新規購入お見積

APIS IQ 7.0 新しい機能

  1. はじめに
  2. 変換とデータ交換
  3. 機能安全について
  4. FMEA MSRについて
  5.  

    操作画面の変更

  6. 新しいインプットコレクター
  7. ワークスペースのツールバー
  8. 構造リストと機能/故障分析でのオートコンプリートのサポート
  9. 構造リストと機能/故障分析の拡張入力フィールド
  10. 新しい折り畳み操作
  11. 自動的に最後の構造レベルを作成
  12. 構造ツリーのフォーカス
  13. ホットクリック・シンボルに対するコンテクストメニュー
  14. オブジェクトの背景色
  15. 新しいオブジェクト・インスペクタ
  16. オブジェクト・インスペクタ内の空の行を隠す
  17. 階層の変更(表示オプション、ドキュメント設定、ワークステーション設定)
  18. 拡大縮小
  19. カタログ ― インスタンスのカウントの詳細
  20. 複数のコピー
  21. 構造のモジュール化
  22. アプリケーションのコンポーネントの有効化
  23. コンピューター・ベースのトレーニング/学習ユニット
  24. プロセス要素のシステム要素への変換
  25.  

    措置分析とFMEAフォーム

  26. カバーシートへのホットクリック・アイコン
  27. ヘッダーデータからカバーシートを作成
  28. 複数の FMEA フォームを同時に開く
  29. S*O、O*D、S*D 用のフォームシートの列の追加
  30. カッコ内の評価
  31. 措置グループに対するフィルタ条件
  32. Excel エクスポートに色、記号、図が追加
  33. カスケードされた(相対)シンボリック期限
  34. 2レベルを持つ故障ネットに対する RPN/AP 計算
  35. 統計 ― 分析形式のアイコン
  36. 不完全にレーティングされた修正状態を持つ統計
  37.  

    FMEA の処理実績を生成する

  38. 複数の分類を割り当てる
  39. マネジメントレポート・エディタ
  40. サマリ機能
  41.  

    新しい設定

  42. フォントと色/選択色
  43. 他のワークステーションに設定をコピー
  44. ユーザー情報の管理
  45.  

    データの採用と確認

  46. 品質ルール
  47. 監査追跡
  48. フィルタの改良
  49.  

    翻訳

  50. DeepL Pro翻訳サービスとのインテグレーション
  51. プロジェクト/構造で1つの用語コントロールを使用
  52.  

    AIAG/VDA FMEA Handbook (2019)

  53. FMEA スコープ分析
  54. 構造タイプ AIAG/VDA MSA (2019)
  55. Action Priority (AP) カタログ
  56. AP による統計
  57. 評価カタログ
  58. ダイアグラムの埋め込み(例:Boundary Diagram)
  59. P-Diagram
  60. AIAG/VDA フォーム
  61.  

    シックスシグマ・ツール

  62. シックスシグマ・ツール
  63. ペアワイズ比較マトリックス
  64. ハウス・オブ・クオリティ
  65.  

    その他のエディタ

  66. 設計検証計画と報告(Design Verification Plan and Report:DVP&R)
  67.  

    その他

  68. コマンドライン・ブックマーク
  69. 以前に選択した表示をもとにしたパレット表示
  70. 顧客要求管理
  71. 表示の印刷/Web Publisher
  72. プロセスフロー・ダイアグラムの線の色

 

1. はじめに

APIS IQ バージョン 7.0 には、様々なイノベーションが実装されています。本ページは、主要な機能の概要を説明しています。

2019 年 6 月 3 日の AIAG&VDA FMEA Handbook のリリース以来、いくつかの適応を行ってきましたが、本バージョンに対するフィードバックをお寄せください。

さらなる機能や変更は、今後のサービスパックで提供する予定です。

バージョン 6.5 のサービスパックですでに提供されている機能は、それぞれのリリースノートをご覧ください。それらの機能のうちいくつかは本ページでも説明しています。

 

2. 変換とデータ交換

新バージョンをインストールすると、編集するためには古いFMEAドキュメントを変換する必要があります。これは自動的に行われます。APIS IQ ドキュメントを読み取り専用で開くとき、どのバージョンで作成されたものかを判別し、自動的に変換します。1つのディレクトリ内のすべてのドキュメントをまとめて1ステップで自動的に変換することもできます。

※ 変換されたドキュメントは以前のバージョンの APIS IQ では作業できなくなることに注意してください。

最新版を持っていないユーザーにファイルを提供する必要がある場合は、一定期間古いドキュメントを保持しておくことを推奨します。新バージョンの APIS IQ は、以前のバージョンとは異なるプログラム・ディレクトリにインストールする必要があります。

重要:APIS IQ で作成されたドキュメントは、他のプログラムで編集しないでください。データを破壊し、ソフトウェアのエラーの原因となります。

他のシステムとのデータ交換は標準のユーザーインターフェイスを使ってください。

 

