13.23 Standard Curve

標準曲線 (Standard Curve) は、測定機器や化学分析データの検量線作成に使用します。Standard Curves マクロには、お使いのデータにあてはまる5つの方程式が用意されています。単純な直線方程式から、5パラメータの2種類のロジスティック方程式まで選択することができます。

X データは対数スケールであることも、そうでないこともあります。対数でない場合でも対数スケールを使ってグラフをあらわすことができます。Y 列には、反復列 (Y replicate) を使用することができます。

カーブフィットを実行したら、予測値を得ることができます (X から Y 値、Y から X 値、および xx パーセンテージから ECxx 値を予測できます)。求められた予測値には、X および Y 軸へのドロップライン付きのシンボルとしてグラフに追加することができます。

局所的な極小値を複数含む難しいカーブフィッティングの問題の解決には、ダイナミックカーブフィッティングのアルゴリズムを使用することができます。通常これらは、5パラメータのロジスティック関数で役立ちます。

 

13.23.1 Standard Curve マクロを使用する

Standard Curve マクロを使用するには:

  1. Worksheet に X と Y 列または、X と反復する複数の Y 列を入力します。これらの列は隣り合って配置する必要があります。詳しくは Y Replicates をご覧ください。計算された曲線から X または Y の予測値を計算する場合は、別の列にソース値を入力する必要があります。

  2. カーブフィットに使用する方程式を Equation リストから選択します。次のオプションが用意されています: four parameter logistic equation (4 パラメータロジスティック方程式)、five parameter logistic equation (5 パラメータロジスティック方程式)、five parameter logistic equation – 2 slopes (5 パラメータロジスティック方程式 – 2 勾配) 。

  3. プロットの X 軸に常用対数目盛りを使用するかどうかを選択します。

  4. フィッティングが困難な場合は Dynamic curve fit を選択します。この場合、パラメータ範囲にある複数の初期値を使用して 200 のカーブフィットが実行されます。200 の結果から最適なフィッティングが選択されます。

  5. X と Y データとして使用する列を設定します。X データが既に対数形式で用意されている場合は Log format X data オプションにチェックを入れてください。

  6. X データの各ポイントに、反復測定された Y データがある場合は Y replicates を選択し、最後の Y の反復列を選択します。

  7. フィッティングの解を使用して結果を計算するには Predict unknowns を選択します。特定の X からの新規 Y 値、または特定の Y 値からの X の列を計算することができます。Four または Five Parameter Logistic 方程式を使用している場合、特定のパーセント値の範囲に対して ECpercent を計算することができます。Standard Curve (標準曲線) でこれらの結果をプロットすることもできます。

  8. 設定が完了したら OK をクリックします。Standard Curve (標準曲線) が表示され、追加の値の計算を選択した場合、X および Y 値を示す下降線を使用してこれらもプロットされます。
図 12.17 Standard Curve (標準曲線) グラフ

 

13.23.2 Y Replicates

各 X 値に対して複数の測定値がある場合は、Standard Curve ダイアログボックスで Y replicates を選択し Last Y replicate column ドロップダウンリストから列を選択します。Y replicate 列は X データのすぐ右から開始しなければなりません。

図12.18 Standard Curves Macro (標準曲線マクロ) のための Y Replicate (Yの反復) データ

 

13.23.3 Log Data Format

X データに単純な整数、特に負数が使用されている場合は、既に対数形式ですので、Log format X data オプションを選択する必要があります。マクロは自動的に対応する数値データの新規列を作成し、対数軸目盛り上に自動的に X をプロットします。

図 12.19 Standard Curves Macro のための Log Data Format (対数データ形式)

 

13.23.4 線形方程式 (Linear Equation)

傾き a y - 切片 y0 からなる直線。

 

13.23.5 2次方程式 (Quadratic Equation)

2次係数 b、傾き a と 切片 y 0 からなる一般的な放物型方程式。

 

13.23.6 4パラメータのロジスティック方程式

図 12.20 変数傾斜パラメータからなる典型的な用量反応曲線

 

これは各種傾斜パラメータからなる典型的な用量反応曲線です。次の 4つのパラメータが生成されます:

 

13.23.7 5パラメータのロジスティック曲線

ここで

xb=EC50*10^((1/Hillslope)*log(2^(1/s) - 1))

 

図12.21 Richard の 5パラメータのロジスティック式

 

これは、Richard の 5 パラメータロジスティック式です。4 パラメータロジスティックに非対称パラメータ ’s’ が加わります。上に示した非対称曲線では、 s が大きくなるほど曲線の下側にある湾曲が大きくなりますが、曲線の上部での変化はそれに比べて小さくなっています。

xb に関する追加の代数方程式は、 y 値の最大値の半分の値としての EC50 を維持します。この方程式は x と共に増加する曲線内で Hillslope が正になるよう記述されました。

5パラメータの内 4つは、4パラメータロジスティックにあるのと同じものです。

s – は非対称性を制御します。例えば s = 1 の場合、この関数は 4 パラメータロジスティックと同じです。 s が 1 より小さければ曲線全体の傾きが小さくなります。一方、1 より大きければ曲線全体の傾きが大きくなります。

 

13.23.8 5パラメータのロジスティック - 2 Slope

xb=EC50*10^((1/Hillslope)*log(2^(1/s) - 1))

ここで

xb=EC50*10^((1/Hillslope)*log(2^(1/s) - 1))

xb=EC50*10^((1/Hillslope)*log(2^(1/s) - 1))

xb=EC50*10^((1/Hillslope)*log(2^(1/s) - 1))

図 12.22 2つの"勾配”パラメータからなる Ricketts and Head 方程式

 

これは 2つの "勾配" パラメータからなる Ricketts and Head 方程式です (パラメータによって 2つの異なった湾曲がより良く表現されます)。Richard の方程式とは異なった形状でいくつかのデータセットにはこちらの方がより良くあてはまります。この方程式は Slope 1 と Slope 2 を同じ符号にする SlopeCon によって書かれています。そうでない場合は、まれに異符号の傾きによるフィッティングでエラーになることがあります。この場合、関数はエラーに従おうとし、結果として不規則に形成された曲線になります。このグラフでは SlopeCon の増加に伴って上昇する非対称曲線が示されています (そのため Slope 2 が増加しています)。SlopeCon =1 の場合、Slope 1 = Slope 2 で曲線は対称で 4 パラメータロジスティック曲線と同一になります。

 

13.23.9 参考文献

  1. Richards, F.J. A flexible growth function for empirical use. J. Exp. Botany 10. pp290-300.
  2. Ricketts, J.H. and G. Head. A five-parameter logistic equation for investigating asymmetry of curvature in baroreflex studies . Am. J. Physiol. 277 (Regulatory Integrative Comp. Physiol. 46). R441-R454. 1999.