1.9 GI ノートブック

GI ノートブックは、次に示す3つの役割を担うよう設計されています:

GI ノートブックは、解析出力の格納場所となることに加え、研究用ノートブックとしての用途を高める特別な機能を備えたワードプロセッサとしての役割も担います。GI ノートブックのバックグラウンドテキストは、実験のストラテジーを考察したり、実験結果に関する内容を記述するのに利用します。テーブルを使用すると、便利で即座にアクセスできる方法で繰り返し使用するデータ (ゲル上のレーン、バッファレシピ、アッセイの設定内容など) をセットアップすることができます。

GI ノートブックは条件付きテキスト (Conditional text) を利用することができます。これは、テキストの表示と非表示を状況に応じて切り替えることのできる特殊な「スタイル」です。条件付きテキストは、ポスターをデザインするときは表示させたくない記述内容、すなわち、考察の主題から外れた情報を付けるのに利用することができます。

GI ノートブックのドローツールとテキストツールは、ポスターやプレゼンテーション用のスライドを組み立てるのに利用することができます。GI ノートブックシートのサイズは、プリンターページサイズの制限を受けませんので、特定の用途に合わせて設定することができます。ポスター用に 16 x 20 inch のパネルが必要であれば、シートのサイズを 16 x 20 に設定し、必要に応じてテキストのカラム数を定義します。

a. エイリアスは、ノートブック内の別な位置に簡単に移動するのに利用することができます。ハイパーテキストリンクもこれと同様にドキュメントの内部を非線形に (それが書かれた順番とは無関係に) 移動することができます。リンク (エイリアス) をたどることで、関心のある情報をいつでも求めることができます。

ブックマークエイリアスを使えば、GI ノートブック内の移動を簡単にすることができます。ブックマークは、GI ノートブック内の位置を特定するもので、任意の GI ノートブックオブジェクトに付けることができます。いずれのブックマークも Notebook メニューにその名称が表示されます。エイリアスは、Finder のエイリアスと同様に機能します。GI ノートブック内に配置された任意のオブジェクトに対するハイパーテキストリンクa としての役割や、ノートブックウィンドウには直接表示されない付録 (Appendix) オブジェクトや異なるノートブックにあるオブジェクトへのリンクとして使うことができます。

GI ノートブックの出力オブジェクトは、いずれも、解析を再計算する開始点として利用することできます。解析で使用された元のパラメータは、いずれも、解析出力オブジェクトと一緒に保存されます。出力オブジェクトはコピー&ペーストすることができるので、ある解析のコピーを複数作成し、そのパラメータを少しだけ変えて再計算したあと、それぞれの結果を並べて見比べることができます。ホットリンクを解析に指定すると、解析対象のシーケンスを変更する度に、その結果を自動的に更新させることができます。

あらかじめ用意されているドローツールに加え、ツール拡張 (tool extensions) と呼ばれるユーザー自身で定義できるツールを使えば良く使用するオブジェクトを簡単に登録することができます。ツール拡張には、グラフィックオブジェクト、解析、テキスト、テーブルを含めることができます。これによって、情報の整理と表現の自由度が大いに高まります。とてもパワフルな「スクラップブック」として利用することができます。

付録 (Appendix) は、GI ノートブックに関連付けられた別ウィンドウです。付録ウィンドウは表示したり閉じたりすることができます。付録マーカー (GI ノートブックに付けられた付録のエイリアス) には、大量のデータ (例:テーブル、データベース検索の一致リスト、引用文献など) を含めることができます。GI ノートブックの任意のオブジェクトを付録に切り替えると、GI ノートブック内の複数の位置から同じ付録にリンクすることができます。付録を使えば、GI ノートブック内のデータや文字の妨げとならずに大量の情報を残しておき、必要な時にそれを表示させることができます。バッファレシピを付録オブジェクトとして保存しておけば、バッファに関して考察するときはバッファの内容が含まれる付録のエイリアスによっていつでも付録を参照することができます。