2. 実験の計画

実験を設定するために DX ソフトウェアを開きます。次に、ツールバーで空白シートアイコン()をクリックします。下部にある Custom Designs セクションから “Optimal (Combined)” を選択します。Mixture 1 components のドロップダウンリストから “3” を選択します。次に、Mixture 2 components には “3” を、Numeric factors には “1” を選択します。次のページに進むために、右下の “Next” ボタンをクリックします。

2つの混合物および、1つの数値型因子から成る複合分割法の設定

 

ここで、ケーキのレシピとして Mixture 1 の成分を入力します。このレシピで検討するのは中力粉、薄力粉、砂糖のみです。そして、これらの合計は 36 オンスになります。そのため、Total ボックスに「36」、Units に「ounces」と入力します。

ケーキのレシピとして、Mixture 1の Total と Units に値を入力する

 

残りの変更されていないレシピにも、この合計 36 オンスが繰り返して追加されるため、どの試行も割合は同じになります。ケーキの混合物は、この計画における HTC 因子であるため、ドロップダウンリストを使用してA 行の Change 列を Easy から “Hard” に変更します。混合物はすべての成分が Easy または Hard のどちらか一方で統一する必要があるため、最初に変更した Hard に準じて他のすべても Hard に変更されます。

ケーキの混合物をHTC因子に変更する

 

成分 A 行の Name 列をクリックして、「all purp flour」と入力し変更します。すべての成分が、小文字になったことに注目してください。DX では HTC 因子は小文字で示され、通常、大文字で示される ETC 因子とは区別されます。この表示の違いは、グラフとラベルを操作するときに非常に便利です。

成分を all purp flourに変更し、小文字で表示される HTC 因子に注目してください

 

Tab キーで列を移動し、Low に「0」、High に「26」と入力します。次に、成分 B に「cake flour」と入力し、Low に「0」、High に「26」と入力します。さらに、成分 C として「sugar」と入力し、Low に「10」、High に「14」と入力します。他と関連してこれらの成分の水準が変わると、薄力粉の必要性と、最適な砂糖の水準が測定されます。計画は以下と同じようになっているはずです。

ケーキの混合成分と水準

 

レシピの中には、大きな違いがあってはならないものがあります。それは小麦粉の総量です。十分な量の小麦粉が確実に使用されるように、ページの下部にある “Edit Constraint” ボタンをクリックして条件を追加します。小麦粉の合計は a+b で構成されるため、Constraints 列に「a+b」と入力します。小麦粉を適量に保つために Low Limit に「20」、High Limit に「26」と入力します。

Constraint を入力して小麦粉の総量を20から26オンスに保つ

 

 “OK” をクリックしたら “Continue” をクリックして、Mixture 2 に進みます。

 フィリングとフロスティングの合計として Total に「17」、 単位として Units に「teaspoons」と入力します。私たちはレシピのうちでも限定された (影響の大きい) 材料のみで実験しています。この混合物は ETC 因子のため、Change 列を変更する必要はありません。成分 D の Name に「water」、Low に「13.5」、High に「16」 と入力します。そして、成分 B の Name に「corn syrup」、Low に「0.5」、High に「2.5」と入力します。また、成分 C の Name に「vanilla」、Low に「0.5」、High に「1」と入力します。

フロスティングとフィリングの成分名と水準

 

“Next” をクリックして、数値型因子に移動します。Name を「amount F&F」(filling and frosting)に変更し、Low Level をあらわす L[1] に「3」、High level をあらわす L[2] に「4」と入力します。

数値型因子の名前と水準を入力する

 

“Next” をクリックすると Design オプションが表示されます。Optimal Design には数多くのオプションの選択肢が用意されており、複合計画においてはさらに多くのオプションが存在します。“Edit Model...” ボタンのそばを見ると、“Quadratic x Quadratic x Quadratic” と表示されているのが分かります。これにより、Mix 2 モデルが Mix 1 モデルと同じ

数値型因子の名前と水準を入力する

 

複合モデルの場合、これらの各モデルからの項を一緒に乗算するか、108個の係数、すなわち、108 のモデルポイントが必要です(右上を参照)。この複合モデルは非常に複雑で、極端ともいえるようなとても込み入ったモデルを可能にします。試行数を抑えるには “Edit model...” ボタンをクリックします。試行数を抑える方法の一つは、個々のモデル、すなわち、Mix 1、Mix 2、またはプロセスモデルのいずれかの順序を変更することです。単純なモデル(例えば、線形)を選択すると、結果として項と試行数がさらに少なくなります。しかし、個々のモデルを単純化する代わりに、これらモデルの乗算によって発生した非常に高次な交互作用を、いくつか削除することをお勧めします。これを行うには Combined order limit を “Quartic” に変更します。

Combined Order LimitをQuarticに変更して、高次の交互作用を削除し試行数を削減する

 

これにより、 ABEFG2 または ADFG2 のように、それぞれ6次および5次の項を含むモデル内のすべての項が取り出されます。これらの操作は、システムの全体像を把握するために必ずしも必要というわけではありません。また、これらの項を削除することで、いくつか試行数が抑えられます。4次項のみが残ります。

 “OK” をクリックすると、Required model points が 108 から 72 に減少します。

必要なモデルポイントが72に単純になったモデル

 

次は、中央の Groups 欄を確認します。これらは “whole plot groups” で、HTC 因子の水準は一定に保たれます。つまり、これらのグループには、1つのオーブンで一度に多くのケーキを焼くという試行が含まれます。デフォルトでは9つのグループが存在し、1グループあたり9個のケーキが焼かれるため、試行の合計数は 81 になります。一度に焼くことができるケーキは 12 個だったことを思い出してください。そこで、Additional groups を「1」に減らし、Tab キーを押して更新します。警告が表示されたら no を選択して、グループは 7 だけのままにしてください。これにより、7グループで合計 79 の試行数、すなわち、1グループあたり 11 個を少し上回るケーキの数となり、大きなオーブンとミキサーが有効に活用されることになります。

Additional groupsを1に変更すると、合計試行数79回と7つのグループになります

 

“Next” をクリックします。R1 の Name に「Rating」と入力します。この場合、100ポイントのスケールで測定され、高ければ高いほど良い味となります。

応答名をRatingに変更

 

“Finish” をクリックすると、計画が構築されます。これには、数分かかることがあります。このプログラムは多くの試行(デフォルトは20)を通して、できる限り正確かつ効率的にモデル項に合う試行の適切な組み合わせを選定します。反復が終ると(オプションで選択された統計基準で判断された)最適計画が表示されます。

 グループ間の因子水準をリセットするよう警告が表示されます。とりあえずこの警告は無視して、“OK” をクリックします。計画は無作為化されるため(制約なし)のため、画面に表示される試行は各ユーザーによって異なります。最初の2つのグループは以下のように表示されます。Group 1 においてケーキは、中力粉が0オンス、薄力粉が22オンス、および砂糖が14オンスの分量で焼きます。その後の Group 2 では、全く別の分量となっています。分割法の素晴らしい点は、同じケーキレシピの試行を連続して11回行えることです。そのため、11個のケーキをまとめてオーブンで焼くことができ、時間を大幅に節約することができます。

分割法における最初の2つのグループ(ユーザーによって表示は異なります)

 

大量のケーキが一窯で焼かれたら、Mix 2 成分(D, E および F)で指定したフロスティングとフィリングをレシピに従い泡立てて、Factor G で指定した適量がケーキに使用されます。