3. 機能安全について

バージョン 7.0 では、機能安全に関する大幅な改良は行われていません。つまり、機能はバージョン 6.5 と同じです。しかし、今後のサービスパックで、お客様から寄せられた要望を実装する準備が行われています。

 

4. FMEA MSR について

AIAG & VDA FMEA Handbook (2019) で述べられている頻度(F: Frequency)と監視(M: Monitoring)は、バージョン 7.0 の最初のリリースでは完全に実装されていません。今後のサービスパックで機能を提供する予定です。

 

操作画面の変更

5. 新しいインプットコレクター

インプットコレクターが刷新され、提案リストに加え、オートコンプリート機能が追加されました。これはインクリメンタル検索やフィルタに代わるものです。

図:カタログでのインプットコレクター

入力が Enter キーで確定される場合、タスクペインには次に行うことができる操作が表示されます。例えば、派生や継承に関するものです。オブジェクト形式を変更することもでき、機能、製品、プロセス特性を同時に入力することができます。

 

6. ワークスペースのツールバー

クラシカル表示には、パーソナルデスクトップのワークスペース上部に3つのツールバーが表示されます。表示される操作はアクティブなワークスペースの内容により変わります。

ユーザーはワークスペースに3つのツールバーのどれかを割り当てることができます(メニュー: 表示 | ツールバー | ヘッドラインワークスペース)。

図:パーソナルデスクトップ内の2つのワークスペース。それぞれ割り当てられた3番目のツールバーを持つ

 

7. 構造リストと機能/故障分析でのオートコンプリートのサポート

全文検索やオートコンプリート機能は、これまでテーブルエディタのみで使うことができましたが、Insキーで構造リストや機能/故障分析でも使えるようになりました。

 

8. 構造リストと機能/故障分析の拡張入力フィールド

すべての潜在的に依存しているオブジェクトを構造リストと機能/故障分析に表示することができます。例えば、Ins キーを使って、直接、編集を行うときに表示されます。新しいオブジェクトはオブジェクトをダブルクリックしたり、Enter を押下することで作成することができます。

ダイレクト挿入を有効にすることもできます:「ワークステーション設定」の「一般」で「拡張入力フィールドを有効にする(Activate extended input fields)」を有効にします。

図:拡張された入力フィールド – システム要素で Ins キーを押下した後の表示

 

9. 新しい折り畳み操作

構造ツリーとネット・エディタは+/-記号をクリックすることで、その方向の近接ノードを折りたたんだり、開いたりすることができるようになりました。

特記事項:折りたたんだ記号の線の太さは、1つ、またはそれ以上のレベルが折りたたまれているかどうかを示しています。

図:1つ以上のレベルが折りたたまれているときの記号

 

10. 自動的に最後の構造レベルを作成

FMEA 手法では、プロセス FMEA の分野で原因に対する潜在的なシステム要素として 5M(人、機械、…)を考慮する必要があると説明しています。現実的な理由により、工程ステップの名前が、原因に対するシステム要素の名前によく追加されます。

データマネージャーの属性とカテゴリのエディタで、プレースホルダーを含むシステム要素に従ったいくつかの命名パターンを定義できるようになりました。

これはコンテクストメニューのコマンドによって構造の最後のレベルに作成することができます。

 

11. 構造ツリーのフォーカス

構造ツリーで作業するとき、折りたたんだり、フィルタリングするのとは別に、ネットエディタで作業するようにフォーカスを設定できるようになりました。右クリックメニューで「フォーカスを作成(Make focus)」を選択します。別の方法として、ホットキー Ctrl+K を使うこともできます。

図:2つの選択したシステム要素を持つ構造ツリー

図:選択したシステム要素にフォーカスした構造ツリー

 

12. ホットクリック・シンボルに対するコンテクストメニュー

表示オプションで、ホットクリック記号を表示できるようになりました。V6.5 と V7.0 では、それぞれ構造リスト内では次のように表示されます。

図:V6.5 の構造リスト

図:V7.0 の構造リスト

これらのアイコンの1つをダブルクリックしたときの動きは、バージョン 7.0 でも同様です。

これらのホットクリック記号にもコンテクストメニューが実装されました。どれかを右クリックすると、アイコンにより異なる選択肢が表示されます。FMEA フォームへのホットクリック・コンテクストメニューは次のようになります。

図:FMEA フォーム・アイコンのホットクリック・コンテクストメニュー

V6.5 の標準的なコンテクストメニューを開くには、名前を右クリックする必要があります。「ワークステーション設定 | デスクトップ」でこれらの機能を無効にすることもできます。

 

