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Tecplot 360 2023 の新しい機能

過去のバージョンの履歴

2023 R2

Release Date: December 14, 2023
  • 2D ログプロットのサポートを追加
    2D プロットで対数スケーリングを使用するには、DependencyIndependent に設定されていることを確認し、Use log scale をトグルします。2D プロットで対数軸を使用する場合、ベクトルは描画されません。また、ジオメトリは対数スケーリングを使用して描画されないことに注意してください。

    プロット比較:線形でスケーリングした X 軸と Y 軸 (左側) と、対数でスケーリングした X 軸と Y 軸 (右側)。
    ”q” 変数 = X*Y

  • VTK ファイルローダーを更新 [Linux/Windows のみ]
    VTI ファイルおよび VTP ファイルの読み込みをサポートします。詳細はブログ記事 VTK file support in Tecplot products をご覧ください。
    Tecplot 360 に読み込まれた VTI。データ提供:https://sciviscontest2018.org


  • SZPLT ローダーの更新
    異なる変数セットを持つ複数のファイルを同時にロードできるようになりました。(例えば、サーフェスとボリュームのデータファイルを別々にロードする場合など。)

  • SZL Server を更新
    新しい Linux システム (Ubuntu 22 や RedHat 9 など) で生成された SSH キーをサポートします。

その他の更新と機能

  • PyTecplot 1.6.1
    • .szplt ファイルローダー関数 tp.data.load_tecplot_szl() を更新:
      異なる変数セットを持つ複数の SZL ファイルを追加し、結果として得られるデータセットが、デフォルトで 2 つのファイルで指定された全ての変数を含むようにしました。tp.data.load_tecplot_szl() のバグも修正されました (変数データを “名前順” ではなく “位置順” に追加してしまい、その結果、変数値が間違った変数名と関連付けられる可能性があった)。
    • 更新内容の詳細は PyPI changelog を参照してください。

バクフィックスと改良

  • Linux で Remote SZL File Loader アドオンがロードできない問題を解決。Tecplot 360 は起動時に OpenSSL の互換性をチェックします、互換性のあるシステムライブラリが見つからない場合、Tecplot 360 はインストールに含まれている OpenSSL ライブラリを使用します。このチェックにより、360 2023 R2 の初回起動時に時間がかかることがありますが、その後の 360 の実行には影響ありません。
  • TecIO アップデート:
    • TecIO ライブラリがアップデートされ、区分データを読み込む際の問題が解決されました。
    • TecIO ライブラリで、マルチセクション FEMixed ゾーンで tecFileWriterFlush() を呼び出すとクラッシュする問題を修正しました。
    • TecIO ライブラリで、区分グリッド/ソリューションファイルを書き込む際の問題を修正しました。
  • Windows でマルチスレッドコードが断続的にクラッシュする問題を修正しました。
  • 使用可能なシステムハンドルの数に関する Windows の制限により、多数のゾーン/変数を持つデータセットが読み込まれないという Windows のみの問題を修正しました。
  • Chorus: Tecplot Chorus File Crawler がアンダースコア “_” を含むファイルパスを解析する際の問題を修正しました。
  • キーフレームアニメーションは、Unicode ファイルパスでアニメーションファイルを開いて保存できるようになりました。アニメーションファイルの保存と読み込みを自動化する新しいマクロコマンドも追加されました。
  • CFDA 統合機能が、grid-order 1 のサーフェスおよびリニア FEMixed ゾーンで機能するようになりました。
  • セル中心の変数を持つサーフェスゾーンから抽出されたスライスが、抽出されたスライス上で正しくない変数値になる問題を修正しました。スライスを抽出するとき、Tecplot 360/Focus は結果の変数がノードに位置するようにデータを抽出します。つまり、Slice Details ダイアログの Contour タブで、スライスが Primary Value Flood を使用するように設定されていない限り、結果の変数はセル中心になります。サーフェスゾーンがセル中心の変数を持ち、スライスが Primary Value Flood に設定されている場合、サーフェスゾーンからスライスを抽出すると、抽出されたスライスのセル中心の値が正しくありませんでした。この問題は解決されました。以下の画像は、不正確な結果と修正された結果を示しています。
    360 2023 R1 の画像:オレンジ色の線 (セル中心のデータ) を緑色の線 (ノードデータ) と一致させ、2D プロットの散布点をセルの色と適合させる必要があります。

    360 2023 R2 の画像:Primary Value Flood 使用時のスライス抽出が修正されました。
    オレンジ色の線 (セル中心の値) は緑色の線 (ノードの値) とほぼ一致し、2D プロットの散布点はセルの色と厳密に適合しています。

  • 値のブランキングが有効で、選択されたフィールドマップがブランキングから除外されている場合にクラッシュする問題を修正しました。
  • 空白を含む AuxData を割り当てた VTU ファイルを読み込む際にクラッシュする問題を修正しました。

Python Version Support

Tecplot の Python サポートポリシーでは、最新バージョンと 2 つ前のバージョンの Python をサポートします。360 2023 R2 リリース時の正式サポート対象は、Python 3.10、3.11、3.12 です。

