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新機能と使用法: Rev C.01

  • 構造最適化のアルゴリズムとオプションの変更
    • 構造最適化の過程で誤った曲率の領域からステップダウンするときに含めるためのモード選択が改善されました。これはルートオプションによってもコントロールできます。

      Opt=NoDownHill 下降を試みない:単に RFO 類似のステップをとる。
      Opt=NGoDown=m 下降ステップをとる際に最大 m 個の固有ベクトルを混合。デフォルトは 3。

    • 直線に近い折れ曲がり(これは高い頻度で内部座標に含まれます)は、以前より高い信頼性を持って処理されます。これによって、ほぼ直線の角度が厳密に直線になってしまうという、多くの最適化の問題を回避することができます。
    • QST2 と QST3 の最適化で TS の内部座標を生成する際に反応物と生成物の結合性指標がマージされます。
    • これまで構造最適化(後のリスタートも含む)に許された最大ステップ数を減らすことができます。これは、大規模なシステムに対し、メモリとディスク使用量を減らす目的に有効な場合があります。
    • 最適化中に分子の標準配向が 180度反転するかどうかをプログラムはチェックし、反転を避けます。最適化や IRC などを GaussView でアニメーション化する時のジャンプを回避することができ、SCF 収束も向上しました。
    • 内部座標を生成するためのメモリ割り当ては、%Mem で与えられるメモリ量に比例します。十分に大きなメモリを提供したとしても以前は失敗したような、非常に大きな原子数または内部座標を持つジョブでも実行可能にします。
    • デフォルトでは、潜在的な水素結合のための内部座標を自動的に生成しません。そうであっても、もしなかったらばらばらになってしまうフラグメントを連結するための結合座標は追加されます。つまり、フラグメントを接続するような水素結合の座標は含まれます。
  • BD一点計算では、相関は持ってないが BD Fock 行列を使用して更新される内殻軌道を使ったフローズンコアがデフォルトになりました。以前のデフォルトは、HF 値からもしくは BD=Read で読み込んだ軌道から内殻軌道を変更しないままでした。新しいデフォルトでは、初期軌道の選択に依存しないエネルギーを生成します。BDによるグラジエント計算では、フローズンコアではなく全軌道が必要で、これがデフォルトです。OldFCBD キーワードは、古いスタイルのフローズンコアを要求します。
  • あるマシンでは、大容量のメモリがある場合にフルダイレクト積分変換とフルダイレクト MP2 が選択されますが、セミダイレクトアルゴリズムはより高速です。Default.Route ファイルに Tran=SemiDirect を記述すると、MP2 だけでなくより高いレベルの post-SCF 計算の変換がセミダイレクトアルゴリズムに強制されます。MP2 のような手法のキーワードを Default.Route ファイルに記述するとすべての計算にそのモデルを強制してしまうことになりかねないので、指定は無視されることに注意してください。
  • post-SCF 法に関して、Output=WfnOutput=WfX は、Density=CurrentPop=NOAB がデフォルト設定になります。両方とも post-SCF 密度を .wfn/.wfx ファイルに保存するために必要だからです。これらのファイルに保存される力の方向の問題、ROHF 波動関数や線形従属な基底系からそれらを生成する問題も修正されています。
  • COSMORS 用に生成されたファイルをローカルシミュレーションプログラムへの入力として使用する利用者のために、G09 にこの機能を復活させました。
  • 二次超分極率を要求するために、より説明的なオプションとして、Polar=Gamma を追加しました。これは Polar=(DCSHG,Cubic) と同義です。
  • RevTPSS 交換相関汎関数が追加されました。
  • SDD は、アクチニドのより新しい基底系をデフォルト設定にしました。以前のデフォルトにするには OldSDD を使います。
  • テラバイトとテラワードの単位でメモリとディスクの割り当てを指定するために、TBTW が使用できます。
  • SAC-CI の Direct オプションが利用可能になりました。これは、大きな分子に適した直接積分アルゴリズムを要求します。
  • Link0 コマンドに %OldChk が追加されました。%OldChk で指定されたチェックポイントファイルの内容は、ジョブステップの開始時に現在のジョブステップのチェックポイントファイルにコピーされます。これは、チェックポイントファイルの内容を壊さずに以前の計算からデータを取り出すようにするためです。
  • 第一遷移金属の cc-pVDZ に Diffuse (aug-) 関数が追加されました。
  • Windows 64-bit 版が利用可能になりました。

 

