NVivo の機能と追加モジュール
NVivo は、コンテンツを整理してデータのパターンを発見できる、パワフルな定性分析ツールです。NVivo を使用すると、データ内のテーマを識別し、それらのテーマに関連するあらゆるコンテンツをすべてのデータソースからまとめて収集できます。
どのようなプロジェクトでも必ず最初にデータをインポートする必要があります。コーディングしてメモをとることでデータを整理し、クエリを実行してさまざまな側面を視覚化することでデータを探索します。
データのインポート
データファイルをコーディングする前に、それらを NVivo プロジェクトに取り込む必要があります。Word ドキュメント、テキストファイル、PDF、音声、動画、画像、電子メールを NVivo プロジェクトにインポートして、フォルダに整理できます。
- ファイル
プロジェクトにインポートしたデータファイルはすべて「ファイル」フォルダに保存されます。ここで新しいドキュメントを作成することもできます。必要に応じて、データを整理するためのサブフォルダを作成することも、すべてのインタビューを 1 つのフォルダにまとめることもできます。
- ファイル分類
ファイル分類とは、データファイルに関する属性 (説明情報) の集まりです。
写真や、データファイル (インタビューのトランスクリプトや新聞記事など) の属性 (場所、日付、撮影者など) から、分類することができます。
- 外部ソース
外部ソースとは、インポートできないデータソースを表現するために NVivo で作成されるプロキシドキュメントです。たとえば、デジタル形式ではアクセスできない書籍や映画の外部ソースを作成できます。外部ソースを使用することで、資料を要約したり、セクションのトランスクリプションやコピーを行うことができます。外部ソースのコンテンツは、インポートされたデータファイルのコンテンツと同じ方法でコーディングできます。
情報の整理
テーマと傾向をより迅速に特定するために、データをコーディングします。 分析データを人、場所、コアメトリックごとにケースとして整理します。 ケースを年齢や性別などの属性値にリンクして、データ内のさまざまなグループを比較します。
- コーディング
NVivo 内のデータを使用して、コーディングを開始できます。
NVivo では、テキスト、画像、PDF のテキストと画像、メディアファイル内の選択部分などをコーディングできます。事前にコードを作成し、関連するコンテンツを見つけたり、プロジェクトの進行中にコードを作成したりできます。
どのコンテンツがコーディング済みかは、コーディングストライプと強調表示によって確認できます。コードは、フォルダと親子関係で整理できます。
- ケース
ケースとは、調査の対象となる人々、場所、組織などのことです。テーマにコーディングするのと同じ方法でケースにコンテンツをコーディングし、特定した人、場所、組織などに関連するすべてのコンテンツを 1 つにまとめることができます。これは手動で行うことも、適切に書式設定されたファイルを使用して自動的に行うこともできます。
- ケース分類
ケースは、調査対象者のすべてのコンテンツを 1 つにまとめるだけでなく、作成するケースの人口統計などのデータを記録することで、さまざまな分析が可能なように準備を整えることができます。
ケースに割り当てられる属性 (年齢、性別、場所など) の集まりがケース分類です。属性をグループ化することで、同じタイプのすべてのケースにそれらを適用でき、それらのすべてに同じメタデータを記録できます。
- メモ
ノート (インタビューの要点など) を保持するために作成するドキュメントです。NVivo では、いつでも好きなときに自由形式のメモを追加できます。新しいエントリのタイムスタンプを追加するには、キー入力 Ctrl + Shift + T を使用します。メモにテキスト、画像、テーブルなどを取り込んだり、メモをコーディングしてデータファイルなどのファイル属性を持たせることもできます。
- 注釈と参照リンク
注釈は、ドキュメント、PDF、およびメディアトランスクリプト内のテキストの選択部分、画像ファイルと PDF 内の画像の一部、およびメディアファイル内のタイムスパンに対して作成できるノートです。
参照リンクは、注釈と同様にファイル内のコンテンツ選択からリンクしますが、ファイル、コード、ケースなどの他のプロジェクトアイテムにリンクします。また、1 つのコンテンツ選択から別のコンテンツ選択への参照リンクを作成することもできます。
探索
