Mathematica 14.x で追加された機能
Mathematica 14.2 の新機能
バージョン14.2では,行と列に配列された表形式データを非常に合理的かつ効率的に処理するTabularの強力なツールが導入されており,その特別な機能を利用するために数百もの関数の機能も拡張されています.さらに,ニューラルネットおよびLLMの強化,ゲーム理論を使った操作,GPU計算の改善,画像と動画の拡張を行うための新関数や改良された関数もあります.
Mathematica 14.2 の新機能情報(一部):
Mathematica 14.2新機能のワードクラウド
Mathematica 14.1 の新機能
Wolframの統合アプリケーションが導入されたバージョン14.1では,ニューラルネットやLLM(大規模言語モデル)の操作,コンテンツの比較,画像や動画の操作,生体分子や天体物理学等における科学的評価のための新しいツールが提供されています。
Mathematica 14.1 の新機能情報(一部):
- 整数のビットのうちの一つを反転させるBitFlip
- リストの要素を検証するための関数AllSameBy,AllMatch,AnyMatch,NoneMatch等の追加
- LLMプロンプトに,コンテキストに依存するメッセージを加えるLLMPromptGenerator
- 意味の類似性によってテキストコーパスを検索するSemanticSearch
- 意味の類似性の索引を作成するCreateSemanticSearchIndexと更新するUpdateSemanticSearchIndex
- AlephAlpha,GoogleGemini,MistralAI, Cohere, DeepSeek, TogetherAI, Groq等のLLMへの新しいサービス接続
- ベクトルデータベースをそれぞれ作成,更新,検索するCreateVectorDatabase,AddToVectorDatabase,VectorDatabaseSearch
- VectorSymbol,MatrixSymbol,ArraySymbolによる,記号的なベクトル,行列,配列のシンボルのサポート
- D,Grad,Div,Laplacian,Transpose,TensorTranspose,Dot,Cross,TensorContract等,多数の数値関数に追加された記号的なベクトル,行列,配列の入力のサポート
- 記号的なベクトル,行列,配列の式に必要な標準的なコンストラクタSymbolicZerosArray,SymbolicOnesArray,SymbolicIdentityArray,SymbolicDeltaProductArrayの追加
- 微分方程式系の安定性解析を行うDStabilityCondititions
- 差分方程式系の安定性解析を行うRStabilityCondititions
- 引数が度である三角関数のバージョンSinDegrees,CosDegrees,TanDegrees,CotDegrees等の追加
- すべての整数についてパスカルの恒等式を保持する二項式であるPascalBinomial
- 日付や時間のリストを共通の粒度および暦に従わせるConformDates
- 日付や時間が使えるように更新されたMean,Median,Variance,Correlation等の記述統計関数
- ある天体について,任意の日付で任意の場所から観測される出と入りの時間を計算するAstroRiseSet
- 極座標の曲線を表すPolarCurve
- グラフの中の三角形閉路を数えるGraphTriangleCount
- キーフレームパラメータを使ってManipulateから動画を作成するManipulateVideo
- 動画の断片を撒いて,後で完全な動画を刈り取るSowVideoと,ReapVideo
>- ステートフルな反復を使って動画を変換するVideoFrameFold
- 音声を文字起しして動画に字幕トラックを加えるVideoTranscribe
- 動画トラックと音声トラックの要約をプロットするVideoSummaryPlot
- 音声入力を取るAudioAmplifyやAudioNormalize等の関数が動画入力でも利用可能に
- 偏微分方程式で電流をモデル化するElectricCurrentPDEComponent
- 応力テンソルからミーゼス応力を計算するVonMisesStress
- 2つのノートブック,ファイル,文字列,リスト等の差分を表示するDiff
- サポートされる差分ターゲット上で三者差分を実行するDiff3
- 差分変更を既存のオブジェクトに適用するDiffApply
- 進捗状況をレポートしコンパイルエラーに関する詳しいレポートを出力するよう更新されたFunctionCompile.コンパイルコードの実行時にエラーが発生したときの動作を制御するCompilerRuntimeErrorActionオプションも使用可能に
- 外部操作の記号表現を加えるExternalOperation
- 並列サブカーネルに定義が分配されている全シンボルのリストを返す$DistributedDefinitionsと,それを消去するClearDistributedDefinitions
Mathematica 14.1 新機能のワードクラウド
Mathematica 14.0 の新機能
バージョン14.0では、より広く深い範囲の計算分野が扱えるようになったと同時に、既存の分野の効率化と洗練にも力を注いでいます。
Mathematica 14.0 の新機能情報(一部):
- ComapおよびComapApplyによる式への関数リストの適用
- 整数の各桁の和を計算するDigitSum
- より高速になったUnitConvert
- IntermediateTestによるTestCreate内部での中間検定の作成
- NLineIntegrateで数値ベクトル線積分,NSurfaceIntegrateで数値ベクトル面積分,NContourIntegrateで数値複素線積分を計算する
- 片側たたみ込みを実行するUnilateralConvolve
- DSolveおよびその他の関数によって生成された無限和表現を扱いやすくするTruncateSum
- ToFiniteFieldおよびFromFiniteFieldによる式から有限体へ/有限体から式への変換
- FiniteFieldIndexおよびFromFiniteFieldIndexを使った,有限体指数表現へ/からの変換
- SymmetricMatrix,HermitianMatrix,OrthogonalMatrix,UnitaryMatrix等の新しい構造化行列タイプの追加
- テキストデータをさまざまなタイプに自動的に要約するTextSummarize
- ペアのデータの2D投影をすべてプロットするために加えられた新しい可視化関数のPairwiseListPlot,PairwiseDensityHistogram,PairwiseSmoothDensityHistogram,PairwiseQuantilePlot,PairwiseProbabilityPlot
- SolarEclipseの見直しによる,7万回を越える日食および50個の新しい特性のサポートの追加
- 新月,満月,任意の月相の日を計算するための関数,NewMoon,FullMoon,MoonPhaseDateの追加
- 階層化プロットとして表されたグラフを作成するLayeredGraphおよびLayeredGraph3D
- グラフィックスの名前付きテクスチャマッピングを指定するTextureMapping
- 画像を成分に分割するImageSegmentationComponents
- 前景成分の画像を分離するImageSegmentationFilter
- 3Dグラフィックスの周りのツアー動画を作成するTour3DVideo
- SchrodingerPDEComponent,FluidFlowPDEComponent,ElectrostaticPDEComponent等の新規PDEモデリング関数の追加
- 離散,連続,混合の制御系についての詳しいシミュレーション結果を作成するInputOutputResponse
- 制御系モデルの不確かなパラメータ,初期値,入力によりもたらされる出力の不確かさをプロットするSystemModelUncertaintyPlot
- DOCX,MOBI,RData,RDS形式のインポートのサポート
- MP4,QuickTime,Matroskaの形式における字幕のインポート・エキスポートのサポート
- 新規データ構造RedBlackTreeおよびStringVectorの追加
- スプライン関連のグラフィックスプリミティブBezierCurve,BSplineCurve,BSplineSurfaceがArcLength,RegionMeasure等の計算幾何学操作の幾何学領域としても有効になった
Mathematica 14.0 新機能のワードクラウド