Gaussian 09 Revisions B.01 から C.01 のバグフィクスとマイナーチェンジ

  • 巨大な ONIM(MO:M) や純粋な MM 振動計算に必要なメモリ量が軽減されました。
  • Amber 力場の improper torsion の定義は、分子中の原子の順番に依存します。典型的な蛋白質に関する Amber プログラムにおける計算は、PDB ファイル中の残基や残基中の原子が標準的な順番のためつじつまが合っていますが、GaussView で作成した一般的な分子に対しては結果が、任意なやり方で並んだ原子の順番に依存します。G09 は、Amber の improper torsion で取りうる6つの原子の順番の平均を取るように変更されて、結果は標準的な Amber 力場とは若干異なるが、エネルギーは分子中の原子の組み合わせに依存しません。
  • RESP 電荷フィッティングのために必要なデータを含むように、Pop=MK の間に IOp33 を使って増やしたプリント出力はリストアされてきました。しかし、G09 は、Pop=MK ジョブに IOp(6/50=1) を指定することで、AnteChamber のためのデータファイルを直接、生成することができるようになりました。そして、これが RESP のための入力を生成する推奨された方法です。
  • PCM 溶媒和のもとでの CIS 振動計算のバグがフィックスされました。
  • Default.Route ファイル中の MaxDisk 指定は、複合ジョブの全てのステップに適用されます;以前は、最初のステップのみデフォルト設定されていました。
  • AM1 のための AlpB パラメータの読み込みを阻害するバグがフィックスされました。
  • SCVS 計算の収束性がより注意深くチェックされるようになりました。
  • Stable=Opt ジョブの Pop=SaveBio が、安定性チェック計算を間違えさせるか失敗させる原因となていました。現在、これは適切に動作し、波動関数が安定化された後にのみ二重直交化軌道が保存されます。
  • 外部点電荷は、シンメトリがオンの状態で機能します。
  • フローズンコアを用いた TD-DFT グラディエントのバグがフィックスされました。
  • NMR 遮蔽定数のためのプリント指定が、999 原子より多い場合にも機能するようフィックスされました。
  • d 関数を伴った内挿された(解析的ではない)パラメータを使った DFTB のバグがフィックスされました。
  • 低速ファイルシステムに対する書き出し命令が完了しないという、あまりない問題がフィックスされました。
  • Freq=VibRot の過程でコリオリ項のプリント出力がリストアされます。
  • 大きな単位胞を持つ PBC 計算でメモリ割り当ての問題のいくつかがフィックスされました。
  • Symm=Loose により分子構造を修正する方法でいくつかのケースで発生した不整合がフィックスされました。
  • NoSymm 指定時の ROMP4 三重項エネルギーのバグがフィックスされました。
  • CBS 外挿法で表示される不安な印象を抱かせる不要な警告メッセージがオフになりました。
  • マイクロイテレーションが行われ失敗して終わった ONIOM(MO:MM) ジョブがリスタートできます。
  • ONIOM 法で ECP を読み込む際、複数の軌道中心に同じ ECP が置かれた時のバグがフィックスされました。
  • IRCFreq を指定すると、TS ではなく IRC の最後の構造について振動計算が行われてしまうため、この組み合わせは受け付けません。
  • Douglas-Kroll-Hess 法と物性キーワードの非サポートの組み合わせは、間違った答えを出すよりは、エラーメッセージを出すことにしました。
  • 電荷を持つ分子に ECP を使う際、デフォルトの (Harris) イニシャルゲスの生成のバグがフィックスされました。ECP を使って生成したイニシャルゲスの質も向上しました。
  • 現在の CPU モデルに関してより高い性能のために、FMM 法の使用/不使用の選択や他の積分オプションのいくつかのデフォルト値が更新されました。
  • Formchk ユーティリティでは、もし、値が 1013-1 を超える場合、「******」ではなく「-1」を書式化チェックポイントファイルに書き出します。これにより、unfchk や他のユーティリティで fchk ファイルを処理することができます。
  • ONIOM 法を使って数値的振動計算を行った後、 Geom=Check に影響するバグをフィックスしました。
  • SCRF 法と BDW1BD を組み合わせると正しく動かないので、ルートカードの生成時に受け付けなくしました。
  • ほとんどのプラットホームで、新しい ATLAS BLAS ライブラリを利用しています。これにより、非常に大きなメモリを使う際にあったいくつかの問題が解決されています。しかし、何らかの遅延が起こる場合、ルートカードに IOp1=NoAssem を指定することで ATLAS 行列積ルーチンの使用に切り替えることができます。
  • SAC-CI ジョブで計算された励起状態間の遷移モーメントの報告における問題がフィックスされました。
  • DFT 法の経験的分散とゴースト原子の組み合わせは動作します。経験的分散と PBC 組み合わせは用意されてないのでエラーメッセージが出ます。
  • ROHF/RODFT の「Opt Freq」は、第二ステップで制限開殻波動関数に関して Freq=Numer を実施することで、正しく動くようになりました。
  • Frank-Condon 計算は、禁制遷移にも正しく機能します。
  • TD と double-hybrid DFT 法の組み合わせは、かつて動いたことがない(以前は、double-hybrid の SCF の部分だけを使って TD が計算されていました)ので、ルートカードの生成時に受け付けなくしました。
  • IRC=(RCFRC,GradientOnly) 計算では、チェックポイントファイルの Hessian マトリクスを正しく使います。
  • 巨大な系に対しメモリ割り当てのバグがあり、「NIJ > Max2 in MMCore」というメッセージを出して異常終了する原因になっていましたが、フィックスされました。
  • Window 版で External キーワードが正しく機能します。使用例は、g09\tests\com\test726.gjf を参照してください。
  • Windows 版 Gaussian09 のフロントエンド G09W が書き出すマルチステップジョブで、「–Link1–」が切り捨てられていた問題がフィックスされました。

 

参照: