25.12 一元配置分散分析の最小サンプルサイズを決定する

一元配置分散分析 (ANOVA) について、その群のサンプルサイズを決定することができます。等分散の正規分布に従う母集団からそれぞれの個体を抽出した2つ以上の標本の間に差があるか否かを調べるには、一元配置分散分析を使用します。詳しくは、 一元配置分散分析 (ANOVA) をご覧ください。

一元配置分散分析のサンプルサイズを決定するには、以下を指定する必要があります:

 

一元配置分散分析のサンプルサイズを求めるには:

  1. ワークシートを画面に表示させた状態で、Analysis タブをクリックします。

  2. SigmaStat グループから以下を選択します:

    SampleSizeANOVA

    ANOVA Sample Size ダイアログボックスが表示されます。
    ANOVA Sample Size ダイアログボックス

  3. Minimum Detectable Difference ボックスに入力するのは、期待する群平均の差の最小値です。ここで期待する差の大きさは、過去の実験から決定することも、単なる推定量とすることもできます。

    検出できる差の最小値は、平均値の最大値と最小値との差の最小値です。

  4. 残差の標準偏差の大きさを入力します。ここで期待する大きさは、過去の実験から決定することも、単なる推定量とすることもできます。なお、一元配置分散分析では、正規分布に従う推定母集団の標準偏差は互いに等しいことが仮定されます。

  5. 希望する検出力、すなわち、検定の感度を入力します。検出力とは、群間に真の差がある場合に、この ANOVA によって差が検出される確率です。検出力の値が 1 に近づくほど、その検定の感度は高くなります。伝統的に検出力に要求する値は 0.80 です。これは、信頼水準 1– α で (たとえば、α = 0.05 であれば信頼水準は 95%)、指定した効果を検出する確率が 80% であることを意味します。

  6. 希望する危険水準 (Alpha) を入力します。アルファ (α) は、誤って差があると結論付けることを許容する確率です。伝統的に使用される α の値は 0.05 です。これは、20回に1回の確率で誤りを許容する、すなわち、P < 0.05 であれば有意差があるとの結論を下そうとするつもりであることをあらわします。

    α を小さくすると、有意差があるとの結論を下す要件がそれだけ厳格になりますが、実際は差があるにもかかわらず差がないと結論を下してしまう確率 (第二種の誤り) も高くなります。α を大きくすると、差があるという結論を下すのが容易になりますが、それだけ、誤判断を下す危険性 (第一種の誤りを犯す確率) も高くなります。

  7. = をクリックすると、指定した条件における一元配置分散分析のサンプルサイズが表示されます。サンプルサイズの計算結果はこのダイアログの一番上に表示されます。このサンプルサイズは、それぞれの群に関するサイズです。必要があれば、任意の設定内容を変更して、= をクリックしなおすことで、何度でも条件を変えて検出力を表示させることができます。

  8. Save to Report をクリックすると、サンプルサイズの計算の設定内容とそれによって得られた結果が現在のレポートに保存されます。Close をクリックしてダイアログを閉じます。
    レポートに表示された一元配置分散分析のサンプルサイズの結果