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December 8, 2015 in News & Press
(2015 年 12 月 8 日) ワシントン州ベルビュー – エンジニアと科学者向けデータ可視化解析ソフトウェアの開発企業である Tecplot, Inc. は、本日、同社の主力製品 Tecplot 360 EX が新型宇宙船オリオンの耐熱シールドの設計に使用されたことを発表しました。
オリオンの耐熱シールドは、ハイテク繊維とセラミックスで作られた保護ブランケットで、ミッションの成功に不可欠です。耐熱シールドの外側の層は大気圏への再突入時の加熱によって燃え尽きるように設計され、それによって内側の層が保全され、宇宙船の生存性が確保されます。
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再突入時の耐熱シールド周りの温度と気流を予測するため、エンジニアチームは NASA エイムズ研究センターのアークジェット風洞で耐熱シールド材を分析し、その結果を CFD (数値流体力学) シミュレーションで生成した結果と比較しました。そこで Tecplot 360 EX は CFD の結果を分析し、視覚化し、理解するためのポストプロセッサとして使用されました。
Tecplot ソフトウェアによって、エンジニアは NASA が開発した2種類の CFD ソルバー、DPLR (Data Parallel Line Relaxation:データ並列線緩和) と LAURA (Langley Aerothermodynamic Upwind Relaxation Algorithm:ラングレー空気熱力学風上緩和アルゴリズム) によって生成されたシミュレーションを可視化することができたのです。DPLR および LAURA ツールは、物体が地球の大気圏に突入したときに生じる高温の物理的性質をシミュレートします。
NASA のチームでは、約 2,000 の DPLR および LAURA のシミュレーションを実行し、Tecplot 360 EX を使ってそれらのシミュレーションを分析しました。耐熱シールドを通過する大気中の分子の摩擦における既知の物理的過程に基づいて、大気圏突入時に耐熱シールド表面温度がどれほど高くなるのかがシミュレーションによってわかります。他のテストによって耐熱シールドが溶ける温度が判明しているため、シミュレーションがそれより低い温度を示す場合は、オリオンは再突入プロセスの部分を耐え抜くと安全に予測できます。
NASA は、昨年後半にオリオン・プログラムの最初の試験飛行を実施しました。計画通り進めば、オリオン宇宙船は 2025年までに小惑星に、2030年代に火星に人間を上陸させる予定です。
最初の試験飛行は無人でした。オリオンは、人間を乗せ、溶岩の2倍の温度を通り抜けた他の宇宙船よりも遠くの宇宙空間に旅するように開発されました。この飛行は、実際の飛行条件の下でオリオンのクリティカルなシステムをテストすることだけが目的でした。
オリオンの次の無人試験飛行は、2017年後半または 2018年前半の予定です。