25.4 対応のある t 検定の検出力を決定する
対応のある t 検定について、その検出力を決定することができます。対応のある t 検定を使用することで、同一個体に対して単一の処理、または、条件変更を行いその事前と事後に違いがあるか否かを調べることができます。処理効果の大きさは、正規分布に従うものと仮定されます。詳しくは、対応のある t 検定をご覧ください。
対応のある t 検定の検出力を決定するには、以下を設定する必要があります:
- 検出したい処理前と処理後の変化の期待値。
- 標準偏差の変化の期待値。
- 被験者の数。
- 検出力計算に使用する危険率 (α)
対応のある t 検定の検出力を求めるには:
- ワークシートを画面に表示させた状態で、Analysis タブをクリックします。
- SigmaStat グループから以下を選択します:
Power→Paired t-test
Paired t-test Power ダイアログボックスが表示されます。
Paired t-test Power ダイアログボックス
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- Change to be Detected ボックスに入力するのは、処理前と処理後の変化の大きさです。この変化の大きさは、2群の平均値の差によって決定します。期待する処理効果の大きさは、過去の実験から決定することも、単なる推定量とすることもできます。
- Expected Standard Deviation of Change ボックスに入力するのは、標準偏差の変化の大きさです。ここで期待する大きさは、過去の実験から決定することも、単なる推定量とすることもできます。
- Desired Sample Size ボックスに入力するのは、期待 (または推定) する被験者数です。
- 希望する危険水準 (Alpha) を入力します。アルファ (α) は、誤って差があると結論付けることを許容する確率です。伝統的に使用される α の値は 0.05 です。これは、20回に1回の確率で誤りを許容する、すなわち、P < 0.05 であれば有意差があるとの結論を下そうとするつもりであることをあらわします。
α を小さくすると、有意差があるとの結論を下す要件がそれだけ厳格になりますが、実際は差があるにもかかわらず差がないと結論を下してしまう確率 (第二種の誤り) も高くなります。α を大きくすると、差があるという結論を下すのが容易になりますが、それだけ、誤判断を下す危険性 (第一種の誤りを犯す確率) も高くなります。
- = をクリックすると、指定した条件における対応のある t 検定の検出力が表示されます。必要があれば、任意の設定内容を変更して、= をクリックしなおすことで、何度でも条件を変えて検出力を表示させることができます。
- Save to Report をクリックすると、検出力の計算の設定内容とそれによって得られた結果が現在のレポートに保存されます。
レポートに表示された対応のある t 検定の検出力計算の結果。
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- Close をクリックしてダイアログを閉じます。