17. 有理4次式

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代数曲線を学ぶ上で重要な問題のひとつに、ある曲線が有理式であらわせるか否か、すなわち、有理関数を使ってパラメータ化することのできる曲線の決定があります。この問題で重要な点は、曲線における重複点の概念 (例:ループとカスプ(尖端)の関係) です。代数曲線が有理式であらわせることと、それが有する特異点の数と種類の間には密接な関係があります。しかし、この関係は単純ではありません。例えば、3つの重複点をもつ4次式は必ず有理式になりますが、重複点の数がそれより少ない4次式でも有理式になるものがあります。これは、学生にとって可視化することがきわめて役に立つ絶好の問題です。

上の図で赤の曲線と青の曲線はいずれも有理4次式です。座標がシフトしている点を除けばパラメータ化された式はどちらも同じだからです。2つの曲線の間にある表示上の違い (実平面上で赤の曲線には3つの重複点があるのに対して、青の曲線には重複点が1つしかない) は、係数 a, b, c, d, g, h, i, および j の選択が違うだけです。