新規購入お見積
アップグレードお見積

SYSTAT 11 で追加された機能

SYSTAT 11ユーザーインターフェースの改良

SYSTAT 11 では、ユーザーインターフェースが全面的に改良されました。メニュー、スペース、ツールバーなどのカスタマイズ性が一層向上しました。

  • メニューバーは新たに再編され、2つのアイテム (「ユーティリティ」と「モンテカルロ」) が追加されました。また、「統計」メニューは「解析」に変更されました。(メニューの詳細はこちらをご覧ください。)

  • 読み込み可能なファイル形式として新たに Stata、Statistica、JMP、MINITAB、S+ などが追加されました。
    • ただし、SYSTATと他のソフトとの仕様上の違いがあるため、100%の互換性はございません。

  • ダイアログボックスも多くが再編され、設定を追加するたびに個々のダイアログボックスが現われるのではなくタブを切り替えることで変更できるようになりました。(ダイアログボックスの詳細はこちらをご覧ください。)

  • マウスで操作できる機能はすべてキーボードでも操作できるようになりました。

オンラインヘルプの改良

  • マウスの位置に沿ってインタラクティブにヘルプを表示する機能がダイアログボックス項目に加わりました。コンテクストにあわせてリンクする HTML 形式のヘルプも新しくなりました。広範にわたるツールチップも用意されています。ダイアログボックスのインプットフィールドには入力されるべき値の範囲がガイドとして表示されます。制限されたパラメータの入力項目をもつダイアログボックスでは複数入力が新たにできるようになりました。入力はユーザーによって追加・削除できます。

  • マニュアルにある 500 を超える事例用コマンドファイルは SYSTAT ディレクトリに用意されます。これらは、わずかな修正で別のデータセットに適合させることができるので、ユーザーは同様の解析を時間をかけずに実行することができます。

グラフィクスにおける画質と操作性の向上

  • SYSTAT 11 から、Microsoft の 16M 色カラーパレットを利用するようになりました。これによってグラフのより自由なカスタマイズ性と表現が可能になりました。インタラクティブな Graph Editor は、マウスオーバーにより、グラフの各要素の名前 (例:ラインプロット、ヒストグラム、X 軸の凡例など) をそれぞれ表示できます。グラフの各要素の外観 (例:ラインスタイル、塗りスタイル、フォント、カラーなど) は、右クリックによってインタラクティブに変更できます。テキストの編集は、テキスト要素をダブルクリックすることによって変更できます。座標系は、軸を設定したり、グリッドラインを表示/非表示にしたり、インタラクティブに変更することができます。

  • 凡例の書式の変更が Graph Editor 上からできるようになりました。他のグラフを作成するために Graph Editor を使って軸の変数を変更できます。3D グラフは、Automatic (自動旋回) または Mouse Interactive (マウスによる旋回) によるアニメーション表示ができます。GIF、TIFF および PS ファイルに出力できます。ズームイン・ズームアウト機能には、選択範囲のズームと段階的なズームおよびマウスのドラッグによる移動によるズームが新たに追加されました。Poly Line と Arrow Setting エラーバーパラメータは、Graph Editor から利用できる新しい注釈オブジェクトです。
    3D グラフの自動回転機能
    マウスによる回転

モンテカルロ法 (マルコフ連鎖モンテカルロ法を含む)

SYSTAT 11 では、強力な乱数生成アルゴリズム MT (Mersenne-Twister) 法を利用した乱数を発生させることができます。目的に応じた様々なプロパティをつけることで、ブートストラップやモンテカルロ検定を簡単に実行できます。

  • SYSTAT 11 では、多くの乱数サンプル生成機能を備えています。IID モンテカルロ (IIDMC)マルコフ連鎖モンテカルロ (MCMC) アルゴリズムを備えており、多くの標準的な分布、特殊な分布、間接的に特定された分布を選択することで様々な無作為標本を生成することができます。これらの機能はシミュレーションの実行に活用でき、分析的に解くには困難とされるベイズ問題における計算上の支援をします。
  • 関連情報:SYSTAT のモンテカルロ法

品質分析 (Quality Analysis)

SYSTAT の品質分析機能には、品質管理および改善に役立つ新しい統計手法と実績のある統計ツールが用意されています。 この品質分析には、基本的な統計ツールから生産過程に適用されるオンライン品質管理までの総合的な機能が含まれています。 SYSTAT で、さまざまな管理図、ヒストグラム、パレート図、箱ヒゲ図、ゲージ R & R 研究、工程能力分析、シグマ測定、タグチの損失関数、およびベータ補整法を使用したタグチのオンライン管理を使用することができます。 また、SYSTAT には、8 種類の統計分布の平均工程曲線および検査特性曲線も用意されています。

  • 良く設計され管理された製造工程であっても、全く同一の製品は存在せず、変動は避けられません。SYSTAT のヒストグラムおよび箱ヒゲ図は、データのこのような変動の捕捉に役立ちます。 パレート図を使用すれば、最もよく発生する欠陥のタイプをすぐに目視で確認することができます。

  • 工程改善プロジェクトの最初のステップは、反復性および再現性を調べることです。 SYSTAT のゲージR & R (Gauge R & R) 研究機能には、測定システムにおける部分対部分の変動、再現性、反復性の測定と、それに対応したグラフ表示が用意されています。 また、SYSTAT では、これらおよびゲージ R & R 指標の信頼区間も調べることができます。

  • SYSTAT の工程能力分析は、指定した基準に対する工程の均一性を調べることが目的です。 さまざまな工程能力測定および工程性能測定のほかにも、SYSTAT では、正規分布とさまざまな非正規分布で同一のグラフ出力を使用することができます。

