20.1 反復測定検定について

反復測定検定 (Repeated measures tests) は、同一個体における処理効果 (複数可) の平均値または中央値に、反復測定のランダムな変動に由来する差を上まわる有意差があるかを検出するのに使用します。個体間の変動は、個体間の差ではなくその処理効果の集中度 (concentration of the effect of the treatments) で考慮します。詳しくは、反復測定に使用する検定を選ぶをご覧ください。

 

1. パラメトリックおよびノンパラメトリック検定

パラメトリック検定では、処理効果が分散 (又は標準偏差) の等しい正規分布に従うことが前提条件となります。パラメトリック検定は、正規分布のパラメータである母集団の平均値と標準偏差の推定量に基づきます。

ノンパラメトリック検定では、処理効果の分布の正規性は仮定されません。その代わりに、測定効果の順位に基づいて比較が行われます。

 

2. 単一処理の事前と事後の個体を比較する

同一個体における単一の実験処理の効果を検定するには、事前と事後の比較 (before and after comparisons) を使います。以下の2つの検定法を利用できます:

 

3.複数処理の事前と事後の個体を比較する

同一個体における複数の実験処理の効果を検定するには、反復測定プロシージャーを使います。以下の3つの検定法を利用できます:

これらのプロシージャーのいずれかを使用して複数の処理を比較した結果、統計的に有意な差があることが分かった場合、幾つかの多重比較プロシージャーを使用して具体的にどの処理に効果があり、その大きさはどれだけかを調べることができます。これらのプロシージャについては、各検定ごとに説明します。