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レッスン3:カーブフィッティング

このセクションを学ぶには、あらかじめ以下の操作法を知っておく必要があります:

このレッスンを終えると、以下の知識が身につきます:

 

カーブフィッティング

Regression Wizard (回帰ウィザード) の使用

お持ちのデータに対する曲線のあてはめは、科学分野のグラフで最も必要とされる機能のひとつです。SigmaPlot には、100以上の曲線が用意されていますが、ユーザー独自の曲線を追加することもできます。

  1. ワークシートまたはノートブックを新規に作成して、SigmaPlot フォルダに用意されている Binding.xls ファイルをインポートします。


  2. データ列をすべて選択して、Simple Scatter– Error Bars (単一エラーバー付き散布図) を作成します。


  3. Graph Wizard (グラフウィザード) の Symbol values ドロップダウンリストから、Row Means を選択します。


  4. 完了 をクリックします。

 

単純なカーブフィットの実行

  1. プロットされたデータポイントのいずれかを右クリックして、Curve Fit コマンドを選択します。


    Regression Wizard (回帰ウィザード) があらわれます。様々な方程式がカテゴリ毎に分類されています。


  2. Equation Category ドロップダウンリストを変更しながら、Equation Name (方程式名) をスクロールしてみましょう。どのようなタイプのモデルがどの程度あるのかがおおよそお分かりいただけると思います。

  3. この例は標準結合曲線ですので、Equation Category から Hyperbola (双曲線) を選び、Equation Name の一覧から Single Rectangular, 2 Parameter (一番上の数式) を選択します。

 

結果のレポートへの保存

  1. Next ボタンをクリックし、もういちど Next をクリックすると解析の途中結果が表示されます。

    決定係数 (R square) の値に問題はなさそうなので、レポートの作成に進みます。

  2. Next をクリックしたら、次のダイアログで Results の選択肢すべてと、Create Report が選択されているかを確認します。


  3. Finish をクリックします。

 

回帰結果の表示

Regression Wizard (回帰ウィザード) によって、ワークシートに Parameter (パラメータ) と Residual (残差) の値が示され、フィッティングしたカーブのプロットおよび、統計レポートが作成されます。ここで、パラメータ "a" と "b" の関係を見てみましょう。

 

方程式のプロット

  1. Graph Page に戻り、曲線を右クリックして、Plot Equation を選択します。


    Plot Equation ダイアログボックスが表示されます。


  2. Library タブをクリックして、Single Rectangular, 2 Parameter Hyperbola モデルを選択したら Select ボタンをクリックします。

  3. Solve タブをクリックします。

  4. ワークシートで、2番目のパラメータ ("b") の値 (列 4, 行 2) を右クリックして、コピーします。

    b パラメータは、最大結合能の半分 (half the maximum saturation) に等しい y 値を持つ、解離定数 Kd です。

  5. Plot Equation ダイアログボックスの Solve タブで、x テキストボックスを右クリックして、パラメータ値をペーストします。


  6. Evaluate をクリックします。


  7. f 値をコピーします。

  8. 完了したら Plot Equation ダイアログボックスを閉じます。

  9. ワークシートを表示して、9列の2行目に Solver の計算結果をペーストします。


  10. グラフページを再度表示します。

  11. グラフをクリックして、単一散布図 (Simple Scatter Plot) を追加します。


    データ形式 (data format) に XY Pair が選択されているかを確認したら、次へをクリックします。


  12. X 値に列4のパラメータ値を選択します。


  13. Y 値には、算出した列9目の値を選択します。


  14. 完了 をクリックすると、データポイントが追加され、グラフに単一のシンボルがプロットされます。しかし、このままでは新たに追加されたデータポイントを見ることはできません。データポイントを表示するには以下の手順に従います。

 

ドロップラインの追加

プロットのデータポイントが表示されていない場合、ドロップラインを追加して確認することができます。

手順を以下に示します。

  1. グラフをダブルクリックして Graph Properties ダイアログボックスを開きます。

  2. Plot 3 が選択されているか確認します。


  3. プロパティリストの Plot 分類から Drop Lines をクリックします。


  4. X と Y の両方をオンにします。


    単一データポイントのドロップラインが描画され、新規で追加したデータポイントを確認できるようになります。

 

基準線 (reference line) の追加

最後に基準線 (reference line) を使用して、"a" パラメータの値をプロットします。SigmaPlot では、基準線 (reference line) は統計値または指定された定数で計算された値を示すために使用します。

  1. ワークシートに戻り、最初のパラメータ "a" として列4の1行目の値をコピーします。


  2. グラフページに戻り、グラフをダブルクリックしてもう一度 Graph Properties を開きます。

  3. プロパティリストの Plot 分類から Reference Lines をクリックします。


    パラメータ "a" は Bmax で、最大結合能 (maximum saturation) です。"b" パラメータ(Kd) に対応する y 値は "a" すなわち Bmax 値の半分になるはずです。

  4. 仮ラベル "Upper Specification" のついたラインを選択し、CalcConstant に変更します。

  5. Calc のボックスに "a" パラメータの値をペーストします。

  6. 右下隅にある、Label ボックスに "Bmax" と入力します。

  7. 完成したグラフを表示します。

リガンド結合能の実験において、パラメータ "a" は Bmax 、パラメータ "b" は Kd です。Kdの値は、放射能でタグ付けされたリガンドの濃度で、特異的結合 (y値) が最大結合能 (Bmax) の半分となるものです。グラフには最大値の半分が約 5.6 であり、Bmax が約 11.2 となっており、実際にそうであることを示しています。