13. オブジェクトの背景色

V6.5 では、以下のオブジェクトに対して背景色を設定できました。

  • 構造の派生
  • システム要素
  • 措置グループ
  • 措置グループのカテゴリ

V7.0 では、以下のオブジェクトに背景色を設定できます。

  • 構造
  • 機能
  • エラー検出、エラー応答、動作条件
  • 製品特性、プロセス特性
  • 要求
  • DRBFM 修正
  • 故障
  • 検査
  • 応答プラン、制御方法
  • 修正状態、措置グループ、措置グループのカテゴリ
  • 予防措置、検出措置
  • FMEA フォーム、コントロールプラン、プロセスフローダイアグラム、DRBFM フォームシート

例えば、FMEA フォーム内で、原因に背景色を割り当て、影響にも別の色を割り当てることができます。

図:影響と原因に背景色をつけたFMEAフォーム(部分)

 

14. 新しいオブジェクト・インスペクタ

オブジェクト・インスペクターは再設計されました。重要な変更点は:

  • 従来のオブジェクト・インスペクタと違い、エディタとしても実装されました。
  • 複数の選択したオブジェクトを調査し、マトリックス表示することができます。
  • アンドックされたオブジェクト・インスペクタに、縮小表示としてコンテンツを表示することができます。
  • 派生を複数のドキュメント言語(フィルタリングされた表示)で作業できるように拡張されました。

図:選択した措置のマトリックス表示

図:選択した措置の縮小表示

 

15. オブジェクト・インスペクタ内の空の行を隠す

オブジェクト・インスペクタは、空の行を隠す機能が実装されました。

図:V6.5 のオブジェクト・インスペクタのコンテクストメニュー

図:V7.0 のオブジェクト・インスペクタのコンテクストメニュー

 

16. 階層の変更(表示オプション、ドキュメント設定、ワークステーション設定)

FMEA フォーム、ドキュメント設定、ワークステーション設定などの表示オプションをトピックごとにわかりやすくしました。

特記事項:これまでの検索パターンでの作業も可能です。

図:検索パターンのオプション入力を使ったFMEAフォームの表示オプション

 

17. 拡大縮小

エディタの「編集」メニューに、ズーム機能が実装されました。拡大縮小率は 50%、70%、100%、150%、200% です。マウスホイールでも、倍率を切り替えることができます。

マウスホイールでの拡大縮小率は 10% から 390% まで、10% 単位で行うことができます。拡大縮小はすべてのエディタでサポートしています。

 

18. カタログ ― インスタンスのカウントの詳細

カタログはリストの形式で入力項目を表示します。これまでも、コンテクストメニューから、インスタンスのカウントを表示する詳細ダイアログを開くことはできました。

構造エディタの構造リスト内のように、選択したカタログ項目を対比できるように階層的なリストを表示することができるようになりました。コンテクストメニューは、必要に応じてエディタに移動するために「オブジェクトに移動」コマンドが実装されています。

図:リスト表示にインスタンスのカウントの詳細を表示したカタログ

 

19. 複数のコピー

通常のドラッグ&ドロップはオブジェクトを移動、またはコピー(Ctrl キーを押しながらの場合)します。マウスの右ボタンを使ったドラッグ&ドロップ(スペシャル・ドラッグ&ドロップ)は、コンテクストメニューを表示し、いくつかの動作をサポートします。これは1つのターゲットにのみ使うことができます。これはメモのコピーにも使うことができました。

V7.0では、スペシャル・ドラッグ&ドロップで複数のターゲットへのデータの割り当てが可能になりました。これにはターゲット範囲を事前にマークしておく必要があります。

図:ユースケース ― 複数のシステム要素に機能を割り当てる

図:ユースケース ― 措置の割り当て(2つの故障への割り当て)

図:ユースケース ― オブジェクト属性「メモ」のコピー(3つの措置の場合)

 

20. 構造のモジュール化

構造ツリーのシステム要素のコンテクストメニューに、項目「新しい構造に抽出」が追加されました。これは複雑な構造ツリーをいくつかの構造に分割することを可能にします。

注記:新しく作成された構造には派生は含まれません。

図:モジュール化をするときの情報ダイアログ

 

21. アプリケーションのコンポーネントの有効化

APIS IQ には、すべてのユーザーが必要としない機能も含まれています。そのため、「ツール | ワークステーション設定 | 設定」でアプリケーションのコンポーネントを有効化/無効化することができます。

APIS IQ-RM PRO v6.5 では、次のオプションが用意されていました。

  • DRBFM を有効にする
  • メカトロニクス FMEA を有効にする
  • 顧客要求管理を有効にする

V7.0 では、ワークステーション設定に、アプリケーション・コンポーネントごとに分類されて表示されます。次のものが含まれます。

  • メカトロニクス FMEA
  • 機能安全 ― ISO26262 / IEC61508
  • 設計検証計画とレポート(DVP&R)
  • 顧客要求管理
  • 部品機能マトリックス
  • 派生遷移マトリックス
  • イシカワ・エディタ
  • Design Review Based on Failure Mode (DRBFM)
  • Fault Tree Analysis (FTA)
  • Design for Six Sigma (DfSS)
  • 外部データ統合(eXternal Data Integration:XDI)インターフェイス

