3.5 関心領域と DNA の翻訳

関心領域 (Regions of interest) は、DNA のコーディング部分、エキソン/イントロン、プロモーター、複製起点 (origins of replication) 等を表すのに使用します。コンストラクトの中から関心領域に対応する部分を選択し、Construct > Features > Make Region… (command-R/ctrl-R) を選択すると関心領域を作成できます。DNA セグメントを一切選択せずに Make Region… を選択した場合も、ヌクレオチドの最初と最後の数値を入力するだけで、その範囲を領域にすることができます。図 3.3 に示すのは、領域を作成するダイアログボックスです。作成する領域には名称を定義することが可能で、その領域に関して記しておきたいコメントを入力することができます。ある関心領域に対応する DNA セグメントをコピーして、それを別のコンストラクトにペーストした場合、コピー元の領域に関連するコメントはコピー先のコンストラクトにも引き継がれます。Protein Sequence のチェックボックスにチェックを入れると、その領域をタンパク質領域に定義することもできます。その場合、対応する DNA は翻訳され、コンストラクトウィンドウのコンストラクトをシーケンスビューで表示するとタンパク質配列が表示されることになります。このことは、Tutorial 3: “ORF のマーキング” に詳しく説明してあります。

図 3.3:領域の作成例

 

複数の領域が互いに重なりあう場合も、定義したい領域に対応する DNA セグメントを選択し、Construct > Features > Make Region… を選択することで定義できます。いちど領域が作成されたら、それをマウスで一回クリックするだけでその範囲を選択できます。選択された領域の表示法は、セグメントに対する操作と同様、Format メニューに用意された各種項目を使用して変更することができます (詳しくは “コンストラクト表示の変更” をご覧ください)。

図 3.3 に示すダイアログボックスは、ある領域を選択したあと、Construct > Get Info… (command-I/ctrl-I) を選択することで表示させることができます。First PosLast Pos ボックスの値を入力しなおせば、その領域の2つの端点を調整できます。Region Info ダイアログボックスには、それぞれ最大 32,000 文字のコメントを入力できます。入力されたコメントは、Construct > Search Comments… または Tools > Search Files… を使ってキーワードで検索することができます。Tutorial 8: “コメントの検索とファイルの検索” には、コメント検索に関するハンズオンの事例を用意してあります。詳しくは、“コメントの検索” をご覧ください。

領域を配置する順番は、それらを外側または内側に移動することで変更することができます (詳しくは “Move Region Outwards/Upwards” をご覧ください) 。ある領域を選択し、"Move Region Upwards" を選択すると、その領域が複数の領域の中の一番上に表示されます。なお、環状コンストラクトの外側や、線状コンストラクトの上に領域が移動することはありませんa

注: a. これは、領域によってサイトマーカーがうかつに上書きされるのをを防ぐためです。