25.3 t 検定の検出力を決定する
t 検定を行う前に、その検出力を決定することができます。対応のない t 検定を使用することで、等分散の正規分布に従う母集団からそれぞれの個体を抽出した異なる2つの標本を比較することができます。詳しくは、対応のない t 検定をご覧ください。
t 検定の検出力を決定するには、以下の内容を設定する必要があります:
- 検出したい2群の平均値の差の期待値。
- 2群の標準偏差の期待値。
- 2群のサイズの期待値。
- 検出力の計算に使用する危険率 (α)
t 検定の検出力を求めるには:
- ワークシートを画面に表示させた状態で、Analysis タブをクリックします。
- SigmaStat グループから以下を選択します:
Power→t-test
t-test Power ダイアログボックスが表示されます。
t-test Power
ダイアログボックス
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- Expected Difference of Means ボックスに入力するのは、検出を期待する2群の平均値の差の大きさです。ここで期待する大きさは、過去の標本や実験から決定することも、あるいは、単なる推定値とすることができます。
- Expected Standard Deviation ボックスに入力するのは、データ抽出の元となる母集団の標準偏差の推定量です。 ここで期待する大きさは、過去の標本や実験から決定することも、あるいは、単なる推定値とすることができます。
※ Note: t 検定では、正規分布に従う2つの母集団の標準偏差は互いに等しいと仮定されます。 |
- Group 1 Size と Group 2 Size ボックス入力するのは、各群のサイズの期待値です。
- 必要があれば、Alpha ボックスのアルファ (危険率) の水準を変更します。アルファ (α) は、誤って差があると結論付けることを許容する確率です。危険率 α のことを「第一種の誤り」(Type I error) とも言います (第一種の誤りとは、効果がないという帰無仮説をそれが真であるにもかかわらず棄却する場合です)。伝統的に使用される α の値は 0.05 です。これは、20回に1回の確率で誤りを許容する、すなわち、P < 0.05 であれば有意差があるとの結論を下そうとするつもりであることをあらわします。
α を小さくすると、有意差があるとの結論を下す要件がそれだけ厳格になりますが、実際は差があるにもかかわらず差がないと結論を下してしまう確率 (第二種の誤り) も高くなります。α を大きくすると、差があるという結論を下すのが容易になりますが、それだけ、誤判断を下す危険性 (第一種の誤りを犯す確率) も高くなります。
- = をクリックすると、指定した条件における t 検定の検出力が表示されます。検出力の計算結果は、ダイアログボックスの一番上に表示されます。必要があれば、任意の設定内容を変更して、= をクリックしなおすことで、何度でも条件を変えて検出力を表示させることができます。
- Save to Report をクリックすると、検出力の計算の設定内容とそれによって得られた結果が現在のレポートに保存されます。Close をクリックすると t 検定の検出力計算を終了します。