注記:機能が無効化されても、FME ファイル内のデータは失われません。対応するエディタのみが、「エディタ」メニューに表示されなくなります。

 

22. コンピューター・ベースのトレーニング/学習ユニット

「ヘルプ | 学習ユニットを開く」でアクセスできる学習ユニットがなくなりました。

代わりに、どのように APIS IQ を使うかのビデオを作成し、www.apis-iq.com または YouTube で見ることができるようにしました。

 

23. プロセス要素のシステム要素への変換

V7.0 では、構造ツリーは、オブジェクト属性と依存オブジェクトを持つシステム要素のみを表示できます。

V6.5 では、プロセス要素は自動的にシステム要素へ変換されていました。

 

措置分析と FMEA フォーム

24. カバーシートへのホットクリック・アイコン

管理ダイアログ「FMEA フォーム管理」と「コントロールプラン管理」が、カバーシート・アイコンを表示するようになりました。

これはホットクリックとして使うことができ、ダブルクリックするとそれぞれのカバーシートが開きます。

図:管理ダイアログの「カバーシート」ホットクリック・アイコン

カバーシートに切り替えるときに、「ツール | フォーム/レポート」メニューではなく、管理ダイアログ内のコンテクストメニューを使うことができるようになりました。

 

25. ヘッダーデータからカバーシートを作成

FMEA フォームのヘッダ領域のコンテクストメニュー(右クリック)に、「FMEA カバーシート」が追加されました。これはカバーシートを作成、開くために使うことができます。

 

26. 複数の FMEA フォームを同時に開く

ドキュメント設定の「複数の FMEA フォームを開くことを可能にする」を使うと、FMEA フォーム管理で複数の FMEA フォームを選択し、1つのワークスペース内に表示できるようになります。

非常に大きなグループのフォームを扱わずに作業できるようになります。コンテンツは非常に柔軟に1つの画面に一緒に表示することができます。

これは「ドキュメント設定」の「一般」で設定することができます。

 

27. S*O、O*D、S*D 用のフォームシートの列の追加

表示オプションを使って、S*O、O*D、S*D の乗算結果が入る追加の列を、FMEA フォームに表示できるようになりました。

図:FMEA フォーム―追加された S*O 列

表示オプション「評価に色を使う」が有効であるとき、これらのパラメーターに従って背景色が塗られます。FMEA フォームのそれぞれの表示は次のようになります。

図:ダイアログ「カラーコーディングのパラメーター」

 

28. カッコ内の評価

修正状態がまだ完了状態になっていないことを認識しやすいように、少なくとも措置の1つが完了していない場合、O と D の評価をカッコ内に表示するようになりました。

 

29. 措置グループに対するフィルタ条件

新しいフィルタ条件が、措置グループに追加されました。これらは O/D 評価や AP 内の評価低減を決定するために使うことができます。

図:措置グループレベルの拡張されたフィルタ条件

 

30. Excel エクスポートに色、記号、図が追加

表形式の表示(例:FMEA フォーム)の Excel エクスポートが拡張され、色、記号、図もエクスポートできるようになりました。

図:APIS IQ ― セル内に色が追加 FMEA フォーム(部分)

図:MS Excel ― エクスポートされた xlsx ファイルの FMEA フォーム(部分)

 

31. カスケードされた(相対)シンボリック期限

措置の期限に対して、シンボリック期限を割り当てることができます。それに従う特定の期限は、必要に応じて後から定義したり、変更することができます。

一連の期限を持つプロジェクトに対して、シンボリック期限は他のシンボリック期限を参照することができます。階層構造の1つ下のレベルに位置することを意味します。

より上位のレベルでの期限の変更は、下のレベルの期限に影響します。

「編集 | 順序整理」またはドラッグ&ドロップで、割り当てや順序整理を行うことができます。

データマネージャーのシンボリック期限の表示は、アウトライン名またはインデントされた文字列です。

図:インデントされた文字列の場合のカスケードされたシンボリック期限

 

32. 2レベルを持つ故障ネットに対する RPN/AP 計算

故障ネット内の RPN/AP の計算では、S評価は最上位の影響レベルから取得されます。これにより、2つのレベルしか持たない故障ネットにおいても RPN/AP を計算できます。

注記:これまではS評価は、1つ上のレベルから取得されていました。

 

33. 統計 ― 分析形式のアイコン

ツールバーにあるいくつかの分析形式のアイコンを、拡張ツールバーに移動しました。新しい分析形式:頻度分析 AP のアイコンが追加されました。

図:3つのツールバーを表示した統計エディタ

 

