GWB 10 で追加された機能
GWB の最新リリースには、モデリング作業を効率化する強力な新機能が装備されています。GWB9 をお使いの方も、それ以前のリリースをお使いの方も、 GWB10 にアップグレードすることによってどんな研究室にも欠くことのできない機能が提供されます。
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- 移動性コロイドによる輸送。
- 全てのツールを一箇所にまとめたダッシュボード。
- 熱および表面データのためのグラフィカルエディタ。
- GSS スプレッドシートのアンドゥ・リドゥ機能。
- 球 (Spherical) および軸対称 (axisymmetric) の座標。
- 非定常 (Transient) の媒体および流体特性。
- ターボスクリプティングによる速度則評価の速度向上。
- MATLAB との連携。
- ネイティブ 64 bit バージョンの最適化。
- Windows 8 との親和性。
- その他多数の改善。
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移動性コロイド (Mobile colloids)
コロイドの移動は、放射性核種、重金属、その他の汚染物質の輸送を理解する上で重要なベクトルとなるものです。GWB を使えばこれらを簡単に取り扱うことができます:
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- 錯体を形成する任意の表面をコロイドとして構成することができます。
- コロイドとその表面錯体を移流 (advection) や分散 (dispersion) によって移動させることができます。
- ユーザーが用意した関数に従って、コロイドの移動度を時間および空間的に変化させることができます。
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熱力学データセットエディタ TEdit
TEdit は、熱力学 (thermodynamic) および表面反応 (surface reaction) データセットを作成したり編集するために GWB に用意されたグラフィカルエディタです。
データの入力と削除
熱化学データセットの内容が膨大であってもそれに屈することはありません。TEdit を使えば以下のことが可能になります。
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- 新規化学種をステップバイステップで追加できます。
- 反応と log K (平衡定数) を文献の記載どおりに直接入力できます。
- ビリアル係数のクロスチェックに guesswork (当て推量) を選択できます。
- データ全体の並び替えにフィルタを使用することができます。
- 手に負えないほど大きなデータセットは、すばやくトリムしてサイズを小さくすることができます。
ある熱データセットに入力されたデータを別のデータセットへコピー&ペーストすることもできます。 |
反応式と log K の再計算
TEdit を使えば、棚上げしていた面倒な作業も素早く透過的に実行できます。
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- Swap (交換) を使って反応の釣り合いを取り直すことができます。
- log K の値を自動的に再計算することができます。
データセット内にある第1および第2化学種の位置を交換することができます。交換できるのは以下のとおりです:
- 基本化学種 (Basis) と酸化還元種 (Redox species)
- 基本化学種と第2水溶性化学種 (aqueous species)
- 酸化還元種と第2水溶性化学種
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フレキシブルな酸化還元ピボット
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新しい熱データ形式では、酸化還元反応のカップリング方法を選択できるようになりました。自由電子反応を O2(g) または O2(aq) で記述する場合、
- 酸化還元カップリング反応の釣り合いに O2(g), O2(aq), または e- を使用できます。
H2(g) または H2(aq) に関する自由電子反応では、
- H2(g), H2(aq), または e- を使用できます。
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表面データセット
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吸着およびイオン交換データセットを素早く作成できます。
- Kd, Freundlich, および Langmuir 吸着モデル
- Gaines-Thomas、Vanselow、または、Gapon の定式を使用したイオン交換データセット
二重層表面錯体形成 (two-layer surface complexation) モデルを構築するためのロバストなオプション
- 静電効果の使用または不使用。
- 任意数の吸着サイトと鉱物。
- 単座配位子 (Unidentate) または多座配位子 (polydentate) の錯体
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非定常フィールド変数
非定常変数 (Transient field variables) は、空間と時間の両方について変化するフィールド変数の特別なクラスです。選択できる対象は以下のとおりです。
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- 流体と岩石の内部熱源と熱容量。
- 拡散係数、分散度、熱伝導率、および、浸透係数。
- 速度論的反応における活性化エネルギー、前指数因子、速度定数、比表面積、核形成面積、および、臨界飽和指数 (critical SI)。
- 停滞ゾーンにおける遅延係数、拡散係数、および、熱伝導率。
- コロイドの移動度。
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非定常フィールド変数の設定
非定常フィールド変数の設定は、不均一なフィールド変数を指定したり、カスタム速度則を定義する手続きと似ています。いずれの非定常フィールド変数についても次の手続きが必要です:
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- 方程式、BASIC スクリプト、スクリプトファイル、または、C/C++ 関数を用意する。
- “transient” オプションを有効にする。
React、X1t、および X2t は、シミュレーション全体の各タイムステップごとに各ノードブロックの非定常フィールド変数を評価します。 |