 

2023 R1

Release Date: August 10, 2023

高次要素への対応

  • CGNS, SZPLT, VTU ファイルから P2、P3、P4 要素の読み込みが可能です。

  • TecIO には、新しい FEMixed Zone Type を利用した高次要素を含む SZPLT ファイルを書き込むための新しい API が含まれています。CGNS ノード順序が期待されます。CGNS documentation をご参照ください。

  • 高次要素は、基底関数を用いて選択的かつ再帰的に細分化され、高精度な結果を提供します。

  • サブディビジョンの数は、プロットサイドバーの新しいオプションを使用して、フレーム単位で定義することができます。サブディビジョンのレベルが高いほど、より正確な結果が得られますが、より多くの RAM と処理時間を必要とします。

高次要素に Tecplot 360 を使用する利点

  • 出力ファイルが小さくなります。多くの高次要素コードでは、あらかじめ細分化されたグリッドを出力します。このため、シミュレーションの後処理を行わない領域であっても、ディスク上のデータサイズが大幅に増加します。Tecplot 360 は、関心のある領域(等値面やスライスの領域)のグリッドだけを動的に細分化するので、コードはより少ないデータを書き込むことができます。サブディビジョンの各レベルは、セル数の約 8 倍になります。

  • 同じ CGNS のデータでは ParaView より 20.8 倍高速です。 密度の等値面をプロットする場合、ParaView 5.10 では 125.8 秒かかりましたが、Tecplot 360 ではわずか 6.0 秒です。さらに、ParaView はサーフェスデータを細分化するだけなので、等値面は精密化されません。4 レベルのサブディビジョンでは、Tecplot 360 は 65.5 秒しかかからず、より正確な結果が得られ、しかも 2 倍近く高速です!


  • サブディビジョンのレベルが上がるほど、より正確な回答が得られ、特に線分抽出(下図の速度プロファイルなど)や、境界面のレンダリングに効果的です。


  • 一般に、等値面やスライスの定性的なプロットには低いレベルのサブディビジョンで十分です。高いレベルのサブディビジョンを行うこともできますが、違いを確認するのが難しいため、余分な精度に費やす必要はありません。


その他の更新と機能

  • PyTecplot 1.6.0: 混合有限要素ゾーンをサポート。高次有限要素のサポートを追加。更新内容の詳細は PyPI changelog を参照してください。

  • CONVERGE CFD から出力された CGNS データファイルが Tecplot 360 でサポートされるようになりました。新しい PyTecplot API: load_converge_cgns() を使用して、CONVERGE CGNS ファイルのロードを自動化することもできます。

  • グーローシェーディング(スムーズシェーディング)が、セル間の鋭角(折り目)を考慮するようになり、レンダリングが改善されました。折り目の角度は Edge Details ダイアログで調整できます。2022 R2 の挙動に戻すには、折り目の角度をゼロに設定します。

     



バクフィックスと改良

  • ロードバランサーと組み合わせたネットワークライセンスサーバーに関連するライセンスの問題を修正しました。クライアントマシンに「ライセンスサーバへの接続が失われました」というメッセージが表示され、5-10 分後にライセンスサーバへの接続が回復するという問題がありました。
  • ソリューション時間値を .vtu ファイルに割り当てる問題を修正しました。TimeValue で識別される vtu データファイルの時間情報が読み込まれ、Tecplot 360 に読み込まれたときに、ソリューション時間値を適切に割り当てるために使用されるようになりました。
  • ASCII ファイルが無効な変数共有リストを書き出す問題を修正しました。ユーザーが共有変数を作成し、この変数と追加の変数を書き出した場合、そのファイルをロードしようとするとエラーが発生していました。
  • いくつかの Plot3D ファイルの渦コアを抽出するときにクラッシュする問題を修正しました。

360 2023 R1 における HOE データの既知の問題点

  • 導関数計算および勾配計算(Q-Criterion、Velocity Gradientなど)が実装されていないため、クラッシュすることがあります。
  • P3 要素にはセル間の不連続性があり、スライスに穴が開いたり、ストリームトレースが早期に終了したりすることがあります。
  • FEMixed(別名 HOE)ゾーンから等高線を抽出すると、クラッシュが発生します。
  • FEMixed(別名 HOE)ゾーンからブランクゾーンを抽出すると、クラッシュが発生します。
  • FEMixed ゾーンを使用した 2D プロットで正確な値のブランキングを行うと、制約境界に沿ってメッシュラインが正確にトリミングされません。
  • スクリプトコマンドの Extract Connected Regions は FEMixed ゾーンで機能しません。
  • Combine Zones アドオンは FEMixed Zone をサポートしていません。
  • HOE サブディビジョンレベルの数を変更すると、サーフェス制限のあるストリームトレースが消えてしまうことがあります。これは、曲率が追加されると、XYZ シードポイントの位置がサーフェスと一致しなくなることがあるためです。ストリームトレースを削除して、再度シードする必要がある場合があります。

 


関連情報:Tecplot 360 Release Notes, Tecplot 360 Features Over Time