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衝突クレーター形成実験のデータ解析

東京大学 新領域創成科学研究科 松井・杉田研究室 山本 聡 研究員

山本研究員は、衝突クレーター形成実験のデータ解析に IGOR Pro を利用されています。 研究室にご訪問させていただき、お話を伺いました。

質問: ご研究内容と IGOR Pro の活用方法について、簡単にご説明いただけますか?

山本 聡 研究員

私は地球や惑星の形成と進化において、天体衝突がどのように関わってきたかを明らかにしたいと思っています。これらを明らかにするには、天体衝突現象を物理的に解釈することが重要です。そこで、室内衝突実験を行い、高速ビデオカメラを用いたクレーター形成過程の詳細観測を行っています。この場合、高速ビデオカメラで得られる大量の画像データをいかに効率よく解析するかがポイントとなります。

そこで、IGOR Pro プロシージャ (注1) を作成することで、画像処理や回帰分析(注2)、また測定結果値のデータベース化等を自動的に行っています。この自動化のお陰で、実験で得られる大量のデータに対して、非常に効率よく解析を行う事が出来ています。

質問: いつ頃から IGOR Pro を利用されていますか?

修士の頃に、人に勧められて使いはじめました。’93~94年頃からですので、10年以上は使っていますね。

質問: 最後に IGOR Pro の気に入っている点を教えていただけますか?

▲ 画像処理プロシージャと出力結果の例

IGOR Pro はよく言われるように初心者には少し敷居が高いかもしれません。しかし、実は比較的大雑把な命令でも、柔軟に操作ができます。そして、いったん使いこなせるようになると、かゆいところまで手が届く多彩な機能が搭載されている点が気に入っています。

また、デフォルトでは余計なことを一切しない、必要な機能だけを付け足していけるところも気に入っています。

▲ IGOR プロシージャー解析によって得られたクレーター断面図
▲ IGOR プロシージャー解析によって得られたクレーター断面図
(注1) IGOR Pro プロシージャ
IGOR Pro には独自のプログラミング言語があり、この言語で書かれたスクリプトを IGOR Pro プロシージャと呼びます。この言語を使用することで、データファイルの読み込みから、解析、グラフ化、印刷に至るまで、あらゆる IGOR Pro 上での操作を自動化(マクロ化)することができます。
(注2)画像処理と回帰分析
IGOR Pro には、画像解析や回帰分析(フィッティング)といった解析機能を、上述のプロシージャや XOP (外部機能拡張) によって追加することができます。多数の機能が標準で搭載されており、IGOR Pro XOP Toolkit (別売) を使うことでユーザ自身が開発することも可能です。

今回の研究訪問は、東大生協柏店様のご協力のもとに実施されました。 
 東大生協柏店 TEL 04-7135-8117