17.6 比率と割合を比較する検定を選ぶ
頻度(度数)、比率、割合の検定は、国別の男女比率のような観察データの百分率や発生数を比較するものです。異なるカテゴリやクラスごとに含まれるある群の配分が、それを無作為に抽出したときに生じる変動を上回る有意な差があるか否かを決定するには、比率と割合の比較を使います。このデータになりうるのは、ある母集団を無作為に観察したものや、ある処理を行う事前と事後の1群、または、条件を変化させた1群です。
カテゴリ間の分布を比較するには、割合の比較 (Compare Proportions) を行う z 検定 (z-Test) 、分割表のカイ二乗分析、フィッシャーの直接法 (Fisher Exact Test)、マクニマーの検定 (McNemar’s Test)、相対危険度検定 (Relative Risk Test)、および、オッズ比検定を使用します。
- 2つのカテゴリに分けた1群の割合に有意差があるか否かを決定するには z 検定 (z-Test) を使います。Compare Proportions は、2つのカテゴリに占める各群の百分率に従って2群を比較するものです。詳しくは、z 検定を使って割合を比較する をご覧ください。
- 2つまたはそれ以上のカテゴリに分類される2群以上の個体数を比較するには、分割表のカイ二乗 (Chi-Square (χ2)) 分析を使用します。詳しくは、分割表のカイ二乗分析 をご覧ください。
- 2つのカテゴリに分類される2群 (2x2 分割表) があり、いずれかのカテゴリの期待される観測値が小さな数である場合は、フィッシャーの直接法 (Fisher Exact Test) を使います。詳しくは、フィッシャーの直接法 をご覧ください。
- 単一処理の事前と事後、または、条件の変化によって、異なるカテゴリに分類される個体数を比較するには、マクニマーの検定 (McNemar’s Test) を使います。詳しくは、マクニマーの検定 をご覧ください。
- 前向き研究 (prospective study) において、処理や危険因子と、母集団のメンバーで発生する指定した事象との間の関連性の強さを測定するには、相対危険度検定 (Relative Risk Test) を使います。詳しくは、相対危険度検定 をご覧ください。
- 後ろ向き研究 (retrospective study) において、処理や危険因子と、母集団のメンバーで発生する指定した事象との間の関連性の強さを測定するには、オッズ比検定を使います。詳しくは、オッズ比検定 をご覧ください。
※ Tip:SigmaPlot では、お持ちのデータがカイ二乗、または、フィッシャーの直接法に適合しているかが自動的に分析され、適切な検定法が提示されます。 |