34. 不完全にレーティングされた修正状態を持つ統計

「ドキュメント設定」で、S、O、D の評価が完全ではないときに、統計が故障を考慮するかどうかを設定することができるようになりました。これは、対応する分析が完全な評価を必要としない場合にのみ、使うことができます。例えば、リスクマトリックス SxO は、D 評価なく、故障を考慮することができます。

ドキュメント設定「統計:一般:完全にレーティングされていない修正状態の評価を許可する」で設定できます。

 

35. 複数の分類を割り当てる

ドキュメント設定の、プロパティ・ダイアログの分類は変更することができ、1つ以上の分類を割り当てることができます。

図:複数の分類の設定が有効になっている場合の分類ダイアログ(部分)

分類設定画面で、対応する「複数の分類の割り当てを可能にする」の設定を見つけることができます。

 

FMEA の処理実績を生成する

36. マネジメントレポート・エディタ

マネジメントレポート(メニュ「ツール | フォーム/レポート」)を使うと、定期的な状況報告書を作成、管理することができます。事前に定義された領域に、レポートの表示を定義することができます。フィルタと一緒に、品質ルールとプレースホルダーを使うと、処理実績を決定し、自動的に維持することができます。

図:マネジメントレポートの例

特別なテンプレートを使うと、分析結果をまとめたレポートを作成できます。このサマリは文書化プロセスで使うことができます。

図:パーセント計算と自動的に割り当てられた背景色を持つマネジメントレポートの例

レポートはバージョンを保存することができ、エクスポート/インポートすることができます。必要に応じてレポートを比較することもできます。

図:差分をハイライトしたマネジメントレポートの比較の例

 

37. サマリ機能

サマリ機能は処理実績を決定することを可能にし、フィルタの概念に基づいています。サマリ機能は、例えば、メモのテキストテンプレートや IQR(Individual Quality Report)として PIM 内で使うことができます。

ダイナミックなプレースホルダーだけでなく、分析が実行されるときに永久に処理実績の値を保存することができます。そのためにはスタティックな情報への変換が必要になります。変換するにはプレースホルダーの”%”を手動で”%%”に変更するか、選択した情報のコンテキストメニューを使います。

図:サマリー機能で動的に処理実績を計算

V6,5において、サマリー機能はすでに最適化されています。例えば、カウントされた結果にはIQエクスプローラーへのリンクがあり、フィルターを使った検索が実行されます。カウントされた結果から結果のリストを表示することができます。

 

新しい設定

38. フォントと色/選択色

フォントと色の設定画面が改良されました。

Windows の選択色とは別に、独自の選択色を持つことができます。デフォルトの黄色は、必要に応じて変更することができます。

 

39. 他のワークステーションに設定をコピー

TPL ファイル(=TemPLate ファイル)を使うと、設定を他のワークステーションにコピーすることができます(ワークステーション設定 | 設定 | システム最適化 | その他)。

 

40. ユーザー情報の管理

ユーザー情報ダイアログは、表示されないように無効化することができます。これらのダイアログは、「ツール | ワークステーション設定 | ユーザー情報を再度有効化する」を使って、再度有効にすることができます。向こうに慣れたダイアログとユーザー選択を管理することができるようになりました(ツール | ワークステーション設定 | ユーザー情報の管理)。

注記:「ユーザー情報の管理」ダイアログは、コンテクスト情報、情報ダイアログのテキスト、フォームの選択を表示します。

 

データの採用と確認

41. 品質ルール

品質ルールは FMEA の成熟度を決定し、異常を発見するための追加の概念です。必要なルールは、予め定義されたルールのカタログから選択することができます。アシスタントルールと異なり、ユーザーが新しいルールを作成することを想定していません。

品質ルールは、次のエディタで使うことができます:

  • 管理レポート
  • 機能/故障分析(FFA)
  • IQ エクスプローラー

候補リストを使い、「品質ルール」コマンドを選択すると、特定の品質ルールを選択するためのダイアログが表示されます。

品質ルールに一致するオブジェクトをハイライトしたり、検索した後、例えば、次のようなステップをとることができます。オブジェクトインスペクタを開く、次のハイライト項目に移動する、などです。

図:品質ルールの選択ダイアログ

 

42. 監査追跡

APIS IQ-FMEA PRO と APIS IQ-RM PRO のレベルの製品では、医療技術の規制環境(GxP)に関する機能が含まれます。コンピューター支援システム(ここでは APIS IQ)に対する次の4つの要求事項を満たす必要があります:

