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v8 で追加された機能

過去に Design-Expert の以前のバージョンを使ったことがある方は、バージョン8 で多くの機能向上が図られていることに驚かれるでしょう。バージョン 7.1 からの変更点は次のようになります。

  1. 新しいグラフィックスとインターフェイスの向上
  2. 混合計画とモデリングツールの改良
  3. カスタム計画の選択肢が拡大
  4. その他の統計機能と、重要な結果を簡潔にレポートする機能
  5. 視認性と多用途性が向上したツール群と機能
  6. 計画評価の向上
  7. プログラム全体のパフォーマンス向上
  8. プログラマーに関連する技術的改良点

 

新しいグラフィックスとインターフェイスの向上

  • 半正規 (Half-Normal) プロットによる重要な効果の選択がすべての要因計画に対応:重要な効果を選択するための簡単で安定した方法です。以前は2水準計画でしか使えませんでした。例えば、次の画面は5種類の接着剤で5つの木材を接着した、2種類の圧力で4つの留め具を持つ圧着機を使った実験の結果です。重要な効果が一目でわかるようになります。
    半正規 (Half-Normal) プロット

  • 2D 等高線図のカラーグラデーションが滑らかになりました:上司、顧客、同僚により印象的なプレゼンテーションを見せることができます。
    2D 等高線図のカラーグラデーション

  • 等高線の値の丸め:報告書の作成で無駄な作業を減らすため、デフォルト設定で体裁を良くしました。

  • 3D 曲面にフラッグを配置可能:以前のバージョンでは2次元の等高線プロット上にしかフラッグを配置することができませんでした。図では、混合計画 (応答局面法 [RSM] の特殊な適用) による洗剤の混濁度の数値最適化によって配置されたフラッグを見ることができます。
    3D 曲面にフラッグを配置

  • 3D 曲面のスムーズと配色を自由に設定できる新しいメッシュオプション。プロセスの違いによって応答がどのように変化するかを高度なグラフィックスを使って表現できます (メッシュは非表示にすることも可能です。)。

  • マウスで回転できる 3D グラフ:カーソルが手のマークになったら、掴んで回してください。グラフをダブルクリックすると元の角度に戻ります。

  • Factors Tool の平均化プッシュボタン:主効果のプロットが遥かに簡単になり、交互作用を理解しやすくなりました。従来までは、因子の平均をとるオプションはドロップリストに隠れていました。右下のスクリーンショットは、“Avg” ボタンを押しただけで5つの材木 (wood)、5つの接着剤 (adhesive)、2つのアプリケーター (applicator)、2つの圧力 (pressure) の平均を得たものです。
    Factors Tool の平均化プッシュボタン

  • 立方体 (Cube) プロットのインタラクティブ性の向上:計画点をクリックするだけで因子水準と応答予測が以下のようにグラフの凡例に表示されます。
    立方体 (Cube) プロット

  • 応答曲面計画で離散 (固定) 数値水準を直接設定できます:因子設定を合理的水準に制限しながら、連続モデルを構築できます。以下の設定画面は、3つのバッテリータイプが必ず3つの温度で試験される例を示しています。従来より設定が簡単になりました。
    離散 (固定) 数値水準を直接設定する例

  • 数値計算による最適化に従う離散因子水準:スプレーを通過する穴の数のように連続的でない因子から最も望ましい設定を見つけ出します。

  • 入力変数を縦方向 (上図参照) に入力可能:多数の水準を入力する場合、横方向のレイアウトより便利になるかもしれません。

  • プロット上の参照線の表示:横方向、縦方向、自由形式の参照線によりプロットの読み取りを支援します。以下のグラフでは、木材の接着試験において4つのクランプが2つの群 (切り捨ての基準を 50 として、許容できるものとできないもの) に分けられることが完全に明らかとなっています。
    参照線の表示

  • 診断 (Diagnostics) だけでなく、モデルグラフ (Model Graphs) でも、予測値 vs. 実測値 (Predicted vs. Actual) グラフを利用できます。:応答が Model Graphs モードで数学的に変換されているような場合、オリジナルの尺度に戻して応答を表示させたい場合に便利です。
    モデルグラフ (Model Graphs) の予測値 vs. 実測値 (Predicted vs. Actual) グラフ

  • 単一因子の応答プロットで信頼区間、予測区間、許容誤差 (CI、PI、TI) を色分けしてプロット可能:最適な当てはめの両側に帯を表示することで予測の不確実性をあらわします。図は実際の試行結果を赤の●で表示しています。実線は多項式モデルに基づいた予測値です。帯は CI (最も狭いもの) 、PI、TI (最も広いもの) をあらわします。
    信頼区間、予測区間、許容誤差 (CI、PI、TI)

