5.16 正味現在価値 (NPV) 分析を実行する

もし、誰かに 100 ドルを今日受けとるのがいいか、それとも、100 ドルを2年後に受け取るのがいいかと提案されたら、どちらを選びますか?すぐに受けとる方を選択したら、例えば、年利 6% の低リスクの債権に投資することができます。この場合、2年間の投資で 112 ドルの価値になります。提示された2つの選択肢の価値は、同じではありません。逆に支払義務であれば、すぐにではなく後に引き伸ばす方を好むかも知れません。

正味現在価値 (NPV: Net present value) 分析は、期間内の異なる時点の金銭の流入と流出にまつわる各種シナリオを比較するためのひとつの手法です。キャッシュフローの各種の流れを、現時点における単一の取引で全ての金銭がやりとりされた場合のシナリオに変換します。この低リスク投資で実現される利率のことを割引率 (discount rate) といいます。例えば、割引率が 6% であれば、2年後の将来支払われる 112 ドルの NPV (正味現在価値) は、100 ドルになります。

上記の事例のように、キャッシュフローの単純な合計を取れば、お金の時間的価値は無視されます。このような場合に役立つ手法が、正味現在価値分析です。Analytica の NPV() 関数を使えばこれを簡単に行うことができます。この関数も配列縮約関数の一例です。

1月あたりの割引率を 0.5% と仮定します。

Cash flow NPV というタイトルで目標ノード (objective node) を作成します (ノードパレットに六角形であらわされているのが目標ノードです)。

以下の内容を定義します:

 

以上で分析は完了です!