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CrystalDiffract 7 新しい機能 |
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新たに Refine インスペクターを装備し、観測された回折パターンの精緻化を初期構造を参照しておこなう「リートベルト」法を使ってスマートに実行できるようになりました。複数の位相が混合する回折パターンも各成分の重量分率を計算することで精緻化することができます。
プログラムでは精緻化をおこなうためのセットアップが自動的におこなわれ、パラメーターを順番に調整するためのスマートなストラテジーを使用する Auto Refine 機能が装備されています。
CrystalDiffract のリートベルト法による精密化は、マルチコアマシンで最大限のパフォーマンスを実現するために全くのゼロから作成された全く新しいアルゴリズムです。既存のサードパーティのコードを見栄えの良いインターフェースでラッピングしたものではありません。
CrystalMaker 社の他のソフトウェアと同様に、このプログラムには、古い Intel 系プロセッサと、最新の Apple Silicon プロセッサの両方のネイティブコードが含まれています (CrystalMaker 社調べでは、ネイティブで動作するこの種の Mac パッケージはこれだけです。他のソフトウェアでは Qt や Java 等のエミュレータが使用されています)。
このプログラムは、観測されたパターンをスキャンして、ピークの位置、面間隔 d、相対強度を特定します。
観測されたデータセットのバックグラウンドを自動検出するための手法を新たに実装しました。Simulate インスペクターの Background グループを再設計しました。
統合された構造ライブラリを追加しました (SingleCrystal 4 で装備されたものと同様) 。これにより、ユーザーは、外部からファイルを読み込むことなく、パターンのシミュレーションをこのプログラムから直接行うことができるようになります (SingleCrystal とは異なり、ユーザーは複数の構造を選択できます)。
このプログラムに包括的な位相 ID が組み込まれました。これにより、回折パターンから未知の (ただし純粋な) 位相を容易に識別できるようになります。
高角度の X 線散乱因子 (範囲:2 < sin θ / λ < 6 Å-1) については、Fox et al 1989 によるデータを使用して計算するようにしました。Fox らは、角度に依存した ln(fx) のフィッティングに4次多項式を使用します。 これらの係数は、International Tables for Crystallography (Second Edition), Volume C の Table 6.1.1.5 に示されていますが、残念ながら、Li、Mg、Si、Ni、および Zr についての結果は完全に不正確です。 したがって、He (Z=2) と Cf (Z=98) の間のすべての要素に対して独自の当てはめを用意し、その値を高角度の計算に使用するようにしました。
従来は、Mott 方程式を使用して X 線散乱因子を電子散乱振幅に変換していました。残念ながら、このアプローチは、Mott 方程式が無限に漸近するため低角度ではうまくゆきません。したがって、2つのテーブル (低角度と高角度) を起動時にロードするようにしました。
グループアイコンとモダンなタブデザインですっきりとした外観になりました。タブは、Display, Simulate (従来の “Parameters”), Refine の3つのタブになりました。
Preferences (macOS Ventura では “Settings”) パネルは、幅が広くなり、レイアウトが大幅に変更となりました。なお、Scattering Factors は別ウィンドウからここに移動した点に注意してください。