25.10 対応のある t 検定の最小サンプルサイズを決定する

対応のある t 検定について、最小のサンプルサイズを決定することができます。同一個体に対して単一の処理、または、条件変更を行いその事前と事後に違いがあるか否かを調べるには、対応のある t 検定を使用します。処理効果の大きさは、正規分布に従うものと仮定されます。詳しくは、対応のある t 検定をご覧ください。

対応のある t 検定のサンプルサイズを決定するには、以下の内容を設定する必要があります:

 

対応のある t 検定のサンプルサイズを求めるには:

  1. ワークシートを画面に表示させた状態で、Analysis タブをクリックします。

  2. SigmaStat グループから以下を選択します:

    Sample SizePaired t-test

    Paired t-test Sample Size ダイアログボックスが表示されます。
    Paired t-test Sample Size ダイアログボックス

  3. Change to be Detected ボックスには、処理の事前と事後の変化の大きさを入力します。ここで期待する処理効果の大きさは、過去の実験から決定することも、あるいは、単なる推定値とすることもできます。

  4. Expected Standard Deviation of Change ボックスには、変化の標準偏差の大きさを入力します。ここで期待する大きさは、過去の標本や実験から決定することも、あるいは、単なる推定値とすることもできます。

  5. Desired Power ボックスには、希望する検出力、すなわち、検定の感度を入力します。検出力とは、真の差がある場合に、対応のある t 検定によって差が検出される確率です。検出力の値が 1 に近づくほど、その検定の感度は高くなります。伝統的に検出力に要求する値は 0.80 です。これは、信頼水準 1– α で (たとえば、α = 0.05 であれば信頼水準は 95%)、指定した効果を検出する確率が 80% であることを意味します。

  6. 希望する危険水準 (Alpha) を入力します。アルファ (α) は、誤って差があると結論付けることを許容する確率です。伝統的に使用される α の値は 0.05 です。これは、20回に1回の確率で誤りを許容する、すなわち、P < 0.05 であれば有意差があるとの結論を下そうとするつもりであることをあらわします。

    α を小さくすると、有意差があるとの結論を下す要件がそれだけ厳格になりますが、実際は差があるにもかかわらず差がないと結論を下してしまう確率 (第二種の誤り) も高くなります。α を大きくすると、差があるという結論を下すのが容易になりますが、それだけ、誤判断を下す危険性 (第一種の誤りを犯す確率) も高くなります。

  7. = をクリックすると、指定した条件における対応のある t 検定のサンプルサイズが表示されます。サンプルサイズの計算結果はこのダイアログの一番上に表示されます。必要があれば、任意の設定内容を変更して、= をクリックしなおすことで、何度でも条件を変えて検出力を表示させることができます。

  8. Save to Report をクリックすると、サンプルサイズの計算の設定内容とそれによって得られた結果が現在のレポートに保存されます。
    レポートに表示された対応のある t 検定のサンプルサイズの結果

  9. Close をクリックすると対応のある t 検定のサンプルサイズの計算を終了します。