チュートリアル 1:コンストラクトの操作

GCK で最も重要なウィンドウは Construct ウィンドウです。クローニング (遺伝子のクローン化) 操作はほとんどここで行い、コンストラクト (DNA の構成) もここで確認できます。

  1. GCK を起動します。

  2. File|Open... コマンドをクリックして、チュートリアルフォルダにある Bluescript_KS-PLUSS ファイルを開きます (図1参照) 。
    図1 ファイルを開く

    このファイルは、デフォルトインストールの場合、c:\Program Files\Textco BioSoftware, Inc\Gene Construction Kit 3.5\Tutorial Files フォルダの中にあります。ダイアログ下部にあるファイルの種類ボタンを使って、開くファイルのタイプを選択できます。コンストラクトファイルを開きたいので、Construct and Sequence files を選びます。Bluescript_KS-PLUSS ファイルを選択して開くと、図2 のように見えるはずです。
    図2 コンストラクトの構造

  3. コンストラクトは、別々の色とパターンで区別できる DNA セグメントあるいはセクションで構成されています。ファイル名が、ウィンドウ上部のタイトルバーに表示されます。ウィンドウ下左隅には、現在の挿入ポイントが表示されています。挿入ポイントとは、コンストラクトに新しいシーケンスを追加する場合の挿入位置を表します (例:625 と 626 の間) 。DNA のどこかでマウスをクリックすると、セグメントとセグメントの間のもっとも狭い境界を表示します。

  4. DNA の赤いセグメントをダブルクリックすると、選択状態になります。英文ワープロソフトで、単語を選択する場合と同じです。この例では、図3 のようになります。
    図3 セグメントを選択した状態

    左下隅の挿入ポイントが、選択されたヌクレオチドの範囲を表していることに注意して下さい。範囲は常に時計回りに (リニア表示の場合は左から右に) 表示されます。この例では、792-625 となるはずです。原点 (コンストラクトの先頭) が 1 です。左下隅の表示部はポップアップボタンになっており、これをクリックして DNA の挿入位置あるいは選択範囲を変更することができます。

  5. オブジェクト (例えば DNA セグメント) が選択状態になると、その書式 (Format) を編集することができます。例えば Format|Lines メニューをクリックし、表示されたサブメニューの 2番目をチェックすると、DNA セグメントのライン幅が 2ピクセルに変わります。サブメニュー内の Pick a Width... をクリックすると、ライン幅の値を直接入力することができます。Format メニューは、選択されたオブジェクトの表示様式を変えるためのメニューです。

  6. このベクターには、T3 および T7 プロモータとポリクローニングサイトがあります。プロモータは緑、ポリクローニングサイトは青色で表示されています。プロモータに方向を追加してみましょう。DNA セグメントに矢印を追加する場合、まず選択状態にする必要があります。プロモータセグメントは小さいので、拡大表示にして選択します。緑のセグメントのどちらか (青と赤のセグメントの間にあります) をクリックして挿入ポイントを置き、Construct|MagnificationZoom In コマンドを選択して拡大します。もう 1回 Zoom In コマンドを実行してから、上の緑のセグメントをダブルクリックして選択状態にします。図4 に示すように、626-645 のヌクレオチドが選択されます。
    図4 拡大図

  7. Construct|Get Info... コマンドをクリックすると、セグメントの名前やその他の情報が表示されます。この場合、図5 に示すように T7 promoter が表示されています。
    図5 セグメントの情報ボックス

    DNA のすべてのセグメントには名前が付けられており、それに関するコメントを書くことができます。このコメント欄には、コンストラクトに関する重要な情報を記録しておき、後で GCK のファイル検索機能を用いて検索することが可能です。ここでは Cancel ボタンを押して、ダイアログを閉じます。

  8. T7 プロモータを選択した状態 (図4 参照) のままにして下さい。
    図4 セグメントを選択した状態

    ここで、まずラインの太さを変更します。Format|Lines コマンドをクリックし、3番目のラインを選択して、3ピクセルの DNA セグメントのラインにします。つぎに、Format|Lines コマンドをクリックし、2段目のリストにある右向きの矢印を選択します。

  9. 最後に矢頭のサイズを設定します。Format|Lines|Size Arrowhead... コマンドをクリックすると、図6 のようなダイアログが表示されます。
    図6 矢頭の大きさを変更

    ダイアログ内の矢印上でマウスをクリック&ドラッグして、矢頭のサイズを変更することができます。サイズが決まったら OK ボタンを押します。

  10. T3 プロモータのセグメントを反時計方向に変更します。これは、T7 プロモータを変更した場合と同じ手順で実行できます。すなわち、次のように行います。下側の緑のセグメント (T3 プロモータ) をダブルクリックします。ウィンドウ内にこのセグメントが見えない場合は、スクロールバーを使用して下さい。Format|Lines コマンドを選択し、3番目の線の太さに変えたあと、再度同コマンドの左向きの矢印をチェックします。前回作成したのと同じサイズの矢頭が表示されます。

  11. 最後にコンストラクト全体を見るために、Construct|MagnificationFit to Window コマンドをクリックします (図7 参照) 。
    図7 修正したコンストラクトの構造

    これで、このコンストラクトのセグメント編集は終了です。

  12. 編集したコンストラクトに新しい名前を付けて保存します。オリジナルのチュートリアルファイルと混ざり合わないようにするために、練習用の保存フォルダを作成して下さい。次に FileSave As... コマンドをクリックし、ファイル名を construct#1 にして練習用フォルダに保存します。Tutorials Files フォルダにはすでに同名のファイルがあるので、上書き保存をしないで下さい (以下同様) 。