Wolframの統合アプリケーションが導入されたバージョン14.1では,ニューラルネットやLLM(大規模言語モデル)の操作,コンテンツの比較,画像や動画の操作,生体分子や天体物理学等における科学的評価のための新しいツールが提供されています。
Mathematica 14.1 の新機能情報(一部):
- 整数のビットのうちの一つを反転させるBitFlip
- リストの要素を検証するための関数AllSameBy,AllMatch,AnyMatch,NoneMatch等の追加
- LLMプロンプトに,コンテキストに依存するメッセージを加えるLLMPromptGenerator
- 意味の類似性によってテキストコーパスを検索するSemanticSearch
- 意味の類似性の索引を作成するCreateSemanticSearchIndexと更新するUpdateSemanticSearchIndex
- AlephAlpha,GoogleGemini,MistralAI, Cohere, DeepSeek, TogetherAI, Groq等のLLMへの新しいサービス接続
- ベクトルデータベースをそれぞれ作成,更新,検索するCreateVectorDatabase,AddToVectorDatabase,VectorDatabaseSearch
- VectorSymbol,MatrixSymbol,ArraySymbolによる,記号的なベクトル,行列,配列のシンボルのサポート
- D,Grad,Div,Laplacian,Transpose,TensorTranspose,Dot,Cross,TensorContract等,多数の数値関数に追加された記号的なベクトル,行列,配列の入力のサポート
- 記号的なベクトル,行列,配列の式に必要な標準的なコンストラクタSymbolicZerosArray,SymbolicOnesArray,SymbolicIdentityArray,SymbolicDeltaProductArrayの追加
- 微分方程式系の安定性解析を行うDStabilityCondititions
- 差分方程式系の安定性解析を行うRStabilityCondititions
- 引数が度である三角関数のバージョンSinDegrees,CosDegrees,TanDegrees,CotDegrees等の追加
- すべての整数についてパスカルの恒等式を保持する二項式であるPascalBinomial
- 日付や時間のリストを共通の粒度および暦に従わせるConformDates
- 日付や時間が使えるように更新されたMean,Median,Variance,Correlation等の記述統計関数
- ある天体について,任意の日付で任意の場所から観測される出と入りの時間を計算するAstroRiseSet
- 極座標の曲線を表すPolarCurve
- グラフの中の三角形閉路を数えるGraphTriangleCount
- キーフレームパラメータを使ってManipulateから動画を作成するManipulateVideo
- 動画の断片を撒いて,後で完全な動画を刈り取るSowVideoと,ReapVideo
- ステートフルな反復を使って動画を変換するVideoFrameFold
- 音声を文字起しして動画に字幕トラックを加えるVideoTranscribe
- 動画トラックと音声トラックの要約をプロットするVideoSummaryPlot
- 音声入力を取るAudioAmplifyやAudioNormalize等の関数が動画入力でも利用可能に
- 偏微分方程式で電流をモデル化するElectricCurrentPDEComponent
- 応力テンソルからミーゼス応力を計算するVonMisesStress
- 2つのノートブック,ファイル,文字列,リスト等の差分を表示するDiff
- サポートされる差分ターゲット上で三者差分を実行するDiff3
- 差分変更を既存のオブジェクトに適用するDiffApply
- 進捗状況をレポートしコンパイルエラーに関する詳しいレポートを出力するよう更新されたFunctionCompile.コンパイルコードの実行時にエラーが発生したときの動作を制御するCompilerRuntimeErrorActionオプションも使用可能に
- 外部操作の記号表現を加えるExternalOperation
- 並列サブカーネルに定義が分配されている全シンボルのリストを返す$DistributedDefinitionsと,それを消去するClearDistributedDefinitions
Mathematica 14.1新機能のワードクラウド