  • 定義されたアクセス:アクセスは権限のあるユーザーのみ可能です。割り当てられたロールは書き込み権限を提供します。
  • コンピューターが生成した変更ログ(いわゆる監査追跡):理由と署名付きで、誰が何を変更したか?それはいつか?どこで、なぜそうしたか?
  • バージョン管理を含むすべての改訂状態をアーカイブする:リリースされた変更のみ使用可能で、承認されます。チェックアウトされた作業中コピーのみ、編集することができます。各作業中コピーはドキュメントのバージョンに変換され、読み取り専用アクセスのみ許可されます。
  • ドキュメントのバージョンの電子承認手続き:電子署名の使用(ロール、日時を含む誰が行ったか)

この機能は APIS IQ では、監査追跡と呼びます。ドキュメント設定で有効にでき、LDAP サーバー経由でのログインと組み合わせる必要があります。

図:ドキュメント設定 ― 管理

有効にした後、現在の fme ファイルに対する承認プロセス経由で変更をログに保存することができます。こうして、手続きの一部のみ、あるいは全体を渡すことで、FMEA のマイナーバージョン、メジャーバージョンを生成することができます。また、その次のワークフローもサポートしています。

 

43. フィルタの改良

システムフィルタがトピックごとに整理されて表示されるようになりました。必要なフィルタをより簡単に見つけ出せます。

図:システムフィルタ

  • 複数のメモカテゴリで作業するとき、関連するメモカテゴリの選択が簡単になりました。
  • システム定義のフィルタ、例えば、「常に故障/機能ネットにリンクしない」などが追加されました。
  • FMEA フォームに「最大 RPN」または「将来の日付」条件を持つパラメータ化されたシステム定義のフィルタが追加されました。

 

翻訳

44. DeepL Pro翻訳サービスとのインテグレーション

Linguee 社の DeepL Pro 翻訳サービスはソフトウェアベースの翻訳を提供します。

ワークステーション設定で DeepL への認証キーを入力する子おtができるようになりました。これにより選択したオブジェクト(例えば、用語と翻訳)を自動的に翻訳することができるようになりました(メニューコマンド「編集 | 翻訳(独->英)」。

 

45. プロジェクト/構造で1つの用語コントロールを使用

FME ファイルにおいて複数のプロジェクト/構造を使うとき、用語と翻訳に、特定のプロジェクト/構造内のインスタンスを持つオブジェクトのみを表示できるようになりました。

プロジェクト/構造にメニュー「表示 | 制限」が追加されました。

注記:用語と翻訳を閉じる時に、この制限はリセットされます。

 

AIAG/VDA FMEA Handbook (2019)

46. FMEAスコープ分析

ステップ1:AIAG & VDA FMEA Handbook (2019) の手法の部分で説明されている「計画と準備」は、新しいエディタ「FMEA スコープ分析」でサポートされています。選択マトリックスにおいて、異なる評価基準を割り当てることができます。

使われる基準は、構造タイプによって提供され、管理エディタ「評価基準(FMEA スコープ)」(メニューコマンド「管理 | 属性とカテゴリ」)内のエントリに基づいています。これらは個別に選択を外すことができ、順序も変更することができます。

構造の既存のシステム要素を選択することができますが、エディタで新しいシステム要素を直接作成することもできます。

図:「FMEA スコープ分析(デフォルト)」エディタ

図:「FMEA スコープ分析(コンプレックス)」エディタ

メモや参照FMEAへのリンクなどの詳細情報を入力することができます。

 

47. 構造タイプ AIAG/VDA MSA (2019)

AIAG & VDA FMEA Handbook (2019) では、新しい FMEA タイプ、FMEA for monitoring and system response (MSR) が導入されました。APIS IQ でも新しい構造タイプ AIAG/VDA MSR (2019) が使用可能になりました。

図:構造タイプの選択リスト

 

48. Action Priority (AP) カタログ

AIAG & VDA FMEA Handbook (2019) で説明されている手法に従って、DFMEA、FFMEA、FMEA-MSR に対する Action Priority (AP) 用のカタログが実装されました(「管理 | AP カタログ」メニュー)。

図:「APカタログ」ダイアログ(部分)

他の評価カタログのように、さらに独自の AP カタログを作成し、管理することができます。

 

49. AP による統計

新しく実装された Action Priority (AP) に対する統計機能が追加されました。

図:AP 頻度分析

 

50. 評価カタログ

AIAG & VDA FMEA Handbook (2019) で説明されている手法に従って、Severity (S)、Occurrence (O)、Detection (D) に対する2つの評価カタログが統合されました。

  • AIAG/VDA (2019) DFMEA
  • AIAG/VDA (2019) PFMEA

FMEA-MSR については、Severity (S)、Frequency (F)、Monitoring (M) に対する評価カタログがあります。

  • AIAG/VDA (2019) FMEA-MSR

注記:FMEA-MSR に関しては、Occurrence (O) の代わりに Frequency (F)、Detection (D) の代わりに Monitoring (M) を使うことは、特によりグローバルに考えると、問題を起こす可能性があります。例えば、いくつかのテーブルの統計やラベルにおいて、Occurrence (O) が、「名前を変えた」Frequency (F) を含むことがあり、同じことが Detection (D) と Mononitoring (M) についても同じことが言えます。

