18. 円錐曲線の軌跡

サンプルデータ:

可視化するのは非常に困難ですが、Geometry Expressions を使うことできわめて分かりやすくなる幾何学問題をもうひとつ紹介します。2つの直線上の2つの点を対応させてできる2つの範囲からできる円錐曲線の軌跡です。この状況を示したのが、以下の2つの図です。

まずはじめに3つの点 A, B, C と、2つの直線 Line1 と Line2 を作成します。作図の手順は以下の通りです:

  1. 直線 1 の上に任意の点 X を配置します。最初の直線は水平になるよう作成し、配置した点の座標は (a,0) を選択します。こうして与えられたパラメータ a が軌跡の作成に使用されることになります。
  2. 次に、X と与えられた3つの点の1つ目 A によって定まる直線を定義します。
  3. この直線と与えられた2つ目の直線 (Line2) により、唯一の点 Y が定まります。
  4. 変動点 X と与えられた2つ目の点 B により直線 XB が定まります。
  5. 点 Y と与えられた3つ目の点 C により唯一の直線 YC が定まります。
  6. 直線 XB と YC により、以下にグリーンで示した唯一の点 Z が定まります。

X を Line 1 に沿って動かすと、それに応じて Z も移動します。はっきりとは分かりませんが、以下に示すように Z によって円錐曲線がトレースされています。

 

ここでパラメータ a の値を動的に変化させると、点 Z が円錐曲線をトレースするのを確認できます。さらに、この特定の円錐曲線は、最初の3つの点と2つの直線の位置によって定められます。Geometry Expressions では、ユーザー自身がこれらの点や直線を動かすことで、円錐曲線の軌跡全体を動的に変化させることができます。以下の図は、点 A を別の位置にドラッグしたもので、A の移動に応じて円錐曲線が双曲線から楕円に変化しています。