5.5 不完全消化 (Partial Digests)

制限酵素による消化で完全な切断ができず、余計なバンドがゲルにできてしまうことが時々あります。GCK を使えば、こうした不完全消化 (partial digest) をシミュレーションし、実験室で行ったゲルの結果と実際に見比べて検討することができます。不完全消化で表示させたいダイジェストのレーンを選択したあと、Gel > Show Partial Digest… を選択します。図 5.4 のようなダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックスの左側にあるスライドコントロールを使って、消化の度合いを設定できます。左側のスケールは切断される数で、右側のスケールは完全消化に対する割合をあらわします。“also show fragments from complete digest” チェックボックスにチェックを入れると、不完全消化の断片が青の点線で表示されるのに加え、完全消化の断片が実線で描画されます。“show only partially digested fragments” ラジオボタンは、不完全に消化される断片のみ (その内部に部位を含む断片) を、一方で、 “show all fragments from partial digest” では、不完全に消化される断片と完全に消化される断片の両方がダイジェストに点線で表示されます。

図 5.4:Partial Digest ダイアログ

任意のレーンについて不完全消化のパラメータを変更するには、再度 Gel > Show Partial Digest… を選択します。Gel メニューから Gel > Show Full Digest を選択すると、レーンが完全消化 (complete digest) で表示されます。