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StarDrop 6.1 で追加された機能

 

ここでは既に StarDrop をご利用の皆様に向けて、最新の StarDrop 6.1 における新しい機能について簡単に紹介します。

  1. Matched Series 解析
  2. プロジェクトファイル形式
  3. 強化された P450 代謝モジュール
  4. その他の強化された機能

 

Matched Series 解析

化合物の最適化のための新しい戦略を探索するStarDrop の Nova モジュールが、matched series 解析の追加により機能が強化されました。matched series 解析は NextMove Software 社と共同で開発し、置換基のみが異なる3つ以上の分子シリーズ (matched molecular series) を探索することで、ターゲットの活性を改善する置換基を特定します。置換基のみが異なる分子の数が多い分、一般的に用いられている置換基のみが異なる分子ペア (matched molecular pair) のアプローチよりも、追加の情報を与え、あなたの化学シリーズに適した提案を可能にします。

Nova には matched series 解析に基づく次の2つの方法が組み込まれています。ナレッジベースのデータベースで頻出のシリーズを用いて、あなたのデータの短いシリーズと一致させる Matsy™ (J. Med. Chem., 2014, 57(6), pp 2704–2713) と、分子のアクティビティについての測定値と強い相関をもち、より長いシリーズを用いるSAR transfer です。

matched series 解析はターゲットに対するアクティビティについての測定値をもち、置換基のみが異なる分子シリーズを1つ以上含むデータセットを入力します。解析を開始するためには、StarDrop のNova タブを選択し、ボタンをクリックして Nava セッションを起動し、Matched Series Suggestion を選びます。この機能についての簡単なデモンストレーションはこちらをご覧ください。

http://optibrium.com/community/videos/stardrop-tutorials/308-matched-series-analysis

 

プロジェクトファイル形式

複数のデータセットや解析結果、グラフを含む StarDrop のセッションを全てまとめてひとつのプロジェクトファイルとして保存できるようになりました。これにより、すぐにデータセットを開いたり、共有することができます。StarDrop で最初にデータセットを開くと自動的にプロジェクトファイルが生成され、File メニューから保存すると、初期設定でプロジェクトファイル (.sdproj) として保存されます。もちろん、File メニューの Save Data As… から従来のようにデータセットごとの保存も可能です。

プロジェクトファイルの各データセットは、ファイルの読み込みやデータベースへの問合せなどの、データソースへの接続も可能です (データベースには StarDrop のスクリプティング API を通して適切に接続する必要があります) 。さらに、新しい化合物や結果が増えたときには、データを開き直さなくてもデータセットや計算、グラフを更新することができます。データソースからデータセットを更新するには、Data Set メニューから Refresh を選択します。簡単な紹介ムービーはこちらをご覧ください。

http://optibrium.com/community/videos/stardrop-hints-and-tips/311-projects

 

強化された P450 代謝モジュール

StarDrop の P450 モジュールはいくつかの点で強化されました。まず、既存の CYP3A4、CYP2D6、CYP2C9 アイソマーによる代謝予測モデルは、新しく質の高いデータセットを用いることで、改良されました。また、根底となる量子力学のモデルに、エポキシ化を含む反応経路を追加しました。さらに、CYP2C8、CYP2C19、CYP2E1、CYP1A2 アイソマーのモデルも追加されました。

その上、各部位が代謝された場合の代謝産物も予測されます。StarDrop の P450 タブで左下にある ボタンをクリックすると、代謝産物を確認することができ、別の解析のために新しいデータセットとして保存することもできます。

これらの新しい機能を使うためには、P450 モデルサーバーを更新する必要があります。

 

その他の強化された機能

ここまでに紹介した主な新しい機能の他にも、次のような機能も強化しました。

  • Summary テーブル
    この新しいツールは、データセットにおける物性値データを好きなカテゴリを軸に簡単にまとめてくれます。Summary テーブルを作成するためには、Tools メニューで Create Summary を選択します。テーブルは好きなカテゴリを軸に作成でき、プレゼン資料や報告書に編集可能なテーブルの形式でコピーペーストができます。また、プロジェクトファイル形式を使って保存、復元も可能です。簡単な紹介ムービーはこちらをご覧ください。
    http://optibrium.com/community/videos/stardrop-hints-and-tips/309-summary-analysis

  • 新しくなったファイル結合ツール (Merge ツール)
    ファイル結合ツール (Merge ツール) の機能が拡張されました。Operation の設定が追加され、データセットを結合する Union と同じように、データセットの共通部分を探す Intersection、差異を見つける Differences が選択できます。どの列もデータセット間で一致させるために選択でき、もし2つのデータセットに異なる値があれば、元のデータセットの値をそのままにするのか、新しいデータセットの値を採用するのかの選択も列ごとに設定できます。簡単な紹介ムービーはこちらをご覧ください。
    http://www.optibrium.com/community/videos/stardrop-hints-and-tips/204-mergingdata-sets

  • R-group 解析におけるステレオケミストリー
    StarDrop の R-Group 分解ツールがステレオケミストリーの処理について改良されました。新しいR-Group 解析は、R-Group を置換させた時点で局所的なステレオケミストリーの影響をうけ、E/Z 体で表される置換基を区別します。