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壁面の立方体突起物まわりの流れの渦を可視化

中程度のレイノルズ数の 3Dチャネル流の立方体突起物まわりの流れの研究により、あらゆるレイノルズ数の立方体の側面のトルネード状渦も表示

米国海軍士官学校およびジョージ・メイソン大学の研究者は、立方体突起物まわりの流れの馬蹄渦を明確に視覚化するために Tecplot 360 EX を使用しています。

砂浜に立ってみて、波が打ち寄せるとともに足元の砂が崩れていくのを感じたことがあるならば、流体の大きな影響を直接経験したことになります。つま先と足という名の界面に波が当たったとき、せん断を作る渦が起き、砂の粒子を連れ去るのです。その一方で、足はその場にとどまり、砂の中にゆっくりと沈んでいきます。夏の日にこの現象を観察することは魅惑的な娯楽です。しかし、水や風、その他の流れる物質の流体力学にさらされる構造物を保全する必要がある人にとって、これらの力は深刻な問題を引き起こします。

「川、湖、または海底に支柱を埋め込んだ橋が一例としてあげられます」と、メリーランド州アナポリスのアメリカ海軍士官学校の数学部の研究員である Anastasios Liakos氏は言います。「断面が四角い支柱の場合、馬蹄渦を明確に視覚化できれば、エンジニアが支柱の変形と戦う一番良い方法を決定するのに非常に役立ちます。箱上の突起が、翼の下にある航空機にも同じことがいえます。変形を最小限にすることができればできるほど良いのです。」

図1。研究者たちは、中程度のレイノルズ数の 3Dチャネル流での立方体突起物まわりの流れの研究で、馬蹄渦を明確に可視化しました。また、すべてのレイノルズ数での立方体の側面のトルネード状渦も表示しました。

過去30年間の流体流動を研究してきた多くの研究者たちの作業を元に、Liakos氏と彼の同僚であるバージニア州フェアファックスのジョージ ・メイソン大学 物理・天文・計算科学学部のNikolaos A. Malamataris氏は、3D実画像で馬蹄渦を初めて明確に可視化し、この研究を一歩前進させました。

「他の研究者がこれらの渦を可視化していましたが、明確ではありませんでした。ご存知のとおり、それらは工学的設計に役立つ程の十分な解像度はありませんでした。このような複雑な構造を生成するため、立方体まわりの流れには鮮明さは必要不可欠です。」Liakos氏 は言います。「けれども、先人たちの最初の努力がなければ、我々はこの研究を行うことはできませんでした。これは段階の一つに過ぎません。」
メリーランド州アナポリス、アメリカ海軍兵学校数学科研究員Anastasios Liakos

 

クリープ条件下における流れの研究

図2。立方体突起物の上流に形成される馬蹄渦の右半分のクローズアップ。計算による研究で初めて、馬蹄渦が3D実画像で表示されています。対称面に沿った圧力と臨界点の段階的な研究によって、実在する逆圧力こう配が、クリープ流れ条件で現れ、一定の大きさを取得すると馬蹄渦が現れることを示しています。馬蹄渦はレイノルズ数1266で現れます。
図3。Malamataris氏とLiakos氏は、立方体の側面のトルネード状の渦流が、シミュレートした流れのすべてのレイノルズ数で存在していたことを発見しました。立方体の側面とチャネルの底壁の間に形成される二面角によって渦が現れます。レイノルズ数が大きくなるにつれて、せん断が増加し、この渦の形状はツイストされます。

3次元の流体力学を基本的に理解するため、Malamataris氏とLiakos氏はクリープ条件下および層流の全範囲での流れを研究する必要がありました。つまり、低いレイノルズ数から中程度のレイノルズ数まで広い範囲にわたって 3次元流れを調べたのです。

彼らはカスタムの並列有限要素コードを使用して数値シミュレーションを行いました。計算領域は実際の研究室の実験条件によって設計され、結果の分析は分離の 3次元理論を使用して行われました。最終段階として、Tecplot 360 EX にインポートしました。

 

テクニカルサポート

「Tecplot技術サポートの素晴らしさについては語り尽くせません。」Liakos氏は言います。

「Tecplotは安定した洗練されたソフトウェアプログラムで、驚くべきことを行うことができます。しかし、定期的に特定の機能を使用しない場合は、機能を使いこなせなくなり、機能があることすら忘れるかもしれません。私は自分たちがやりたいことをわかっていましたし、Tecplot 360 EX でそれを行なえることもわかっていましたが、知識をリフレッシュしなければなりませんでした。私が技術サポートに電話すると、彼らは非常に親切で、私の話すことを正確に理解し、効率的かつ正確に我々の結果を可視化する方法を示してくれました。素晴らしかったです。」

 

温度と時間の影響

これは Liakos氏と Malamataris氏のコラボレーションの始まりにすぎません。彼らは、温度、時間、および非対称境界の効果を含めて、立方体突起物まわりの流れに関連するその他のパラメーターを調べる計画です。

「せん断はオブジェクト周辺の温度に影響します。」と Liakos氏は言います。「温度の幅広いバリエーションが問題を引き起こす可能性があるので、材料と設計を確実に取り扱うことが必要です。」

「Tecplot がなかったら、このようなことはできませんでした。」と彼は付け加えています。

 

 

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