3D モードで利用される OpenGL ソフトウェアと比較してより精密な照明効果の実現が可能です。陰影と反射は特徴的な効果ですが、その他にも多くの機能があります。背景や他のオブジェクトを追加できます。ファイルの形式は ASCII テキストになっており、編集することも可能です。
- PostScript
- プリンタドライバを経由して直接 PostScript プリンタに出力するか、または EPS ファイルとして書き出します。
- Pen Plot
- ペンプロッターに出力するか、HPGL ファイルとして書き出します。
- Raster File
- ラスタ又はビットマップファイルとして、PNG (Windows ではこの他に *.BMP、*.PCX、*.TIF ) 形式で書き出します。
- Metafile (Windows) or PICT (Macintosh)
- クリップボードまたはディスクファイルとしてファイルを書き出します。
- Save Graphics Window
- Graphics ウィンドウに表示されたそのままの内容をクリップボード又はラスタファイルとしてダンプします。
- VRML
- VRML （3D Virtual Reality Modeling Language） 形式に書き出します。
SHAPE ライブラリ
サンプルデータ
画像をクリックすると拡大図をご覧になれます。SHAPE をお持ちの方は元データをダウンロードしてご覧になれます。
元データ：Jonvill6b.shp
元データ：philip.shp
元データ：pyrite.shp
元データ：tourm.shp
結晶ライブラリ集（オプション）
オプションの結晶ライブラリには、メインコレクション (700種以上) と追加コレクション (200種以上) が用意されています。収録データは、19世紀に P. Groth によって設計され F. Krantz によって販売された歴史的な木製結晶模型コレクションに基づいています。Ulrich Burchart がこれらを忠実に電子化 (*.SHP 形式) しました。
（743例）
SHAPE 用の結晶ライブラリィ第一巻（743例が収録されています）。硫銀鉱、水砒亜鉛鉱、エジリン輝石、曹長石、褐簾石、ミョーバン石、鋭錐石などの結晶モデルをベースにした700以上の無機化合物結晶
（213例）
SHAPE 用の結晶ライブラリィ第二巻（213例が収録されています）。エニグマタイト、褐簾石、ミョーバン石、鋭錐石、硫銀ゲルマニウム鉱などの結晶モデルをベースにした200以上の無機化合物結晶
読み込み可能なファイル形式
アップデート情報
各アップデート情報は こちら をご確認ください
動作環境
SHAPE 7.4 動作環境
Windows
- Windows 10/11 (※ 製品は 32 bit アプリケーションのため、64 bit 環境に最適化はされておりません。)
- OpenGL quad-buffering または Microsoft Direct3D (DirectX) 対応。
トライアル
デモ版お申込み
製品価格
製品価格
| 製品名 | 税込価格(円) |
|---|---|
SHAPE Win v7.4 | ¥ 14,850 |
SHAPE Groth-Krantz ミネラルライブラリ I | ¥ 8,250 |
SHAPE Groth-Krantz ミネラルライブラリ Ⅱ | ¥ 8,250 |
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