26.18 プロファイルプロット (Profile Plots)

分散分析の配置計画のプロファイルプロットは、グラフの横軸にある因子の水準をあらわし、縦軸に実験のデータをあらわしたラインプロットです。プロファイルプロットの作成に使用されるグラフデータは、ANOVA レポートの Summary セクションにある最小二乗平均 (least square means) の結果が元になります。

プロファイルプロットは、多因子 ANOVA モデルの最小二乗平均 (推定周辺平均:estimated marginal means とも言う) を比較したいときに役立ちます。ある特定因子の水準間の最小二乗平均、すなわち、効果の差は、残りの因子の水準の範囲を計算するときに、その特定因子のデータへの影響の度合いや他の因子との交互作用を決定します。プロファイルプロットにはデータに対する各因子の影響を判断できる各種処理効果の質的な検査結果が素早く提供されます。これらの効果は、ANOVA レポートの仮説検定で数量化されますので、どの差が統計的に有意であるかを判断できます。

ANOVA 分析では、まずはじめに各セルの最小二乗平均 (least square means) を計算します。ここで、セルは、各因子からある水準をそれぞれ取り出し、特定の水準の組み合せを作成した観測データの集合として定義されます。一般に、ANOVA モデルと関連する回帰モデルの予測値にはセルの平均値を求めます。セルの平均値で二元配置分散分析 (Two-Way ANOVA) における2因子の交互作用の効果、および、三元配置分散分析 (Three-Way ANOVA) における3因子の交互作用の効果を判断します。ある因子のすべての水準を、残りの因子の水準を固定してセルの平均値を求めると、低次の効果が得られます。二元配置分散分析における主効果の計算と、三元配置分散分析における2因子の交互作用効果の計算がこれにあたります。最後に、与えられた因子の各水準を固定して、残り2因子の全ての水準のセルの平均値を求めて、三元配置分散分析における与えられた因子の主効果を決定します。

 

1. プロファイルプロット - 主効果

プロファイルプロット - 主効果 (Profile Plots - Main Effects) グラフを選択できる検定は以下のとおりです:

主効果 (Main Effects) には、グラフごとにプロットが1つあり、因子の数だけグラフがあります。各グラフにおいては、ある因子の水準が固定され、それ以外の因子 (二元配置分散分析ではもう一方の因子、三元配置分散分析では他の2つの因子) の全ての水準についてセルの平均値が求められます。

二元配置分散分析の主効果プロファイルプロットの例

 

2. プロファイルプロット - 2因子効果

プロファイルプロット - 2因子効果 (Profile Plots - Two-Way Effects) グラフを選択できる検定は以下のとおりです:

2因子効果では、各因子の一対の組合せについてそれぞれ個別にグラフが1つ作成されます (従って、二元配置分散分析ではグラフは1つ、三元配置分散分析ではグラフは3つになります)。これらのグラフのそれぞれには、ある因子の水準ごとに複数のプロファイルプロットが含まれます。三元配置分散分析では、残りの第3因子 (2因子効果グラフの一対の組合せを除くいずれかの因子) の全ての水準のセルの平均値が計算されます。

二元配置分散分析の2因子効果のプロファイルプロットの例

 

3. プロファイルプロット - 3因子効果

プロファイルプロット - 3因子効果 (Profile Plots - Three Way Effects) グラフを選択できる検定は以下のとおりです:

三元配置分散分析の3因子効果では、第3因子 (検定の実行時に選択した最後の因子) の水準数がグラフの数になります。3因子効果のグラフには、第2因子 (検定の実行時に選択した2番目の因子) の水準ごとに、それぞれ複数のプロファイルプロットが含まれます。

三元配置分散分析の3因子効果のプロファイルプロットの例。