  • 標準誤差の増大をあらわす応答曲面グラフの色づけ:これは、実際の実験領域を広げて応答を予測することの問題を簡単に把握することができます。次の例は、中心複合計画の軸点を拡張したフラッグのセットを示しています。この位置での予測は無意味なものとなります。
    応答曲面グラフの色づけ例

 

混合計画とモデリングツールの改良

  • PQM (Partial quadratic mixture: 部分2次混合) 分析:非線形の混合特性を最も効率的にモデル化します。以下の例は、人工調味料を使用して調合されたオレンジジュースをあらわします。官能パネルにより測定される主要な味覚強度は、一種の非線形であることが判明します。このような例をモデル化するには PQM を使用するのが最適です。
    非線形の混合特性

  • 混合モデルにおける 1次と 2次の項を計画:最適に計画された非線形の混合実験で、必要とされるブレンド数を削減します。

  • 特殊および完全4次 (quartic) の混合モデルの計画:すべての成分間の極度に非線形な関係を取り込みます。

  • ブロック化による単体混合計画 (simplex mixture designs) への拡張:例えば、ケーキの原料を混合し、2種類のオーブンで焼くような場合です。

  • コーディングに U-pseudo を使用して計画を構築する際、トレースプロットで端点 (End Point) を実測値で表示するオプション:上界 (U: Upper bounded) アプローチは、ある制約条件にある混合領域を反転するときに役立ちます。ただし、軸が反転するため、この新機能を使わずにトレースプロットを表示させた場合、傾向を間違いやすくなります。

  • スクリーニングとヒストリカル*計画の成分制限の拡張:個別の原料を最大 50 まで Design-Expert で取り扱うことができるようになりました (従来はそれぞれ 40 と 24 でした) 。*(例えば、ある期間に製造されたサンプルとして保管された素材を検査するような場合、そこで収集された偶発的状況におかれたデータを指します)

 

カスタム計画の選択肢が拡大

  • D-、IV-、A-最適計画の選択: 新たに拡張された基準により、現実的な制約条件からモデルを選択して実験を構築できます。
    D-、IV-、A-最適計画の選択

  • 制約条件の計算機能:制約条件の不等式を簡単に導出できます。図は食品研究者がスターチを調理する際、温度が低いほど長時間加熱する必要があることを示しています。プログラムの Help ガイダンスを使えば、わずかな条件を入力するだけで多重線形制約条件 (multilinear constraint) 式を生成し、これを使用して計画空間の左下隅の領域を除外することができます。最適計画はこれによりこの領域に当てはまります。
    多重線形制約条件の例

  • 計画の規模を許容範囲を元に評価:FDS (設計空間率) グラフを使用して、計画した実験の規模が、与えられたばらつき (ノイズ) の許容範囲内におさまるかどうかを評価します。
    FDS (計画空間率) グラフ

 

その他の統計機能と、重要な結果を簡潔にレポートする機能

  • 中心点を持つ要因のための曲率検定の向上::すべての計画点を多項式モデルに当てはめ、予測に使用できるようになりました。これによって非線形応答の有意な影響がより現実的になります。診断は曲率用に調整されたモデルについて行うことができます。View オプションを使えば、調整されていないモデルも診断できます。曲率 (非調整) 項を持たないモデルはモデルグラフと点予測に使用されます。

  • 係数サマリー:応答のモデリングが完了したら、相対的有意性によって係数が簡潔に色分けされた一覧表を確認します。以下の図は、2番目の応答 (Activity) が主効果 (A, B, C) のみでモデル化されています。そのうち2つ (A, C) は p-値の水準が p<0.1 で有意となっています。
    係数サマリー

  • 凝縮された「フィット・サマリー」テーブル:すべての細目を調べる前に、モデル選択に必須の項目を確認します。以下の図では、プログラムがなぜ複数候補の中からあるひとつのモデルを推奨しているのかがわかります (Quadratic の R二乗の値が高い点に注目してください)。
    「フィット・サマリー」テーブル

  • 点予測における許容範囲 (TI) の計算:許容範囲 (TI) は、プロセスが製造仕様の範囲におさまるかを評価するような実証研究において重要になります。例えば、以下に示す TI は、厚さ (thickness) が要求される許容範囲 4400 ~ 4600 内におさまることを保証します。
    点予測における許容範囲 (TI) の計算

 

視認性と多用途性が向上したツール群と機能

  • 新たに多数装備された視認性の高いツール:以前は隠れた View メニューオプション経由でのみ使うことができたオプションを簡単に見つけることができるようになり、利用することができます。以下のスクリーンショットでフローティングウィンドウとして表示されている Design Tool もそのひとつです。

  • 計画配置表の列の幅を列ヘッダ部分の境界をダブルクリックするだけで自動的に調整されます:複数の列を同時に調整することができます。

  • 行ヘッダの右クリックによりコメント行を付加:図で示すように、実験で観測された重要な情報を記録する便利な手段となります。
    注意:コメントの付いた試行には、アスタリスクで目印が付けられる点に注目してください。