  • シグマ測定機能を使用して、指定した DPMO (100 万回あたりの欠陥数) に対する量的特性について、工程のシグマ水準を計算することができます。 また、この機能を使用して、多段工程の歩留まりを調べることができます。

  • 目標値の性質に基づいて、タグチの損失関数を計算することができます。目標値の性質として、通常は、望目特性、望小特性、望大特性の 3 種類を考えます。 SYSTAT では、この 3 種類のすべてを使用することができます。 タグチは、目標値のばらつきを測定するための信号対雑音 (S/N) 比と呼ばれる測度も提案しています。 これは製品の信頼性の測度で、品質損失関数を使用して S/N 比を求めることができます。 SYSTAT では、3 種類の目標値に対する S/N 比を調べることができます。

  • 管理図は、標本 (合理的な群や時間など) に関して測定または計算した品質特性、つまり統計量(平均値や範囲など)を表すグラフです。 SYSTAT には、ラン、累積合計、移動平均、EWMA (指数で重み付けした移動平均)、XMR、回帰、TSQ (Hotelling の T2)の各グラフのほかにも、さまざまな Shewhart 管理図(X-bar、分散、s、R、X-bar と s、R、X-bar と R、X、np、p、c、u)が用意されています。 また、SYSTAT には、8 種類の統計分布の検査特性曲線および平均工程曲線も用意されています。 Shewhart、移動平均、EWMA、および X-MR の各グラフでは、Nelson (1984) によって提唱された 8 種類のラン検定も使用できます。

  • SYSTAT のタグチのベータ補正法は、工程調整の大きさと頻度を決定します。 また、タグチの損失関数を使用して、調整の「前」および「後」の品質を比較することもできます。

確率分布(Probability Distributions)

SYSTAT の 13 の分布は、離散型および連続型、単一変量および多変量分布を含む 33 に拡張されました。これら 33 種の分布を元に、任意のサイズのランダムサンプルを任意の数で出力できます。

  • 確率計算 (確率密度関数/累積分布関数/ 逆累積分布関数) は、メニューを選択することによってインタラクティブに実行できます。分布のフィッティングは、カイ二乗適合度検定 (chi-square goodness-of-fit tes) と Kolmogorov-Smirnov 検定を含む 28 種の単変量離散から実行できます。Shapiro-Wilk 正規性検定では、正規、対数正規、ロジット正規分布フィッティングを選択できます。
  • 関連情報:確率の計算

新しい回帰分析法 (New Regression Techniques)

  • ベイズ回帰モデルは、多重線形回帰モデルにおけるフィッティングの新しいパラダイムです。ベイジアンの手法では、多重線形回帰モデルの回帰パラメータの推定値は、事前情報をパラメータの事前分布の形式に組み込むことで求められます。
    • エラーの成分に正規分布が含まれる場合、クラシカルなベイジアン分析において広く使用されていた事前分布は(多変量)正規- ガンマ分布です。 この手法の利点は、共役事前分布であるという点にあり、回帰パラメータの事後分布の形式が事前分布の形式と同じになります。ベイジアンの手法にはもう一つ利点があり、「信頼区間」の形式のパラメータに関する直接確率文を生成します。

  • 「ロバスト回帰」機能には、データに外れ値が含まれている場合の多重線形回帰モデルのあてはめに使用する、LMS 回帰 (最小二乗メディアン) プロシージャおよびランク回帰プロシージャが用意されています。 また、「非線形モデル」の「ロバスト」オプションを使用して、最小絶対偏差 (LAD) 回帰および M 回帰 (M-Regression)を実行することができます。


    • ロバスト回帰機能の LMS 回帰は、残差の平方の中央値を最小化することにより、頑健なあてはめを生成します。 また、残差/データ回帰係数を保存することができます。


    • ランク回帰はノンパラメトリック回帰を実行します。 残差の順位に基づくスコア関数を最小化します。 回帰係数を保存することができます。

行統計(Row Statistics)

  • 基本統計 (Basic Statistics) と幹葉図 (Stem-and-Leaf plot)はすべて、列とは別に Row Statistics (行の統計) が新たに利用できるようになりました。N & P-Tiles (N 分位点/ P 分位点-新機能) の設定では 7種類の方法で計算できます。

仮説検定(Hypothesis Testing)

  • 検定で Variance (分散)、Correlation (相関)、Proportion (出現率) が利用できるようになりました。これらの検定では、平均のための検定のほかに片側検定 (one-sided alternatives) も利用できます。

検出力分析 (Power Analysis)

  • 検出力分析では、片側検定 (one-sided alternatives) が利用できるようになりました。

多変量解析 (Multivariate Analysis)

  • Multivariate Analysis (多変量解析) 機能は、ドロップダウンメニュー項目のひとつに再編され、新たに MANOVA (多変量分散分析) 機能が追加されました。MANOVA の中には良く使われる検定プロシージャが含まれます。
    • 多変量分散分析(MANOVA)機能を使用して、1 元配置、2 元配置および多元配置多変量データの推定および検定、反復測定分析、および群内あるいは群間検定を行うことができます。 標準実験計画および交差とネスティングによる標準要因処理構造(Standard factorial treatment structures)を使用して取得したデータの多変量解析も含まれています。
    • 多変量分散分析は、パラメータ推定値および最小 2 乗平均値ベクトルが供給される基本分析から始まります。 次に、仮説検定の結果が続き、適切な統計量とその p 値に関する多変量検定の結果のほかに、各(独立)変数(多変量データ ベクトルの成分)に対応する単変量検定の結果も供給されます。

行列の演算 (Matrix Computations)

  • 行列操作や行列演算は、すべてメニューから実行できるようになりました。