3.20 データのエクスポート

GCK で作成された情報をエクスポートするには、プログラムのウィンドウタイプそれぞれについていくつもの方法があります。データをエクスポートするには、File > Export… を使用します。Tutorial 12: “塩基配列およびその他の情報のインポートとエクスポート” では、塩基配列のエクスポートに関する問題を説明しています。

 

コンストラクトのエクスポート

コンストラクトがコンストラクトウィンドウにグラフィックで表示されている場合、File > Export… を選択すると、図 3.41 に示すようなウィンドウが表示されます。デフォルトの条件 (ダイアログが最初に表示されるときの出力形式) は、コンストラクトとして保存するに設定されています。これは、通常の GCK 形式です。PICT を選択すると、現在アクティブになっているウィンドウのコンストラクト画像が Macintosh PICT ファイルとして保存されます。PICT ファイルは、 Macintosh および Windows 環境の画像処理アプリケーションのほとんどで読み込むことができるファイル形式です。PICT ファイルの読み込みに対応していない Windows プログラムで画像を処理したい場合は、コンストラクトの画像を JPEG としてエクスポートすることができます。このオプションを使えば、コンストラクト画像を高機能な画像処理プログラムの特殊効果を使用して編集することができます。なお、PICT ファイルにはコンストラクトの画像は含まれますが、塩基配列情報は一切含まれない点にご注意ください。

図 3.41:グラフィックコンストラクトのエクスポート例

 

DNA Sequence as TEXT File を選択すると、コンストラクトの塩基配列を内容とする TEXT ファイル (Windows では *.txt ファイル) が生成されます。このファイルは、任意のテキストエディタで開くことができます。TEXT ファイル形式は、ASCII ファイル形式とも呼ばれ、ASCII ファイルの取り扱いに対応した、メインフレームコンピュータのほとんどを含む任意の OS のコンピュータに転送することができます。これは、GCK で作成した塩基配列情報を他のプログラムへ転送し、解析を実行するための手段として役立ちます。GCG File を選択すると、塩基配列とそれに関連するコメント (現在表示されているコンストラクトのもの) を “Wisconsin Package” GCG ファイルとして保存します。このファイル形式は、塩基配列情報を格納する多くのプログラムで使用される一般的な形式で、異なる解析プログラムを持つ仲間と塩基配列ファイルを共有するのに非常に便利です。

Comments as TEXT File オプションは、現在のコンストラクトの全ての世代 (generation) に関連付けられたコメントの全リストを保存します。このリストは、世代および複製起点 (または 5' 末端)からの距離ごとに並べられます。これを使うと、コンストラクトの全世代で作成された全てのオブジェクトに含まれる情報をハードコピー (印刷物) として保管する場合に役立ちます。このコメントファイルの形式リストについては、付録の "コメントの出力形式" をご覧ください。

コンストラクトをコンストラクトウィンドウで塩基配列として表示している場合、File > Export… を選択すると、図 3.42 に示すようなウィンドウが表示されます。この事例の場合、Formatted Listing as TEXT file という追加オプションがあります。このオプションは、全ての行番号、制限酵素部位、間隔、および、アミノ酸配列をの情報を含んだテキストファイルを生成するものです。なお、出力されるファイルの内容を他のアプリケーションで表示させる場合、Monaco や Courier などの等幅フォントを使用しないと正しい書式で表示されない点にご注意ください。

図 3.42:塩基配列コンストラクトのエクスポート例

 

現行バージョンのプログラムを使っていないグループ間で共同作業をしやすくするために、GCK 2.5 ファイル用にエクスポートするオプションも用意されています。このメニューは、コンストラクトの表示がグラフィックであっても塩基配列であっても選択することが可能で、旧バージョンの GCK の形式でコンストラクトの複製を保存することができます。コンストラクトの特性のうち互換性のないもの (プライマー、イントロン、ページ設定情報など) は、出力される GCK 2.5 ファイルでは除外されることを告知するダイアログが表示されます。

コンストラクトの表示がグラフィックと塩基配列のいずれであっても File > Export… メニューで利用できる最後のオプションは、情報を GenBank ファイルとしてエクスポートするものです。このエクスポートファイル形式を使えば、GCK コンストラクトファイル内でマークを付けた特徴 (feature) を保存し、その情報を GCK を使うことのできない仲間と共有することができます。GenBank の標準形式で定義された feature がテキストファイルとして出力されます。