  • 追加されたコメントは、プロット上で点が選択されたときも表示されます。上記のコメント “starch sticky” はプロットでも引き継がれ、この処理で特徴的な観測であることが示されます。
    プロットでも引き継がれるコメントの内容

  • メインの Help メニューに Topic Help (F1)、チュートリアル、Sample Files を移転:この新しい経路をたどれば、必要な時にプログラムのアドバイスをみることができます。

  • 更に、Topic Help (F1) の内容が強化されました。文脈依存のヘルプ情報を使えば F1 キーを押すだけで何時でも必要な情報にたどり着くことができます。

  • 因子の実測値の水準に応答曲面法 (RSM) モデルを当てはめることができます:切片なしのモデル構築を可能にします。

  • スクリーンチップスがメインメニューの項目 (Tips) になりました:必要なときは分かりやすいボタンをクリックするだけでとても役立つアドバイスに簡単にアクセスできます。
    メインメニューに配置された スクリーンチップス ボタン

 

計画評価の向上

  • 新しい行列評価尺度の追加:中でも重要なのは G-efficiency です。(0~100% の尺度で値が高いほど良いと表現されるこの基準は、計画の予測応答のばらつきをより一定となるようにできます。ただし、ある特定の行列全体の有効性については、他の単一尺度と同じように正確に評価できな場合があります。Design-Expert に計画全体を評価するための行列統計とグラフィックスが用意されているのはこうした理由があるからです。)

  • 対になった設計空間率 (FPDS) :この便利なツールを使えば、ノイズ (=系の標準偏差) 中に指定シグナル (=重要と判定される応答の差) を検出し、RSM や混合計画の検出力を評価することができます。以下の図では、設計空間の半分以下に関心の相違があることがわかります。この比率は 80% 以上になるのが理想的ですので、この実験では、計画の試行数を更に追加するのがよいことになります。
    対になった計画空間率 (FPDS) グラフ

  • 新しいパワフルな多重応答最適化のツール:標準誤差モデルを含めるオプション (include standard error models) を選択できます。条件が等しければ、最も高い精度で予測される領域に系の設定を選択します。

 

プログラム全体のパフォーマンス向上

  • ワンクリックでアップデート:ワンクリックで無料のアップデートリリースを確認し、直接ダウンロードします。
    ワンクリックでアップデート

  • デフォルト値と軸目盛の改善:うまく丸められた値は、そのままプレゼンテーション可能なグラフになります。

  • マウスホイールでグラフをズームアップ (右クリックで元のサイズにリセット) :注目したい範囲に素早く的を絞ります。

  • マウスの左ボタンを押してドラッグすることで、様々な位置にグラフを移動 (右クリックで元の場所にリセット) :座標空間内の注目させたい範囲を指定する素早い方法です。図の混合物トレースプロット内の成分 G と H は、他の成分に比べて非常に狭い範囲に制限されています。これらは最初に拡大し、中央の交点 (描画空間の全体の重心) を移動させないと見分けることが困難です。
    混合物トレースプロット

  • X-Y グラフとサーフェスグラフ用の設定タブを分離:Design-Expert 8 はプロットとグラフ作成の簡単さを提供します。

  • X-Y と Surface Graphs の設定タブを分離:プロットとグラフ作成の操作が DX8 から使いやすくなりました。

  • グラフ更新の再描画を滑らかに:入力値のレベルを変えた時に応答曲面が再描画されますが、そのちらつきが少なくなりました。

  • カテゴリ型因子 (例えば一般的な要因配置で) を離散数値型因子に変換できるようになりました:実行する処理を変えずに特定の設定のみでもっとも簡単に応答曲面法を適用できます。
    カテゴリ型因子の離散数値型因子への変換

  • キーボードショートカットの指定:Ctrl + F8 をクリックするとプログラムで指定されたショートカットを指定できるボックスが表示されます。全ての指定はワンクリックでデフォルトに戻すことができます。
    キーボードショートカットの指定

  • グラフ列に点タイプ別の色分けを追加:以下のように中心複合計画 (CCD) の散布図に追加すると非常に便利です。
    点タイプ別の色分け例

 

プログラマーに関連する技術的改良点

  • MFC (Microsoft Foundation Class) コモンコントロールの更新:この新しいアプリケーションフレームワークはルック&フィールを向上します。

  • XML ユーティリティは使用可能なすべてのコマンドを一覧表示する新しいスクリプトを提供します。.xml 以外の拡張子を持つファイルもパースすることができます。また、新しいインポート/エクスポート/設定のリセットのコマンドも提供します:Design-Expert をプログラム的に操作する機能が強化されました。