4.14.12 Helical Wheel

Helical Wheel 解析は、α ヘリックスの中心軸からペプチドセグメントを見下ろして投影するものです。らせん軸から側鎖がどのように突出して分布しているのかが、これを見てすぐにわかります。この解析は、Schiffer & Edmundson の論文 [Biophys. J. 7:121 (1967)] で紹介されているものです。このセットアップは、図 4.57 のようになります。

図 4.57: Helical Wheel 解析のセットアップパネル

 

このセットアップパネルで指定する必要のある情報は、側鎖特性の計算で使用するテーブルのみです。ヤツメウナギ (lamprey) ロドプシンのアミノ酸 230~250 に関するこの解析の出力結果を示したのが図 4.58 です。

図 4.58: Helical Wheel 解析の出力結果

 

この解析は、ペプチドの α らせんセグメントを見下ろすものなので、解析する α らせん構造のセグメント長を適当なサイズに制限する必要がある点に注意してください。最初に、Chou-FasmanGOR 解析を同じペプチドに実行することで、α らせん領域を特定できると思います。Helical wheel 解析をシーケンス全体に対して実行しても出力結果はそれなりに見えますが、それによって有益な情報が伝わることはありません。各スポットの直径は、疎水性 (hydrophobicity) または親水性 (hydrophilicity) の度合いをあらわします。Object メニューを使えば、凡例 (legend)、ガイドサークル (guide circles)、アミノ酸位置の番号 (numbering of the amino acid positions) の表示と非表示を切り替えることができます。この事例でアミノ酸の疎水性と親水性を示すのに使用したテーブルは Kyte & Doolittle です。

ユーザー独自のテーブルを作成する場合、フィールドに入力した最小値と最大値が、このプロットやその他のプロットのラベルとして表示されます。