チュートリアル 17:ショットガン・クローニング

制限酵素を用いて DNA を切断し、断片化した DNA のひとつひとつをベクターに挿入しなければならないことがよくあります。GCK 3 を使えば、ショットガン・クローニングと呼ばれるこのプロセスを自動的に処理することができます。

  1. サンプルファイル lambda.gcc (Windows の場合、データファイルに拡張子 .gcc を付けて開いてください)を開き、HindIII(および EcoRI)部位が既にマークされていることを確認してください。
    lambda.gcc

  2. Bluescript KS+.gcc コンストラクトを開き、Construct > Features > Mark Sites を使って HindIII 部位にマークを付けます。
    Bluescript KS+.gcc
    HindIII 部位にマーク
    Construct > Features > Mark Sites
    Mark Sites ダイアログで
    HindIII を選択
     

  3. Bluescript KS+HindIII 部位を示すマーカーテキストをクリックして選択してください。HindIII で切断される DNA 部位のカーソル位置を指定できます。


  4. Tools > Shotgun Cloning… を選択します。


    lambdaHindIII 断片をすべて取り出し、それらを Bluescript KS+ ベクターの HindIII 部位にクローニングすることにします。この事例では、標的部位(Target)に Bluescript KS+ ベクターを、DNA ソース(Source)に lambda をそれぞれ選択します(下図)。


    なお、別の制限酵素を選択しても、それらすべての部位を GCK 3 が探し出してくれます。ダイアログでは、出力先のフォルダを選択したり、「Create a folder to contain the constructs」の前にあるチェックボックスをクリックして必要なフォルダを作成することができます。作成されるコンストラクト・ファイルのルート名を定義し、その後に連番が振られるよう設定することもできます。この事例では、test-0, test-1, test-2 …という具合になります。図のように設定できたら、Generate Constructs ボタンを押してください。

  5. 自動生成されるコンストラクトの内容について確認を求めるダイアログが表示されます。出力されるコンストラクトの数が何百個にも及ぶような場合でも、このダイアログが表示されることで、不用意に沢山のファイルを出力させてしまうことはありません。この例で出力されるファイルは5件です。内容を確認したら、OK ボタンを押してください。


  6. 指定したフォルダに5つのコンストラクト・ファイルが作成されます。
    生成されたファイル

    コンストラクトの中身はそれぞれ右下のようになっています。ベクターの HindIII 部位にはそれぞれ異なる lambda DNA 断片が挿入されています。DNA 断片が挿入された領域はあらかじめ選択状態になっています。

    Bluescript KS+ の HindIII 部位
    719|720
    ターゲットとなる
    Bluescript KS+ ベクター
     
    HindIII 部位に挿入された
    5種類の lambda DNA 断片
    test-0.gcc
    720|2746
    test-1.gcc
    720|3041
    test-2.gcc
    720|10135
    test-3.gcc
    720|1283
    test-4.gcc
    720|7401