 

51. ダイアグラムの埋め込み(例:Boundary Diagram)

ブロックダイアグラム・エディタは、異なるソースからグラフをインポートすることができます。

グラフィックス内で、領域を定義し、IQ オブジェクトに割り当てることができます。これにより双方向のリンクが作成されるため、グラフィックスから IQ オブジェクトへ、あるいはその逆に同期させることができます。

図:ブロックダイアグラム・エディタへのインポート・オプション

インポートされたファイルが既に対応する情報を持っている場合には、手動で領域を定義し、IQ オブジェクトにリンクする必要はありません。これらのデータフォーマット(.svg や .xml)を使うと、領域、オブジェクト、リンクは自動的に作成され、後で調整することができます。

ブロックダイアグラム・エディタには、.fme ファイル内のすべてのブロックダイアグラムを管理するためのダイアログがあり、ダイアグラムのバージョンを作成できます。

注記:LieberLieber 社は Enterprise Architect (EA) のダイアグラムをエクスポートするコネクタを開発しました。これはシステム要素、機能/製品特性を APIS IQ で開くことができる .xml ファイルにエクスポートすることができます。

図:自動的に作成された構造を表示したブロックダイアグラム

 

52. P-Diagram

パラメーターダイアグラム(エディタ:Pダイアグラム)は、ある機能に注目し、次のような情報を入力できます:

  • 入力
  • 出力
  • エラー状態
  • コントロール因子
  • ノイズ因子(あらかじめ定義されたカテゴリで)

図:Pダイアグラムに対するホットクリック・シンボルが表示された「Function1」

図:Pダイアグラム(例)

注記:ユーザーが選択することができる P ダイアグラムにはいくつかのレイアウトがあります。

使用可能なノイズ因子のカテゴリは、データマネージャー(「管理 | 属性とカテゴリ」メニュー)で必要に応じて編集することができます。

 

53. AIAG/VDA フォーム

AIAG & VDA FMEA Handbook (2019) で説明されている手法基づき、新しい FMEA フォームが追加されました。

新しい AIAG/VDA フォーム・エディタは、デフォルトですべての情報の列を横に並べて表示します。

図:AIAG/VDA フォーム

「スタック表示」に切り替えることで、列の数を減らすことができます。この表示では、3つのレベルのシステム要素と機能が別に上部に表示されます。

図:AIAG/VDA フォーム ― スタック表示

これらのオプションは AIAG/VDA のステップ2から6までの処理を可能にします。

Annex A で説明されている AIAG/VDA2019 の手法で説明されている他のレイアウトは必要に応じて追加されます。

単純な、実用的なソリューションとして、実績のある VDA96/06 レイアウトも適用でき、新しい AIAG/VDA 2019 レイアウトも既存の FMEA フォームエディタに統合されました。このレイアウトはエディタの「表示 | フォーマット | レイアウト」メニューで表示することができます。

図:AIAG/VDA2019 レイアウトによる FMEA フォーム・エディタ

必要に応じて AIAG/VDA フォーム内のすべての情報を表示することもできます。他の項目と同様、表示オプションで設定することができます。

図:表示オプションで拡張したAIAG/VDA 2019レイアウトのFMEAフォーム・エディタ

注記:AIAG/VDA のステップ2と3は、従来のエディタ、または新しいエディタでも実行可能です。特に構造エディタや機能ネットエディタを使います。

 

シックスシグマ・ツール

54. シックスシグマ・ツール

シックスシグマ・ツールは、APIS IQ-FMEA PRO と APIS IQ-RM RPO に含まれます。シックスシグマのための設計(Design for Six Sigma / DfSS)のコンセプトをサポートしています。

使用可能なエディタは、ペアワイズ比較マトリックス(Pairwise Comparison Matrix:PWC-Matrix)とハウス・オブ・クオリティ(House of Quality 1-3:HoQ)です。顧客要求管理に既に入力されている顧客要求も、PWC マトリックス内の最初の CTQ 特性と対比することができます。

図:シックスシグマ・ツールを有効にしたときの追加のエディタ

図:シックシグマ・ツール ― ロバスト設計のためのサポート

 

55. ペアワイズ比較マトリックス

「ペアワイズ比較マトリックス」エディタは、シックスシグマのための設計(Design for Six Sigma / DfSS)をサポートしているエディタの1つです。デフォルトでは無効になっています。他のアプリケーション・コンポーネントのように、「ワークステーション設定 | 設定 | アプリケーション・コンポーネント」で有効にすることができます。

このエディタは、「重要」または「重要度低」を選択することで、顧客要求を相互に比較することを可能にします。

図:3つの顧客要求を使ったペアワイズ比較

 

