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Q-Chem 5.0 で追加された機能


Q-Chem 5.0.2 新機能/バグ修正


新機能

  • 新しい密度汎関数: revM06-L
  • 有効内殻ポテンシャルを用いた核座標に関する2次微分(ヘシアン)の解析的評価
  • spin-flip TD-DFT の核座標に関する1次微分(グラジエント)において、長距離補正密度汎関数をサポート

改良点

  • SCF 収束を改善する SAD 初期軌道関数を修正
  • DFT 振動計算における共有メモリ型並列計算効率の向上
  • Coupled Cluster および運動方程式計算におけるディスク使用率を削減
  • 原子基底の重なり積分におけるゼロに近い固有値の取扱いを改良

バグ修正

  • ECPの核座標に関する1次微分成分の累積、および、ECP の核座標に関する数値的な2次微分の不正確さによって生じる問題を修正
  • CC/EOM による分子軌道積分と核座標に関する1次微分の評価におけるいくつかのメモリ問題を修正
  • CC/EOM ジョブでの積分のコレスキー分解計算におけるメモリ問題を修正
  • SM12 溶媒和モデルにおけるHirshfeld電荷計算の対称性関連問題を修正
  • dual-basis SCF 計算におけるエネルギー出力情報を修正

 

Q-Chem 5.0.1 新機能/バグ修正


新機能

  • スピン適合 (Spin-Adapted) バージョンの SF-TDDFT 法 (Xing Zhang, John M. Herbert)
    【example】
  • BSSE への DFT-C 経験的補正 (Jonathon Witte, Martin Head-Gordon) 【example】
  • ADC/SSPCM 法による、三重項状態溶媒中の一重項状態計算を簡素化
  • CC/EOM 計算におけるデフォルトメモリ設定の改良
  • CC/EOM 計算設定時、軌道対称性における微小偏差 (small deviations) の取扱いを改良
  • 入力ファイル中の $plot セクションをより使いやすく改良

バグ修正

  • non-orbital-invariant ポストHF 法によるエネルギー計算の小さな誤差原因となる、標準電子配向 (Standard Electronic Orientation) を強制している不安定性を修正
  • CC 計算において、再構築されたコレスキー分解2電子積分 (Cholesky-decomposed two-electron integrals) の利用を妨げていた問題を修正
  • post-HF 法による非平衡PCM 溶媒の解析的勾配計算エラーを修正
  • 長距離補正密度汎関数による実時間 TDDFT (Real-Time TDDFT) 計算エラーを修正
  • 並列計算時の IEF-PCM 勾配計算エラーを修正
  • CPCM-CG 振動計算の異常終了問題を修正
  • ゴースト原子を含む分子にて、前計算からの $molecule セクション情報読込みエラーを修正
  • 励起状態密度プロッティングにおける問題を修正

 

Q-Chem 5.0 新機能


強化された結合クラスターパッケージ

  • Cholesky分解 CCSD および EOM-CCSD について解析的なグラディエント、すなわち、カノニカルな CCSD や EOM-CCSD のグラディエントの計算効率の改善 (X. Feng, E. Epifanovsky; User’s Manual Section 5.8.6)
  • CAP-EOM-CCSD の解析的なグラディエント (Z. Benda and T.-C. Jagau) および準安定状態についての Dyson軌道 (T.-C. Jagau, A.I. Krylov; User’s Manual Section 6.7.5)
  • CAP-EOM-MP2法 (A. Kunitsa, K. Bravaya)
  • 完全な微分の表式を用いた CCSD や EOM-CCSD (EEおよびSF) の波動関数による分極率の評価 (K. Nanda and A. Krylov; User’s Manual Section 6.7.15.4)
  • EOM-CCSD波動関数における <S2> の評価 (X. Feng)
  • EOM-CCSD波動関数における非断熱カップリング (non-adiabatic (derivative) coupling, NAC) の評価 (S. Faraji, A. Krylov, E. Epifanovski, X. Feng; User’s Manual Section 6.7.15.3)
  • CCSD(T) 相関についての計算効率の改善と新しいマルチコア並列 (I. Kaliman)
  • 結合クラスターを基礎とする内殻の状態についての新しい手法 (A. Krylov)

 

暗溶媒モデルについての新しい機能

  • EOM-CC や MP2 レベルでの垂直励起やイオン化、電子付着エネルギー計算における PCM (User’s Manual Section 6.7.10)
  • ADCファミリーにおける平衡および非平衡の溶媒モデル (J. M. Mewes and A. Dreuw; User’s Manual Section 6.8.7)
  • 体積の分極の完全な取り扱いとともに、任意の異方性の誘電率関数 ε(r) が使用可能な Poisson方程式の境界条件 (M. P. Coons and J. M. Herbert; User’s Manual Section 11.2.10)
  • 溶媒和エネルギーについての精密なモデルである、Composite Model for Implicit Representation of Solvent (CMIRS) (  User’s Manual Section 11.2.6)

 

新しい密度汎関数 (N. Mardirossian and M. Head-Gordon; User’s Manual Section 4.4.3)

  • GGA汎関数: BEEF-vdW, HLE16, KT1, KT2, KT3, rVV10
  • Meta-GGA 汎関数: B97M-rV, BLOC, mBEEF, oTPSS, TM
  • ハイブリッド汎関数: CAM-QTP(00), CAM-QTP(01), HSE-HJS, LC-PBE08, MN15, rCAM-B3LYP, WC04, WP04
  • ダブルハイブリッド汎関数: B2GP-PLYP, DSD-PBEB95-D3, DSD-PBEP86-D3, DSD-PBEPBE-D3, LS1DHPBE, PBE-QIDH, PTPSS-D3, PWPB95-D3
  • 「低コスト」混合法である Grimme による PBEh-3c
  • rVV10 非局所相関法

 

DFTの追加開発

  • 新しい DFT-D3 表式 (J. Witte; User’s Manual Section 4.4.7.2)
  • 新しい標準の積分グリッド、SG-2 および SG-3 (S. Dasgupta and J. M. Herbert; User’s Manual Section 4.4.5.2)
  • 実時間 TDDFT についてのより効率的な伝播関数 (プロパゲータ) アルゴリズム (Y. Zhu and J. M. Herbert;  User’s Manual Section 6.11)

 

有効内殻ポテンシャル (ECP) 積分を計算するための新しい積分パッケージ
(S. C. McKenzie, E. Epifanovsky; User’s Manual Chapter 8)

  • エネルギーや一次微分についてのより効率的な解析的アルゴリズム
  • 任意のプロジェクターの角運動量への対応
  • 基底関数において h の角運動量まで対応

 

ab initio Frenkel-Davydov励起子 (エキシトン) モデルについてのデリバティブカップリング
(A. F. Morrison and J. M. Herbert; User’s Manual Section 12.14.3)

 

Q-Chem 4.4 からのデフォルト設定の変更

  • 大抵のポスト Hartree-Fock 計算において内殻電子は固定 (frozen) されます (User’s Manual Section 5.2) 。
  • 異なる手法間で一貫性を保つために、SOC (spin-orbit coupling) や NAC (non-adiabatic (derivative) coupling) 計算キーワードが新しくリネイムされました。
  • Q-Chem 4.4 はすべての汎関数に対してデフォルト設定で SG-1 を用いていましたが、いくつかの新しい密度汎関数では、デフォルトで SG-2 または SG-3 を採用します。様々な汎関数の分類ごとに、デフォルトで採用されるグリッドを User’s Manual Section 4.4.5.2 Table 4.4 にまとめました。

 

関連情報