プロジェクトの最後に最終的な結論を導き出すためにクエリを実行して情報を視覚化します。調査プロジェクト全体を探索することにより、進むべき方向についての洞察を得ることができます。
クエリと視覚化を行うためには、NVivo が効果的にその処理を行い意味のある情報を生成できるようにデータを設定する必要があります。
- 頻出語クエリ
調査対象者がどのようなことを考えているかをすばやく簡単に確認する方法として、回答に対して頻出語クエリを実行する (どのような語句が最も多く使用されているかを調べる) ことができます。頻出語クエリによって、調査対象者がどのような論点について話しているかを確認できます。
- 属性チャート、アンケート結果の分析
NVivo では自動的にアンケートの回答者をケースとしてまとめ、それらのケースに適用されるケース分類で回答者の回答を属性値に変換できます。属性値を基準にケースをチャート化し、各回答を返した人数を示す棒グラフを生成できます。属性チャートには、2D 棒グラフ、3D 棒グラフ、円グラフなど、いくつかの表示オプションがあります。
追加モジュール(オプション)
NVivo Collaboration Cloud
NVivo Collaboration Cloud は、最大 5 ユーザーの小規模チーム向けです。購入者が最大 4 人のチームメンバーを招待して、NVivo プロジェクトで共同作業を行うことができます。チームメンバーは NVivo Collaboration Cloud を購入する必要はありませんが、メンバー全員が同じオペレーティングシステムで NVivo の最新リリースを使用している必要があります。
NVivo Collaboration Cloud の期間は 1 年です。有効期間中、チームメンバーの変更はできません。
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ワークスペース所有者は、マスタープロジェクトを安全なコラボレーションワークスペースにアップロードします。 チームメンバーはプロジェクトをダウンロードしてオフラインで作業し、準備ができたらアップロードして、自分の作業をマスタープロジェクトにマージします。
NVivo Collaboration Cloud のストレージ許容量は、最大 25 GB です。ストレージ許容量が 100% 使用された場合、ユーザーは古いファイルを削除してストレージ領域を解放する必要があります。
ラボや研究センターなど 1 拠点で作業する大規模チーム(6 ユーザー以上)の場合は、NVivo Collaboration Server を使えばオンサイトサーバに保存されたデータにすばやく安全にアクセスできます。IT 環境内のオンプレミスインストールによって、安全で一元化されたデータストレージとバックアップが提供され、チームメンバーがリアルタイムで同時にプロジェクトに取り組むことができます。NVivo Collaboration Server は NVivo-Windows にのみ対応しています。NVivo-Mac には未対応です。NVivo Collaboration Server のストレージ許容量は、1 ユーザーあたり 5 GB です。
NVivo Transcription
NVivo Transcription は、高品質のオーディオでは 90% の精度で一語一語の文字起こしを提供します。日本語を含む 28 言語に対応し、オーディオファイルの約半分の長さで文字起こしを行います。
NVivo Transcription を使用するには、必要な使用時間(1 時間~10 時間)または年間使用権をご購入ください。
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- クイックアップロード
コンピューターまたはモバイルデバイスからさまざまなオーディオファイル形式をオンラインプラットフォームにアップロードします。 アップロードされたすべてのデータは暗号化され、安全に保管され、厳格な機密性と HIPAA 標準に従って参加者のプライバシーを保護します。
[アップロード可能なファイル形式]
.mp3, .mp4, .wav, .aac, .aiff, .amr, .asf, .au, .caf, .flac, .ra
- リッチテキストエディター
自動文字起こしをすばやく確認し、スピーカーにタグを付け、必要に応じてメモを追加して変更を加え、太字または下線付きでテキストを強調できます。 完了したら、文字起こしを直接 NVivo にインポート、または他のプログラムにエクスポートできます。
[エクスポート可能なファイル形式]
.docx または .txt