56. ハウス・オブ・クオリティ

HoQ エディタ(House of Quality)では、CTQ 特性(Critical to Quality)が、CPP 特性(Critical Process parameters)を導く CDP 特性(Critical Design Parameters)に続きます。これらすべては、互いに比較され、優先順位付けされます。

可能な優先順位付けは:

  • 0 = 相関なし
  • 1 = 相関低/相関疑わしい
  • 3 = 相関中
  • 9 = 相関高

シックスシグマ・ツールを有効にしたとき、特性の「プロパティ」ダイアログ内の「属性」タブには、特性が CTQ、または DCP、CPP 特性として分類されるかを決定する選択肢があります。それぞれに分類された製品特性は、HoQ1、HoQ2、HoQ3 で使うことができます。HoQ エディタで直接新しい特性を作成することもできます。

図:HoQ 1 ― 顧客要求 / CTQ

 

その他のエディタ

57. 設計検証計画と報告(Design Verification Plan and Report:DVP&R)

DVP&R 機能は、ワークステーション設定で有効にすることができ、次の機能を使うことができます:

  • DVP&R エディタは、「エディタ」メニューで表示することができます。
  • FMEA フォームのように DVP&R は独自の設定項目があります(「管理 | DVP&R 管理」メニュー)。注記:以前のバージョンでは、DVP&R は、名前を付けて保存したり、独自のヘッダ情報を管理できませんでした。
  • 予防措置と検出措置のプロパティ・ダイアログは、DVP&R に含めるべき属性を持っています。検出措置に対しては、この属性はデフォルトで有効になっています。つまり、検出措置はDVP&Rの「試験名」の列に自動的に表示されます。
  • 図:DVP&R フォーム(部分)

DVP&R に直接作成した試験は、検出措置として構造に追加されます。

 

その他

58. コマンドライン・ブックマーク

IQ-YRL-Reference は、これまで外部システムから APIS IQ 内のオブジェクトにジャンプする機能を提供してきました。これは APIS IQ に対するパラメーター化した呼び出しのように動きました。

コマンドライン・ブックマーク(Command-Line Bookmark)を使うと、外部システム/アプリケーションのパラメーター化された呼び出しを、APIS IQ の外部、例えば、顧客苦情管理システムに行うことができます。

コマンドライン・ブックマークの定義は、「ツール | ワークステーション設定 | 設定 | システム最適化 | その他」メニューから行う必要があります。

図:コマンドライン・ブックマークでインテグレーションするためのパラメーター

定義をすると、選択したオブジェクトにコマンドライン・ブックマークを挿入することができます。呼び出しに使うことができるパラメーターは、選択したオブジェクトで使うことができるオブジェクト属性に対応します。ブックマークを開くと、外部プログラムを、例えば、パラメーター ID Number で開くことができます。

 

59. 以前に選択した表示をもとにしたパレット表示

パレット表示は、プロセスフロー・ダイアグラムとコントロールプラン等で、割り当てられたシンボルを切り替える簡単な機能を提供します。

これまで新しい表示は全くの空で、シンボルを改めて埋める必要がありました。

バージョン 7.0 では、既存の表示を選択することができ、新しい表示のテンプレートとして使うことができます。これは、すべてのマッピングがコピーされ、必要な変更のみ行う必要があることを示しています。

 

60. 顧客要求管理

APIS IQ-FMEA PRO と APIS IQ-RM PRO のバージョン 6.5 では、顧客要求管理を有効にすることができましたが、v7.0 ではすべての製品で顧客要求管理の機能を使うことができます。

統合された顧客要求管理はデフォルトでは無効になっています。他のアプリケーション機能と同様、「ワークステーション設定 | 設定 | アプリケーションコンポーネント」で有効にすることができます。

この機能はバージョン 6.5 と変わりません。顧客要求エディタと期限顧客要求エディタで、プロジェクトに割り当てられた顧客要求を処理することができます。

図:顧客要求エディタにおける顧客要求

顧客要求管理からの情報は、シックスシグマのための設計(Design for Six Sigma:DfSS)に関するいくつかの機能に対する重要な入力を提供することができます。

 

61. 表示の印刷/Web Publisher

表示の印刷と Web Publisher は、各選択したコンポーネントに対する設定を選択する多くの機能を提供します。表示オプションを変更するか、フィルタを設定することができます。

追加の情報を出力に統合することができるようになりました。例えば、表示の印刷に追加のシートとして統合できます。追加の情報は選択したオブジェクトにバッチで入力することができるメモなどから取得されます。

図:表示の印刷のコンポーネントでメモを使う例

 

62. プロセスフロー・ダイアグラムの線の色

プロセスフロー・ダイアグラムの接続線を、属性「色」で設定できるようになりました。

図:色属性を赤にしたPFDの接続線