29 ダイナミック・カーブフィッティング
Dynamic Curve Fitting

非線形カーブフィッティングは、繰り返し計算による収束解で最適解を近似的に求める手法です。まずはじめに、パラメータについて初期推定値を与え、その方程式がどれだけ良くあてはまるかを調べます。そして、推定値を逐次的に代入して同様の計算を繰り返しながら、その都度それらの残差平方和の差を求め、その減少が極めて小さくなるまで、よりふさわしいと思われる推定値を求めてゆきます。

複雑な曲線のあてはめ問題においては、SigmaPlot の新しい Dynamic Fit Wizard を使って最適解を求めます。Dynamic Fit Wizard では、最適な近似解を求めるのに、反復計算を収束させるパラメータの初期推定値の探索を自動的に行ってくれるからです。例えば、ユーザー定義関数において、最適なあてはめを見つけるのに、パラメータの初期値を何度も手動で入力し直し、その度にコードの編集をしなければならないことが良くあります。

Dynamic Fit Wizard では、あてずっぽうに初期パラメータを推定する必要はありません。パラメータの初期値の取り得る範囲を最小値と最大値で入力したら、後の作業は Dynamic Fit Wizard にお任せです。最適なあてはめの発見を大いに期待することができるはずです。

 

  1. Dynamic Fit Wizard を使用する
    1. データソースを選択する
    2. 使用する方程式を選択する
    3. あてはめる変数を選択する
    4. Dynamic Curve Fit オプションを設定する
    5. あてはめ結果を表示する
    6. 数値出力オプションを設定する
    7. グラフオプションを設定する
    8. グラフデータ用の列を選択する
    9. ダイナミックフィットを終了する
  2. ダイナミックカーブフィットのレポート
  3. ダイナミックフィットのプロファイルグラフ
  4. ダイナミックカーブフィッティングの事例
    1. 局所的最小値 - 5パラメータのロジスティック関数
    2. 収束しない場合 - 2サイトの飽和結合
    3. あてはめ結果の要約 - NIST による Bennet5 方程式
    4. パラメータの初期推定値の決定 - 動粘性率
    5. あてはめ解の信頼性 - 大気圧の周期
    6. 引用文献