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Gaussian 03 Rev D.01 における新しい機能と変更点

Rev D.01 の新しい機能

  • NMR スピン-スピン結合計算が2ステップで実行できるようになりました。NMR=Mixed によって、2つのジョブステップが実行されます。まず最初に、ユーザーの指定する基底系が、フェルミ接触項に適合するよう変更されます。つまり、コアのために基底をアンコントラクトし、厳密な polarization 関数が追加されます。
    次のステップで、スピン-スピン結合の他の3項が標準の基底で実行されます。2番目のステップが終了すると最終的な計算結果がレポートされます。ここには、最初のステップでなされたフェルミ接触の寄与が含まれています。これにより、スピン-スピン結合定数の精度が大きく改善され、とくに、6-31G** や Aug-CC-pVTZ といった典型的な valence-oriented な基底系ではその効果が顕著です。

  • NMR=Susceptibility の指定によって、遮蔽テンソルと共に帯磁率 (magnetic susceptibility) を計算できます。

  • External が拡張され、スクリプトの柔軟なコントロールが可能になりました。外部プログラムにおいて解析的な2次微分を行うことができます。

  • Linda ワーカーを制御する link 0 コマンドの追加:
    %LindaWorkers=node1[:n][,node2[:n]…]
    このように、計算に参加させる各ノードの TCPノード名をリストします。デフォルトでは、各ノードで一つのLinda ワーカーが起動しますが、オプションによりこれを変更できます。例えば、4プロセッサ SMP 機である machine1.myorgedu と、8プロセッサ SMP 機である machine2.myorgedu を使って計算を実行するには、次のように指定します。
    %NProcShared=4
    %LindaWorker=machine1.myorg.edu,machine2.myorg.edu:2
    これにより、machine1上では1つの Linda ワーカーが実行され、4ウェイの SMP パラレル計算が実行されます。また、machine2 上では、2つの Linda ワーカーが実行され、各ワーカーで 4-way の SMP パラレル計算が実行されます。
    • 使用上の注意:
      %LindaWorkers%NProcLinda コマンドを同時に使用しないでください。G03 は、%LindaWorkers の入力に基づき、Linda ワーカーの総数を算出します。
    • g03l スクリプトは、もはや必要なくなりました。
    • Linda は、常にマスターノード上で1つのワーカーを起動します。このノードが %LindaWorkers に記述されていない場合、G03 プロセスにより追加されます。G03 が次の入力と共に machine0 上で実行されれば、
      %LindaWorkers=machine1.machine2:3.machine3
      ジョブは、6つのLinda ワーカー (machine2上で3つ、machine1、machine3、machine3で各1つ) を起動します。

  • Stable=(Opt,QCOnly) キーワードにより、Stable=Opt 計算において、正規 SCF (L502) 計算を抑制できます。

  • TPSSTPSSBMK 汎関数が追加されました。

  • 振動計算において、零点エネルギーはアウトプットの最後のサマリーブロックに含まれます。

  • オプションの付かないルートキーワード Pseudo は、 Pseudo=Read となります。

Rev. D.01 の新しいハードウェアへの対応

  • Intel EM64T が新たにサポートされます。Gaussian 03 のバージョンは AMD Opteron で使用するものと同一になります。

  • Red Hat Enterprise Linux Version 4 Update 2 は、 IA32、AMD Opteron、EM64T および IA64 環境に対応しますが、当面はバイナリ形式のみサポートされます:ソースコードからのビルドは RedHat の供給するローダーのバグのためできません。また、オペレーティングシステムが ISO 形式のイメージとして配布される未修正のバージョンのみがサポートされるという点に注意してください。

  • Windows システムで並列計算がサポートされます。SMP (共有メモリマルチプロセッサ)システム環境下にあるマルチプロセッサで CPU をまたがる並列計算を実行できます。(デュアルプロセッサなどが一般的です)。また、LAN 経由で接続されている個々のマシン(ノード)においても並列処理によるジョブを実行できます。後のケースは、Gaussian 03W Multiprocessor バージョンのほかに Linda 製品が必要となります。これら 2種類の並列計算の実行は、単一のジョブとして組合わせて実行することもできます。

  • Gaussian 03W のマルチプロセッサ版は、すでにリリースされているシングル CPU 版とは異なるライセンス形態と価格体系となります。