GWB 10 の新機能:

移動性コロイド

  1. Initial ペインでドメインの開始時点における流体の組成を指定します。

    初期系では、ごく微量の鉄イオン (HFO) と高濃度の Pb++ 、シミュレーションの開始と終了を指定しています。


  2. Inlet (入口) からドメインに流体を t = 0 から 10 years の期間投入します。

    水酸化鉄 (III) コロイド (ferric hydroxide colloid) をドメインに運ぶ入口流体。入口流体には、ごく微量の Pb++ を含めます。


  3. Domain ペインで、ドメインのサイズ、グリッド方法、流量を指定します。

    ドメインは、1 km 長、ノードブロック数 100 に分割しています。


  4. Medium ペインで物質輸送の各種プロパティを設定します。

    コロイドは移流 (advection) と分散 (dispersion) によって移動します。


  5. File > Open > Sorbing Surfaces... を選択します。

    任意数の吸着表面を追加することができます。

    FeOH.dat は、水酸化鉄 (III) の表面錯体形成データセットです。mobility (移動度) を 1 に設定して、HFO とその吸着質を移動性コロイドにします。

    mobility の値はユーザーが用意した関数に従って時間と空間で変化させることができます。
    Kd は、Pb++ と帯水層堆積物間の分配係数をあらわします。


  6. Config > Iteration を選択します。

    "sorbate include" にチェックを入れると、Initial ペインで定義した Pb++ の総濃度が溶液と表面の間で分配されます。

    Run > Go を選択して、このモデルを追跡します。


  7. 最初に、Pb++ は帯水層の不動性堆積物 (>Pb++) にほぼ全て吸着します。
    帯水層堆積物 (>Pb++) から排出した Pb++ が移動性コロイド表面 (>(s)FeOPb+) に吸着。
    水酸化鉄 (III) コロイドが帯水層の中を流体により輸送されます。